絵本作家さこももみさんインタビュー。嫌なことがそうでもなくなる「笑う」ことの不思議な力【前編】
小さな子どもへの贈り物として大人気の絵本『わらう』。作者のさこももみさんに、『わらう』ができるまでのお話をたっぷりとお伺いしました。
2020年10月に発売になった『おかねタウンでおかいもの』の作者でもある絵本作家さこももみさんにおうかがいしたインタビューでは、絵が仕上がるまでの過程も、特別に実演していただきましたので、お見逃しなく!
※この記事は、2017年7月にウェブ掲載されたものを再編集しています。
さこももみ/1961年東京都生まれ。小学校教員を経て絵本作家に。絵本に、「ゆっくとすっく」シリーズ(たかてらかよ/文 ひかりのくに)、『ねんね』『さよならようちえん』(ともに講談社)、『だいすき!』(岩崎書店)、『かたっぽさんはどこですか?』(アリス館)他多数。近著に『おかねタウンでおかいもの』(白泉社)。広島県在住。
『わらう』 さこももみ/作
白泉社 本体840円+税
「笑う」ことの不思議な力
—— お会いすると、いつもにこにこ素敵な笑顔で和ませてくれるさこさんですが、日々の暮らしの中でも、「笑う」ことは多いですか?
わが家は、夫も私もすごく呑気な性格で、小難しい話があまり得意ではないので、食卓でも、毎日くだらない話をしては大笑いしています。息子も娘ももう社会人になりましたが、昔からずっと、笑いの多い家でしたね。
笑っているうちに、嫌だなと思っていたことが、そうでもないかなと思えてきたりするところも、「笑う」ことの不思議な力なのかな、という気がします。
—— そんなさこ家の毎日を体現するかのような、表紙の赤ちゃんの満面の笑みに、ハートを射抜かれる人が続出中です。この絵本が生まれたきっかけを、教えてください。
編集さんから、「『笑う』をテーマにするのはどうでしょうか?」と提案があり、そこから、「笑うのはどんな人?」「笑い方にはどんな種類があるだろう?」などと、いろいろな角度から「笑う」を掘り下げていって、ラフを練っていきました。
—— 男の子と女の子、そして動物、おひさまやお花、サンタクロースや魔女まで……たくさんのハッピーな笑顔に、こちらにも思わず笑顔がうつってしまいますね。今日は、『わらう』の絵ができるまでの過程を実際に見せていただけるということで、どうぞよろしくお願いいたします!
絵本『わらう』ができるまで
まずは一冊のおおまかな構成を考えます。ページを入れ替えたり、文章を増やしたり減らしたりして、何度も繰り返し検討し、内容を練っていきます。
ページ割が決まったら、原寸サイズでそれぞれのページのラフを描きます。ページによっては何案も構図のパターンを用意して、検討します。
一冊分のラフができました! これがそのまま、下絵になります。
次はいよいよ本描きに入ります!
お楽しみに♪