2024年7月17日

お笑い芸人・あばれる君インタビュー。夜泣きの時は抱っこして揺らすぐらいしか僕にはできない【後編】

無人島からの脱出やサバイバル本の監修など、お笑い芸人でありながらワイルドなイメージのあばれる君。一方で、教員免許や世界遺産検定1級の資格を持ち、現在は気象予報士の試験に挑戦するなど知的な一面も。プライベートでは2児のパパ。CM共演が話題になった妻・ゆかちゃんへの思いや、厳格だったという自身の父親との関係など、「家族」をテーマにおうかがいしました。
後編では、さらに子育てについて、家族をテーマにしたエッセイ本についてをおうかがいします。
※お子さんの年齢は取材時

前編「子どもに赤ちゃん言葉で話しかけることができたのが大人になった瞬間でした」はこちらから

あばれるくん/1986年福島県生まれ。ワタナベコメディスクールを経て2009年デビュー。男の子2人のパパ。高校の教員資格や世界遺産検定1級を持つ。山岳部での経験を活かし、キャンプが趣味。家族がテーマの初の書き下ろしエッセイ『自分は、家族なしでは生きていけません。』(ポプラ社)が発売中。

あばれる君Instagram:@abarerukun
あばれる君 YouTubeチャンネル

お笑い芸人・あばれる君インタビュー。夜泣きの時は抱っこして揺らすぐらいしか僕にはできない【後編】の画像1

 幸せを感じるのは
「普通の日」のいつもの食卓

――下のお子さんは今3歳ですね。

イヤイヤ期や夜泣きなど、ひと通り大変なことは通り過ぎた感じです。夜泣きなんて、もう抱っこして揺らすぐらいしか僕にはできないですから。
すごくよく食べる子なので、ミニトマトをあげて機嫌よく過ごせるようにしてました。ミニトマトさえあげていれば静かにしてくれるんですが、ひとつあげてもすぐ食べちゃうんで、細かく切ってちょっとずつあげて……。牧場のヤギみたいな感じですよ(笑)。

――上のお兄ちゃんは7歳。

できることが多くなりましたね。
実は奥さんが今、妊娠中なんです。それもあって、最近はお兄ちゃんとふたりで出かけることが多くなりました。休日は野球の練習で、出かける機会は少ないんですが、外で遊ぶのが好きなので、ふたりの時間が合った時にじゃあキャンプ行こう! となったり。

知り合いのサバイバルのスペシャリストのところに行くこともあります。自然の中でお風呂に入ったり泊まったりするんですが、雨が降ったり、寒かったりするといろいろと面倒なんです。でもそんなことも、子どもと協力してやるっていうのがとっても楽しいです。

――サバイバルも大丈夫そうですね。

そうですね。あとは、虫も魚も全然怖くないようで、昨日もザリガニ釣りに行ったみたいです。僕も、実家のある福島に帰った時には一緒にするめでザリガニ釣りするんですけど、僕が子どもの頃はイワナとかウグイとか簡単に釣れるものを釣ったりもしてました。
今は仕事でしか釣りをする機会がないので、次は子どもともやってみたいですね。

――小学2年生だと、宿題や勉強は一緒にしたりしますか?

まだあまり勉強が難しくないので、一応自分でやってくれてます。なので今は勉強を見るというほどじゃないですが、音読を聞いたりはしていますね。これからが、割り算とか出てきて難しくなりそうですけどね。

――ご兄弟は4歳違い。一緒に遊んだりしますか?

ケンカすることもありますが、ふたりで笑ってることも多いです。僕をからかって、超えちゃいけないラインを行ったり来たりして。それが面白くてふたりでケラケラ笑って僕を挑発してくるんです。でも、からかわれてるのにそれが本当に可愛いんですよね。

――ご家族みなさんで過ごすときはいかがですか? 楽しい時間などありますか?

家族とは、夜ごはんを食べる前の準備をしているときがいちばん幸せで楽しいですね~。
キッチンがデカくて、すごく気に入ってるんですが、そこに集まって、家族みんなでいろいろ作って。食事がだんだんできていって、食卓が少しずつ彩られているのを見ているのが、幸せなんですよね。子どもも何か切ったりして手伝ってくれて、楽しい時間です。

――YouTubeに出てくる、あばれる家のキッチンですよね。とっても素敵です!

コンクリートむき出しっていうだけですけどね(笑)。広くて使いやすいんです。調理道具をいろいろと揃えるのも楽しいですよ。

キッチンは、自分にとっても家族にとってもいずれ重要な場所になると思っていたので、家を選ぶときはキッチンを中心に家選びをしました。

――食卓にはあばれる君が作る夜ごはんが並ぶことも?

もちろん毎日ではないですが、夕方5時前に帰れたときは、僕が夜ごはんの準備をすることもあります。
普段作るのは簡単な炒め物とかですけど、「たんぱく質が摂れるように」とか栄養を考えながら作ったり、子どもの好きなハンバーグを作ったり。おいしいお味噌汁と、お米の力は大きいですよね。子どもたちも「めっちゃうまい」って言いながら食べてくれます。

最近は、ごはんを羽釜で炊くようにしてるんですけど、これがとにかくすごくおいしくて。古い米でもおいしく炊けちゃうんで、びっくりしました。
テーブルのまんなかに羽釜をドン! って置いて、みんなで囲んでます。旅館みたいでいいですよ。

謙虚さとあいさつ
子どもたちに伝えていきたいこと

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――あばれる家の子育てで、大切にしていることはありますか?

まずは謙虚であること。あいさつをきちんとすること。これは基本ですね。
あとは、「自分の気持ちを立て直せるのは自分しかいない」ということは、大事なことなので伝えていきたいと思っています。

たとえば野球でエラーしてへこんでしまう……みたいなことってあると思うんです。でもそういう時、いくら周りが声をかけたって、自分が立て直そうとしなきゃ難しいですよね。「これを立て直すのは自分しかいないんだ」っていうことに気づけば、一瞬で立ち直れる。これは僕がこの仕事で経験して学んだことなので、子どもたちにも伝えたいと思っています。

――もうひとりお子さんが増えますが、子育てについて、ゆかちゃんと話し合われたりはしますか?

いや、しないんですよね~。
僕は、ゆかちゃんが「こうだ」って言うことはほとんど間違ってないと思うので、いつもそれに乗っかります!

ただ……3人目はちょっと知的に育てるのもいいかな。

――知的に、というと?

国旗を覚えたりとか、パズルとかね(笑)。上のふたりはスポーツ好きなので、3人目は知的に。それもいいなと思っています。

いずれにしても、ひとり増えて家族の絆をより強固にしていきたいので、家族行事などはこれからも積極的に参加していきたいです。

涙ぐんだページは
今も教えてくれません

5月には「家族」をテーマにしたエッセイ『自分は、家族なしでは生きていけません。』(ポプラ社)を出版したあばれる君。自身の子どもの頃や、ゆかちゃん、お子さんのことを綴った書籍の執筆も、家族が支えになったそうです。

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――和田ラヂヲさんの挿し絵が味があっていいですよね。

そうなんですよ。僕が好きなのは、子どもとおでこをくっつけてるイラストです。すごくお気に入りです!

――ご自身初のエッセイ本ですが、どのように進められたんですか?

すべて書き下ろしだったので、5か月くらいかけて毎日少しずつ書いていきました。ゆかちゃんには、書いている途中は一切相談などはしないで、できあがってから読んでもらったんです。本好きなゆかちゃんから「読みやすくていいね」って言ってもらえてホッとしました。

涙ぐんだページがあったようなんですが、それはどこかは今も教えてくれません。

――あばれる君がお気に入りのエピソードは?

やっぱり、「人生最大のかまくらを作った日」ですね。全然知らない家族がかまくらの中で豆を食っていたっていうね(笑)。(詳しくはエッセイ本でお楽しみください!)

――どんな方に読んでいただきたいですか?

子育てされている同士の方々に読んでいただきたいですね。あとは、電車で通勤しながら、ちょっと疲れたなって思っている方とかですかね。電車で読みながらニヤニヤしてもらえたら、もう冥利に尽きます!

ゆかちゃんはママ友がすごく多いんですが、いつもママ友たちが応援をしてくれていて。以前、ふたりでCMに出る機会があったときも声をかけてくれたんですが、今回のエッセイ本も読んでくれたようです。

「ママ友に『読んだよ』って声をかけてもらったよ!」って、すごく嬉しそうに話してるゆかちゃんを見て、僕も嬉しくなるんです。

――最後に一緒に子育てをする読者さんにメッセージをお願いします。

僕もまだまだ新米なので、全然偉そうに言えないですが……。でも、そうですね……。
「いいこともあるよ」って言いたいですね。

子育ては大変じゃないですか。イヤなことや大変なことも多いです。例えば……テレビの液晶画面を手で触られたりとか(笑)。何度言っても何度拭いても、触るんですよね。

そんなイヤなことがあっても、昨日打てなかった球を打てるようになったりして成長を目の当たりにできたときとか、人に対してちょっとした思いやりを垣間見たときとか。「いい感じに育ってるぞ!」って思います。
いいこともありますよ! 

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あばれる君インタビュー 前編『恥ずかしがらないで子どもに赤ちゃん言葉で話しかけることができた瞬間! 大人になった瞬間でした』はこちらから

INFORMATION

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『自分は、家族なしでは生きていけません。』
著/あばれる君 絵/和田ラジヲ
ポプラ社 1540円

家族がテーマの、あばれる君初の書き下ろしエッセイ。自身の父や愛妻・ゆかちゃんへの思い、ふたりの息子・ちびれる君の子育てのこと。さらに、現在もチャレンジし続けている気象予報士試験についてなど、さまざまなエピソードを書き下ろした一冊。挿絵は和田ラヂヲさん。 
Amazon 「自分は、家族なしではいきていけません。」

インタビュー/吉川愛歩 撮影/山田 薫

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