人気絵本作家・柴田ケイコさん、林木林さんの初コラボ!『ぱ・ぴ・ぷ ペンタくん』誕生!【コドモエ絵本作家インタビュー】

不思議なしかけのおやすみ絵本 マジック・トーチのえほん
人気絵本作家・柴田ケイコさん、林木林さんの初コラボ! コドモエのえほん『ドーナツペンタくん』から生まれた、音を楽しむ絵本についてお二人に聞きました! 本誌に掲載の絵本作家インタビューのページを、ウェブでもお届けします。
ぱ・ぴ・ぷ ペンタくん
『ぱ・ぴ・ぷ ペンタくん』
柴田ケイコ/絵 林木林/文

「ぱ」はおいしいものを食べる音。この後、お外遊びの音、乗り物の音、工作する音、楽器の音……と続きます。各ページどんどん変わる、ハッとするようなカラフルな色が楽しい! かわいい音とキャラクターたちを親子で楽しめます!
――柴田さん作・絵の大人気絵本『ドーナツペンタくん』から生まれた幼児向け絵本です。
柴田 今回は今まで手がけていない幼児絵本にトライしてみましょう、となりました。キャラクターを考えるとき、『ドーナツペンタくん』のキャラクターたちが、ベビーになったら……というアイディアが出て、かわいらしくなりそう!と企画が決まりました。
言葉は別の作家さんにお願いすることになり、いつかご一緒しましょうと話していた林木林さんにお願いすることになりました。
――苦労したところはありますか?
柴田 まずキャラクターを自然に小さい子どもらしくすることに苦心しました。幼児向け絵本としてかわいく見えるように、頭身を大きく変えたり、身につけるものを考えたり、何度も描き直しました。
――魅力的なキャラクターになりました。文に絵をつける時には?
柴田 幼児絵本の言葉は、すごく短くてシンプルなので、物語絵本より逆に苦労しました。音の言葉だけで、キャラクターの表情までを考えるので。眺めているだけで、楽しい気持ちになるように描きました。色合いの対比が綺麗な絵が好きなので、ページごとにカラフルな色が変わっていく展開を考えて、色のリズムも楽しめるように工夫しています。さらにページのまわりに、ページごとに違うかわいい模様をつけてみました。
――林さんは柴田さんと初コラボとなりました。
林 キャラクターが決まっている絵本の文章ははじめてでした。最初は「あいうえお」を言葉のテーマとして提案されたのですが、あまりうまくいかなそうだったんですね。文字を覚えるための知育絵本みたいになってしまいそうで。いろいろ考える中で、ペンギンのペンタくんのペタペタ歩く音が浮かんできたんです。それで「ぱぴぷぺぽ」だったら、擬音が中心になって音の勢いとリズムが出てくるし、もっと楽しくなりそう!と思いつきました。
――苦労したところは?
林 幼児絵本は、小さな子がわかる世界観……食べて遊んで寝るというシンプルな世界の中で、言葉のバリエーションを考えるので、しばりがある上で個性を出すのって、大変だなって思いましたね。「ぱぴぷぺぽ」というお題があるので、音の候補を思いつくだけ書き出しました。場面もいろいろ考えて。
――試行錯誤の甲斐あって、見ているだけでワクワクするような楽しい絵本になりました。
林 このキャラクターたちのことをずっと思い描いて、言葉を考えていったので、すっかり愛着が湧いてきて、別のテーマでこんなのどうかな?なんてアイディアも思い浮かんできました。いつか実現したら楽しいですね。まずは、ぱぴぷぺぽのペンタくんの世界を、親子で楽しんでいただけたら嬉しいです。
絵・キャラクター

撮影/大森忠明
柴田ケイコ
しばたけいこ/高知県生まれ。絵本・挿絵・雑貨制作など、幅広いジャンルで活躍。絵本作品に「ぽめちゃん」シリーズ、『ドーナツペンタくん』(白泉社)、「パンどろぼう」シリーズ(KADOKAWA)、「しろくま」シリーズ(PHP研究所)、「めがねこ」シリーズ(手紙社)他多数。
文
林木林
はやしきりん/山口県生まれ。詩や言葉遊び、絵本など、言葉にまつわる作品で幅広く活躍。『ひだまり』(岡田千晶/絵 光村教育図書)で第66回産経児童出版文化賞産経新聞社賞。絵本作品に『おちゃわんかぞく』(いぬんこ/絵 白泉社)、『ふたごのたこたこウィンナー』(西村敏雄/絵 ひさかたチャイルド)他多数。
編集協力/山縣彩(kodomoe2025年6月号掲載)