「尿もれ」は骨盤底筋のゆるみが原因!
産前産後のママのカラダを整える人気整体師であり助産師の是枝貴子さん。キャンセル待ち100人以上、芸能人や有名アナウンサーも通うカリスマ助産師が、悩める女性のカラダをサポート。産後のトラブルを10回にわたり解決していきます。(kodomoe2017年4月号掲載)
撮影/志田三穂子 イラスト/堀川波
「ママのボディメンテナンス ~産後のトラブル10選~」これまでの連載はこちらから
ドキッとしたら鍛えるチャンスです
誰が体験してもおかしくない!
咳やくしゃみをした瞬間や、子どもを抱きあげた瞬間に、ドキッとした経験はありませんか?
「尿もれなんて、もっと先の悩みでしょ? そのうち治るはず……」なんて、ずるずると放置していたら要注意!
尿もれとは、自分の意思とは関係なく突然、尿が漏れ出てしまうこと。産後の尿もれのほとんどは「腹圧性尿失禁」というタイプで、腹筋に力が入ったときに漏れるのが特徴です。たとえば、咳やくしゃみをしたとき、急な動作をしたとき、お腹にグッと力が入ったときにチョロッと出てくるというケースがほとんど。
こんな尿もれの原因は、ズバリ「骨盤底筋のゆるみとダメージ」なんです。骨盤の底をなす部分には骨盤底筋という筋肉があり、膀胱、子宮、腸などの内臓を支える役割を担っています。ところが、女性は妊娠すると羊水、胎盤や成長していく胎児の分、子宮の重さが増します。この重みを受け止めているのが、骨盤底筋。つまり、骨盤底筋が常に負荷を受けている状態になるのです。
妊娠&出産で伸びた 骨盤底筋とは
骨盤底筋の強さは、人それぞれなので、人によってはまったく問題ないことも。ただ、負荷を受けてゆるんだり、伸びきってしまったりして、伸縮性が損なわれてしまう場合もあるというわけです。妊娠中からトコちゃんベルト*で骨盤底筋をサポートすると予防もできます。
サポートをしていても、出産(経膣分娩)で大きなダメージを受けることもあります。子宮口の全開大から出産まで時間が長くかかってしまったり、吸引や鉗子による分娩、ベビーが3500g以上だったりした場合などは、骨盤底筋がダメージを受けやすくなります。人工的な力や急激な負荷が骨盤底筋にダメージを与えるのです。伸びた骨盤底筋では、しっかりと内臓を支えきることができなくなります。その結果、下がった内臓が膀胱を圧迫し、尿道口をしっかり締めつけることができなくなるのです。子宮だけでなく、腸も下がるので痔になることもあります。
みんなで鍛えよう! 今なら間に合う!
産後の尿もれと言えば、経膣分娩の方だけがなるものと思いがちですが、妊娠中に受ける影響はどの妊婦さんも同じなので、帝王切開でも尿もれ体験者がいます。出産後の尿もれに悩むママは意外と多いのですが、デリケートな問題なのでなかなか人に相談できないもの。膣や肛門を締めておく力が弱くなっているので、入浴後に膣内に入った湯が垂れてきたり、おならが止められなかったり、便がもれやすくなったり、排尿トラブル……など、加齢とともに筋力は衰えるので悩みは深いのです。
でも、骨盤底筋はカラダの他の筋肉と同じで、弱ってしまっても鍛えれば強化することができる“筋肉”。今、尿もれで悩んでいても、しっかりと鍛えれば、強い骨盤底筋を作りあげることができるので、治らないとあきらめずに、カラダと向き合いトレーニングしていきましょう!
*骨盤をサポートするベルト。トコちゃんベルト5000円〜/青葉
是枝貴子さん
これえだたかこ/ママのための整体サロン「マミーサロン」主宰。助産師、鍼灸師、アロマセラピストなど数多くの資格を持つ。産科勤務時代、ママのカラダを助けたいと一念発起し骨盤ケアを学ぶ。現在月200名以上のママの施術に従事。
http://www.mommy-salon.com