「近視を治すには?」……etc.子どもの目 Q&A【子どもの目を守る!・4】
目が悪くならないようにしてあげたい、と思っているママも多いことでしょう。目の発達にとって重要な幼児期、ママたちが気になる目のお悩みに、眼科専門医の荒井宏幸先生に答えてもらいました。
子どもの目で気になることをピックアップ!
荒井先生に教えていただきました。
Q. 目がいい・悪いは遺伝的な要素が大きいの?
A. 形質的な要素は遺伝する可能性が高いです
「例えば近視の人は目の奥行きが長いのですが、つまり目の形なので、顔や体型と同様に遺伝する可能性が高い。ママかパパどちらかより、両親ともに近視だとさらに可能性は高くなります。でも、環境の要素も大きいことは確かです」
Q. 近視を治すには、どうしたらいい?
A. 「進行させない」を目標に生活を見直しましょう
「子どもの場合、近視の矯正はメガネが一般的。中高生になればコンタクトレンズも選択肢にはなりますが、近視を完全に治す方法は確立されていません。ただ、上記のようなポイントを心がけて近視が進むのを防ぎ、強度近視にしないように心がけることは大切だと思います」
Q. 子どもの頃目がいいと、老眼になるのが早いって本当?
A. 視力が落ちたことに敏感だからでは?
「時期は人それぞれですが老眼は誰でもなるもの。目がよかった反動で早く老眼になる、なんてことはなく、近視の人はもともと見えにくいため老眼の進行がゆるやかに感じ、もともといい人は見えづらい不便さゆえに敏感である、ということでは」
Q. メガネをかけていると、どんどん視力低下が進む気がするのですが……
A. 寝ている間に装着するコンタクトレンズなどの治療法も
「夜寝ている間だけコンタクトレンズをつける治療法『オルソケラトロジー』が注目されています。メガネより近視が進みにくいと言われています。自費診療なので15万円くらいが目安ですが、昼間はメガネ不要で、近視も進行しにくいことから、スポーツをしているお子さんで選択する親御さんも増えつつあります」
近視の進行抑止が期待される オルソケラトロジー
寝るときに特殊なコンタクトレンズをつけ、角膜の形状を矯正して網膜上で焦点を結ぶようにします。コンタクトを外してもこの形状が一定時間維持されるため、起きている間はメガネなしで見えるというしくみ。近年、近視の進行予防に効果があるのではないかとの報告もあります。
教えてくれたのは
荒井宏幸先生
あらいひろゆき/眼科専門医。クイーンズ・アイ・クリニック院長。近視、老眼、白内障の治療に詳しい。著書に『よく見える目をあきらめない』(講談社)ほか。
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イラスト/ホリナルミ (kodomoe2018年6月号掲載)