2020年9月24日

妊婦が気をつけたいお腹の張り【妊娠中のトラブルシューティング・5】

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妊娠するとカラダのあちこちが痛かったり、お腹が張ったり……。マイナートラブルが絶えないものの、その対処法がわからない人も多いはず。そこで、産前産後のママ25000人の身体を整えてきた助産師の是枝貴子さんが、妊婦の痛みや辛い症状のメカニズムとその対処法をレクチャーします。Vol.5は放っておくと心配なお腹の張りと、その和らげ方を解説します。
モデル/惟村寛子 撮影/志田三穂子 取材・文/野々山幸(TAPE)イラスト/原田晃 スタジオ/マミースタジオ

お腹が張ると、切迫早産が心配になってしまう妊婦さんへ

マイナートラブルの中でも心配なトラブルにつながりやすく、特に注意が必要なのが「お腹の張り」です。お腹の張りが頻繁に起こると切迫早産のリスクが高まるので、どの妊婦さんも気をつける必要があります。

子宮は平滑筋という筋肉でできた袋状の臓器です。自律神経やホルモンの影響、外からの刺激によって、子宮の筋肉、子宮筋が縮む動きがお腹の張りの正体です。

子宮筋は刺激に敏感で、収縮が起こりやすい筋肉なので、普段の生活のちょっとした無理や不注意が、お腹の張りを誘発することがあります。日常的なため、お腹の張りや硬さに気づいていない妊婦さんも多いので、こまめにお腹に触れて硬くなっていないかを確認しましょう。

姿勢が悪いとお腹が張りやすくなる?

妊婦さんのお腹の形やトップの位置は、よく見ると人それぞれです。お腹の上の方から丸くカーブを描いている人もいれば、お腹の下の方だけがポコッと出ている人もいます。

注意したいのは、後者のお腹の位置が低いタイプ。お腹の位置が低いタイプの人に共通して言えること、それは「姿勢の悪さ」です。多くの方が猫背になっています。切迫早産で入院している妊婦さんで背筋を伸ばして姿勢よくシャキシャキ歩いている人は少ないはずです。

自分が知らず知らずのうちにしてしまっている姿勢で、お腹の張りを誘発してしまっている可能性もあるので、日ごろの姿勢を意識することが大切です。

マミーサロンを訪ねる妊婦さんの声

「お腹がキューっと硬くなる感じ」

「皮膚が引っ張られるような感じでカチカチに硬くなる」

「お腹のなかに風船が膨らむような感覚」

「生理痛のような痛みを伴うこともある」

お腹の張りを和らげる対策 その①姿勢作り

子宮やその他の臓器を受け止める役割を担う骨盤です。子宮が下がってこないように、しっかりと受け止めるには、裾すぼまりの逆三角形が理想的。良い座り方を考えるうえで、この裾すぼまりの骨盤を再現できる座り方が◎。イラストのような片ひざ立てのあぐらや正座はおすすめです。

お腹が張らないようにするためには、骨盤を立てることですが、誰でもすぐにできる、良い姿勢の座り方をあぐらバージョンで解説します。ぜひ、今から意識してみてください。

OK!

あぐらは骨盤に負担をかけない良い座り方ですが、その中でもさらに、良いor悪いにわかれます。ポイントは骨盤をしっかりと立てられているか否か!  お腹の大きい妊婦さんは、長時間骨盤を立てるのは辛いと思いますが、ちょっとした工夫で楽に良い姿勢をキープできます。

そのためにすることは、お尻の下に傾斜をつけるようにクッションを敷くだけ!  このとき骨盤の一番下にある坐骨(両方のお尻の奥にある骨)が当たっていることを意識してみて。これをするだけで自然と背筋が伸び、お腹に負担のかからない良い姿勢で座レます。

NG!

猫背になり骨盤が後ろに傾いている状態。鳩尾と恥骨の距離(恥骨の位置はVol.3を参照)が近くなりすぎていますね。このままでは子宮が圧迫されて、お腹も張りやすくなります。坐骨ではなく、尾骨や仙骨(骨盤の真ん中の骨。vol.1参照)が床に当たっている状態はNG。

お腹の張りを和らげる対策その②:骨盤高位


お腹の張りが気になる時に、ぜひやってほしいのが骨盤高位です。写真のように、横になり、お尻の下にかませるようにクッションを敷き込むみます(骨盤高位の詳細はVol.2を参照)。15分程度、骨盤高位の体勢で深い呼吸を意識してみましょう。お腹の張りや硬さがとれてきます。それでも張りが和らがない場合は、生理的な張りを超えてしまっている可能性があるので病院に相談してみてください。

お腹の張りを和らげる対策その③:お腹と骨盤を支える


マミーサロンでケアを受けた妊婦さんの施術前後の写真です。この妊婦さんは、お腹が張りやすく、張り止めのお薬を内服をしているとのこと。上の写真が施術前で、お腹の位置は低くなっています。

下は施術後の写真で、お腹の膨らみのトップの位置が上にあがり、ふっくらと丸いカーブを描いています。

同じ妊婦さんでもしっかりとケアすれば、ここまでお腹の状態が変わります。腹筋の弱さをカバーする手当てをしました。

お腹の位置が低い方は、腹筋が弱いので、子宮が前に倒れてくる形になります。そんな時は、さらしや妊婦帯などの適切なアイテムを、適切な方法で使用することが大切です。いわば、“仮の腹筋をつくってあげる”といったところ。手持ちのさらしや妊婦帯で下から支えてみてください。お腹の位置が補正されシャキッと姿勢よく過ごせるので、このお腹を支えるケアは妊婦さんに強くおすすめしたいです。

お腹の張りの感じ方には個人差があります。サロンでも、私が見たらものすごく張っていて危険だと思った妊婦が「今日は張っていなくて調子がいいんです」なんて言うことも! まずはふっくらと丸いお腹のいい状態を知り、日々お腹を自分の手でしっかりと触って変化に気づくこと。気がつけば、然るべきタイミングでセルフケアができて良い状態に戻すことができますし、切迫早産の心配が解消します。

次回のVol.6では、妊婦のお悩みにとても多い、「むくみ」について解説します。

是枝貴子
これえだたかこ/産前産後のママとベビーのためのヘルスケアサロン「マミーサロン」主宰。助産師、鍼灸師、フットケアトレーナーなど数多くの資格を持つ。産科勤務時代、ママのカラダを助けたいと一念発起し骨盤ケアを学ぶ。25000人以上の妊婦、産後ママをケア。現在月200名以上の施術に従事。
5歳の男の子、1歳の女の子のママ。仕事と子育てに追われる日々を綴るブログやインスタも人気。
マミーサロン http://www.mommy-salon.com
ブログ https://ameblo.jp/diary-mommysalon
Instagram https://www.instagram.com/mommy_salon_kore/?hl=ja

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