第9回　井上和香さん×助産師さん「卒乳後のおっぱいケアを教えてください！」

もともと大きな胸がコンプレックスのひとつでもあったという井上和香さん。出産・授乳を経たおっぱいを、今後どんなふうにケアしていったらいいのかについて、人気整体師であり助産師の是枝貴子さんにお聞きしました。

◼︎是枝貴子：
これえだたかこ／産前産後のママとベビーのためのヘルスケアサロン「マミーサロン」代表。産科勤務時代、トラブルの多いママの身体を助けたいと一念発起し骨盤ケアを学ぶ。助産師、鍼灸師、カイロプラクター、フットケアトレーナーなど数多くの資格を保有し、産前産後の母子を中心に、月に200名以上の骨盤ケアや足育ケアに従事。これまでの施術実績は延べ20000人以上。
https://www.mommy-salon.com

出産後はトラブル続出で辛かった！

是枝貴子さん（以下：是枝）：
女性は出産前後、乳腺炎や腰痛など、体験したことのない不調やトラブルを抱えることが多いのですが、和香さんはいかがでしたか？

井上和香さん（以下、和香）：
乳腺炎はなりましたね。おっぱいが腫れて、病院に行ってマッサージして出してもらいました。

是枝：
大変でしたね。乳腺炎のあの辛さは、なった人でないとわからないですよね。

和香：
けっこう高熱が出たんです。初期の方からかなり詰まりました。それに乳腺炎も痛かったけれど、授乳中に乳首が切れちゃって、もう泣きながら授乳してました。

是枝：
お子さんの吸い方が浅飲みになっていたんだと思います。

和香：
この大きさが災いしてか、ちゃんとくわえられなかったみたいなんです。産院でも吸い口をつぶして口にくわえさせるって指導されたんですが、うまくできなくて…。退院する前から乳首が切れちゃって、本当に痛かったです。

是枝：
産後、女性は痛いことや困ることって本当に多くて、辛いですよね。乳腺炎など産後のおっぱいトラブルは、おっぱいまわりの筋肉の凝りによる血行不良も一因だったりするんですよ。

バストの形はストレッチで維持できる

是枝：
ところで、今は授乳はもう終わりましたか？

和香：
入院の予定があったので卒乳させました。うちは２歳２か月までと、比較的長く授乳していたので、もう量も少なくなっていて、乳腺トラブルなどはなかったですね。
でも、その一週間の入院中、授乳なしでも何も言わなかった娘が、退院して私の顔見たら泣きながら「おっぱい～」って寄ってきたのが辛かったです。あのさみしそうな顔が、いまでも印象に残っています。

是枝：
やっぱり、おっぱいは愛着なんですよね。卒乳しても、おっぱいに触りたがる子は触らせてあげていいんですよ。おっぱいに触らないと寝られない子とかいますね。満足するまで愛されたっていう記憶が、子どもを健やかに育てます。

和香：
そうなんですね。触らせてあげていいんですね。
でも授乳前とはおっぱいの形はだいぶ変わりましたよ。

是枝：
やっぱりそうなりますよね。授乳後のバストの悩みでは、小さくなってブラジャーがスカスカになるとか、垂れる、形や色が悪くなるなどの話はよく聞きますね。垂れて型くずれしたバストを妊娠前の張りのあるバストに戻すことは難しいけど、今以上に形を崩さないようにはできます。自分の頑張り次第ですけどね。

和香：
元には戻らないんですね…（笑）。でもせめて維持できるなら、頑張らないと。授乳が終わっても、今度は抱っこで肩こりもひどいです。

是枝：
産後のママさんは、授乳や抱っこで同じ姿勢の連続になるので、使う筋肉も偏ってしまい、全身ガチガチ。とくに授乳や抱っこの動作で肩が内側に入り込む「巻き肩」になり、肩甲骨の動きが悪くなってるママさんも多いです。

和香：
私も巻き肩のクセがあります。実は、もともと胸の大きさにコンプレックスがあって、それを隠すように、巻き肩の姿勢になること多かったんです。子供の頃「爆乳」とかってからかわれるのが嫌で、前で腕を組んだり、バッグやクッションを前に抱えて隠してました。

是枝：
肩甲骨はおっぱいの真後ろに位置してるので「裏乳」とも呼ばれてて、肩甲骨のコンディションは授乳中のおっぱいにも影響するんです。現に乳腺炎のママさんの肩甲骨まわりは凝り固まってガッチガチですし、巻き肩になってる方も多いです。

和香：
巻き肩だから乳腺炎にもなりやすかったってことなんですね。

是枝：
そうですね。特に胸が大きい人は、重さもあるのでなおさらです。巻き肩になると「小胸筋」という筋肉が硬くなりやすくなるんです。小胸筋は天然のブラとも言われてて、胸を吊り上げておくストラップの役目をします。小胸筋が硬くなって伸縮性が損なわれるとバストが下がってきてしまいます。なので、小胸筋の伸縮性を取り戻すためにストレッチすると良いですよ。