埋蔵金探知靴に、ネッシー帽子。僕の妄想発明品【ぼくとフジオ・24】
『ねたあとゆうえんち』や『よなかかいじゅうイビキラス』(ともに白泉社)などでおなじみの絵本作家でイラストレーターの大串ゆうじさんが、子育ての中で日々湧いてくる「妄想」を描きます!
こんにちは。今回は「発明品」がテーマです。
先日、テレビで懐かしの映画『グーニーズ』が放送されました。子どもの頃に何回も観た大好きな映画にテンションがあがり、息子・フジオ(4歳)と一緒に観ることにしました。『グーニーズ』は80年代のアメリカ映画で、伝説の海賊が隠した財宝を少年達が探しに行く冒険を描いた、ハラハラドキドキのめっちゃ楽しい内容なんですが、登場する少年たちや悪役もみんな個性的でそこも大きな魅力のひとつです。
少年たちの中に発明が得意な男の子がいて(彼の発明グッズは失敗作も多いのですが)、バネと入れ歯が合体した「万能フック」なる武器でみんなのピンチを救ったり、大事な所で大活躍します。僕は『グーニーズ』の登場人物でこの少年が一番好きだったことを、何十年かぶりに当時のワクワク感と共に思い出しました(映画鑑賞は途中でフジオが「怖い! 怖い!」となったのでそこで終了)。
この映画の影響か、僕も小学生の頃はいろいろと発明品を考えたりしたものです。すごい発明をして商品化してお金持ちになるんだー!とか言ってた時期もありました(笑)。その中でも周りの友達にちょっとだけ評判だったのは、自転車に乗りながらポテトチップスを食べられる機械(?)です。
こんな感じです。
先日、大きなハエが1匹家の中に迷い込んできて、家族みんなで窓をあけたり、追い出そうといろいろやったけどダメで、そのハエは一日中ずっと我が家を飛び回り困りました。すると工作好きのフジオが自動ハエ取り機なるものを作り出してくれました(ベトベトのセロハンテープにハエを誘き寄せてくっつけてしまうマシーン)。
困ったことがあったらすぐに創意工夫して対処しようとする姿勢がなかなか良いな!と関心させられ、同時に僕の発明欲、妄想欲も刺激されました。
ということで、今回は僕の好きなUFOや未確認生物など不思議なものをモチーフにした発明品、妄想グッズを考案してみました。
第24回 妄想発明研究所の発明品
その1 ネッシー帽子
頭に未確認生物のネッシーがセットされている帽子です。
川や海で遊ぶ時、ネッシー部分だけを残して水中に潜ると、周りからはネッシーが泳いでいるように見える楽しい帽子です。
その2 ツチノコ寝袋
日本の代表的な未確認生物、ツチノコの気分を味わえる寝袋。晴れた日は草の上で寝てみましょう。ソロキャンプにいかがでしょうか?
その3 自動宇宙人発声キット
手で喉をトントンやって声を震わせ「ワレワレハウチュウジンダ……」とやるあれを自分の手を使わずに出来る便利な機械。※やりすぎに注意しましょう。
その4 埋蔵金探知靴
徳川埋蔵金を探すドキュメント番組をみてから、埋蔵金は永遠の憧れです。
歩いている時、土の中にお宝があると金属探知機になっている靴が音を鳴らして知らせてくれます。
その5 ここだよUFO
公園などで人がいっぱい居る場所で一瞬目を離した瞬間にフジオがどこに居るのか見失ってしまいドキッとした経験が何回かあります。そんな時、「フジオ〜!」と呼ぶと、頭上のUFOがフジオを照らして場所を知らせてくれる機械です。
以上「妄想発明研究の発明品」をいろいろ考えてみました。「埋蔵金探知靴」は中学生の頃に考えたアイディアです。30年越しに発表することが出来て良かったです。
ありがとうございました〜!
大串ゆうじ
おおくしゆうじ/1976年茨城県出身。多摩美術大学絵画科油画専攻卒業。個展などで作品を発表しながら、雑誌、テレビ、広告などのイラストレーションで活躍。著作絵本に『よなかかいじゅうイビキラス』、『ねたあとゆうえんち』(白泉社)『しょうてんがいくん』(偕成社)がある。
www.senggeng.com/kushi/