子どもの「宿題やらずにタブレットばかり見てる」問題。怒りの原因は親の「べき」のせい!? 【杉浦さやかの「機嫌のいいママになりたい!」4・前編】
最近のもめごとのパターンは、遊び(タブレットやテレビ)に夢中になるとなかなかやめられず、必要があって中断させようとすると大声を出して、こちらも怒って……というもの。日本アンガーマネジメント協会の篠真希さんにお話を伺うと、「『なんでそんな言い方するの!』『うるさいな!』じゃ否定し合っているだけで、何も伝わらないですよね。お互いの気持ちを口にしたら、建設的な会話になっていきますよ」。「やりたいよね。でも今は手伝って欲しいんだ。手伝った後にやるのはどう?」と気持ちを尊重する伝え方をする。「もうちょっとやりたいよね」「そう、私はやりたいの」ーー否定より、お互いの主張のほうがまだマシ。うーん、頭ではわかるけど、そんなふうに冷静に返せるかな……。
そこで篠さんに、自分の「べき」を見直すことを勧められました。「怒りやすい人は『べき』へのこだわりが強いんです。それだけ期待が大きいんだけど、まわりの人は大変。そして本人も大変。だって世の中は、自分のべき通りには動かないですから」……本当にそう!
おすすめは”理想の三重丸”という考えかた。
「①の理想や期待である『こうあるべき』が強すぎると、②の『まぁOK』の許容範囲のゾーンが小さくなって、いきなり③の『怒る!』になってしまう。②の許容範囲を広げると、機嫌次第で怒ることや、怒る回数は減ります。たまにであれば、バシッと言っても届くんですよ。いつもガミガミだと、うるさいな! で終わってしまう」
①「理想」から③「許せない」までの、②「許容範囲」を具体的に決めておけば、”無駄怒り”は減っていくはず。私の場合……ごはんの準備をはじめるとき、”5分くらいの猶予を持たせる”までが許容範囲。確かに、夢中になっていることを「今すぐやめろ」は無理なことかも。実際取材後、やめられる時間を聞いて、具体的に予告してあげれば動いてくれるようになりました。不毛なけんかを続いていたのが、こんな簡単なことで変わるとは……。
後編では、さらに「怒るときの3つのルール」や、タイムアウトやり方について紹介します。
kodomoe4月号では、Vol.4「アンガーマネジメント入門」というタイトルで、親と子のお互いの怒りの裏に隠された、本当の感情=「心のコップ」の見つめ方を篠さんがアドバイス。
篠真希
しのまき/日本アンガーマネジメント協会トレーニングプロフェッショナル。母と子のアンガーマネジメントに詳しく、ティーンズインストラクター養成講座を始め、企業のハラスメント防止アドバイザーも務める。
https://ameblo.jp/aguardianangel/
杉浦さやか Sayaka Sugiura
1971年生まれ。日本大学芸術学部卒業。在学中よりイラストレーターとして仕事を始める。著書に『えほんとさんぽ』『おきにいりと暮らすABC』『おやこデート』(白泉社)、『おたのしみ歳時記』(ワニブックス)、『ニュー東京ホリデイ』『たのしみノートのつくりかた』(祥伝社)他多数。新刊『すきなもの 楽しいことA to Z -’80s~’90s少女カルチャーブック』(祥伝社)も好評発売中。現在、小学6年生の娘・蕗と夫と3人で東京に暮らす。
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デザイン/畠山香織