2021年10月7日

恐竜、梅干し、シャケの皮…。フジオの妄想内部構造【ぼくとフジオ・最終回】

『ねたあとゆうえんち』や『よなかかいじゅうイビキラス』(ともに白泉社)などでおなじみの絵本作家でイラストレーターの大串ゆうじさんが、子育ての中で日々湧いてくる「妄想」を描きます。今回はいよいよ最終回です。

こんにちは。今回でこの連載は最終回を迎えることになりました。去年の7月に連載がスタートした時にはまだ3歳だった息子のフジオも、今年の9月で無事5歳になりました。あの時から今日までの1年ちょっと、世の中はずっとコロナ禍で、子どもと遊びに行く場所も遊びの内容も限られていました。時には夫婦喧嘩したり、育児でバタバタしつつもなんとか楽しく過ごしてこれました。

家族3人の生活の中で、フジオの身長だけが日に日に伸びていきます。妻と僕2人だけだったら、こんな風に時間の経過を意識することは少なかっただろうなと思います。寝ている息子の姿を見て「あれ~、おっきくなったな~」と思うたびに、当たり前ですが、時間は経過していってるんだな~と思うのです。5歳までの楽しかったこと、悲しかったこと、面白かったこと、不思議に思ったこと、周りの景色や出会った人々などなど、何十年後かのフジオの頭の中にはどれくらい残っているのだろう……? 息子と遊んだ帰り道、そんなことをふと思います。

ということで、今回は最終回記念として5歳までのフジオが好きだったものや思い出を、いっぱい詰め込んだ息子の図解を描きました。昭和の子ども向けのSF本や怪獣図鑑などによくあった「内部構造の図解」みたいな感じで作ってみたいと思います。

第30回 フジオの妄想内部構造

5歳までに好きだったもので構成されています。最初は車や重機が好きだったのが新幹線になり、そこからサメや恐竜、虫にブームが移っていきました。食べ物ではイクラがずっと大好きで、あとは甘い物と酸っぱいもの、最近は梅干しが大好きです。

以上、「フジオの妄想内部構造」でした。

この連載は息子との関わり、育児から浮かんでくる妄想をいろいろと発表するということで(時には育児から離れてしまった妄想もありましたが)やっていたのですが、次から次へとフジオの好きなもの、興味あるものが変わって行くので、アイディアや妄想のきっかけは止まらなかったです。この先、小学生になったらまたどんどん新しいものへ興味が移っていくことでしょう。フジオがこの先どんなものに夢中になっていくのかとても楽しみです。それを見ながらまたいろいろと妄想していきたいと思います。

ありがとうございました!

おまけ

「ぼくとフジオ」の連載、全30回でいろいろなイラストを描きました。その中で好きなものベスト5を載せたいと思います。

5位 「忍法耳見守りの術!」 (第11回 おたすけ忍者より)

第4位 「『楽しかった日帰り旅行』の化石」 (第10回 妄想化石より)

第3位 「お寿司スーツセット」 (第8回 お寿司の妄想より)

第2位 「送電鉄塔怪獣 ビリリーボルト」 (第26回 妄想巨大生物図鑑より)

第1位  「カルピス給水タンク」 (第17回 妄想給水タンクより)

 
以上です。「ぼくとフジオ 育児妄想メモ」約1年お付き合いいただき、ありがとうございました!

大串ゆうじ
おおくしゆうじ/1976年茨城県出身。多摩美術大学絵画科油画専攻卒業。個展などで作品を発表しながら、雑誌、テレビ、広告などのイラストレーションで活躍。著作絵本に『よなかかいじゅうイビキラス』『ねたあとゆうえんち』(白泉社)『しょうてんがいくん』(偕成社)がある。
www.senggeng.com/kushi/

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