お笑い芸人 くわばたりえ「困ったときは『助けて』と言える子に育ってほしい」
3人になったことで見える 子どもの現在・過去・未来
2000年結成のお笑いコンビ「クワバタオハラ」のボケ担当のくわばたさん。2009年に結婚、2010年にママになってからは、育児関係の番組や講演会の仕事もぐんと増えた。相方の小原正子さんも2015年に初出産、家族ぐるみのつきあいが深まっている。
――すっかり3人のママとなって、またママならではのお仕事も、さらに増えそうですね。
そうですね。3人になってわかったことも多いです。私、ひとり目の最初の育児はぐちゃぐちゃで、ふたり目を妊娠した瞬間から、もう3日も4日も寝られなかったんですよ。「お風呂どうやって入れんの?」「寝かしつけどうすんの?」もうそのことだけで頭ぐるぐる回って、まったく眠れない。でも3人目できたときは、「なんとかなるやん」って思ったんですよ。もう、悩んでたってなんにも解決にならなくて、結局、試行錯誤してたらなんとでもなってたし。別にお風呂もシャワーだけの日もあってええかって思えるようになったし。もう「なるようになる」って言うけど、ほんまその通りやなって感じですよね。
今、3人いて思うのは、真ん中の子が2歳で、この子を中心で考えると、現在・過去・未来を見られるんですよね。もうちょっとしたらこんなんなるんや、ちょっと前までこんなんやったのに、とか。それを思うと、なんか冷静になれることも多いというか。ひとり目のときは未来が見えないから、「もうみんなひらがな書いてるのに、この子はまだできひんけど大丈夫なん?」とか悩んで。でも今はちょっとずつ書けるようになってきてる。で、今、真ん中の子が、たとえばひらがな見て「わ」「さ」とか言うてると「あ、文字だってわかってんねんな」って思うし。これがひとり目のときやったら「違う、それ『わ』じゃない」とか、多分言うてたんですよ。だから、「あ、文字として認識できてる」というふうに思える、近い未来が見えてるという余裕はあるなと思いますね。
ひとりっ子のママの人って、きょうだいがいないことに悩むかもしれないんですけど。そこに子どもが3人いる自分が何か言うと「なんやこいつ」って思われるかもしれへんけど、ひとりっ子のええとこはたくさんあると思う。ひとりだけにたくさん愛情を注ぐこともできるし。きょうだいがいないと大きくなったときに、自分が老いたときに頼れる人がいるかって悩むかもしれないけど、それはもう、ええ友達を充分作れる子に育てればええ話やと思うし。ひとりっ子でもすっごい社交的な人もいれば、きょうだい多いのに社交的じゃない人もいるし。
――確かに、家族の形はそれぞれで、くらべるものではないですよね。くわばたさんの場合、お兄ちゃんふたりに一番下が女の子だと、家族の中で妹はもうお姫様ではないですか?
そう、お兄ちゃんたちがすごいかわいがってくれて。よく、「上の子は下の子をすぐたたいて」って言うけど、なんでうちの子はそんなんせえへんのかな。
――それはやっぱり、ふたりにもママからの愛情が満ち足りてるからじゃないでしょうか。
でもね、「生まれてきてくれてありがとう」っていうのは1日何回も言うんですけど。「ほんまに、生まれてきてくれてありがとう」って言ったら、最近長男が「何回言うんだよ、それ。わかったわかった」みたいになって。ほんでもう「100万回これから言うから」「100万回かよ」みたいになって(笑)。数字の意味、まだわかってないのに。
――「生まれてきてくれてありがとう」、一番上のお兄ちゃんにも真ん中のお兄ちゃんにも、ずっと言い続けてるんですね。
うん、そうですね。自分が言われてもうれしいなって思って。「言わなあかん」と思って言うんじゃなくて、抱っこしててほんまに思うときに言うようにしてて。旦那さんにも、たまにメールで、「あなたと結婚できてよかったです」って急に送るときありますね。そういうことって、実は結構大切なんちゃうかなと思って。特別な日でなく、なんの記念日でもないときに気持ちを伝えることが。