2018年3月12日

絵本作家・江頭路子 絵本作家になったのは、思いがけないご縁がつながった「偶然」なんです

前は夫に「察して」って思ってたんですけど、
こうしてほしいって具体的に言ったほうがうまくいきやすいみたい

ーーご家族は、絵本制作で燃え尽きているのをどう見てました?

 私はあんまり感情が表に出ていないみたいで、夫は「全然わからなかった」って言ってました。「あのとき燃え尽きてた」って言っても「ああ、そうなの?」って感じで。今は、すごく協力はしてくれるんですよ。「あれしてほしい」とはっきり言ったほうが、うまくいきやすいみたいですね。具体的に「ここを直してほしい」とか言ったほうが。
 前は「察してよ!」って思ってたんですけど……そういうときってイライラしてるから逆に相手にうまく伝えられなくなっちゃったりして。最後に「もう~!やってよ!!」って爆発しちゃうから、余計にちゃんと言えないっていうループに一時期入ってしまったんですけど……一旦思い切って言ってみると、向こうもだんだん慣れてきて、「やっとこうか」って言ってくれるようになる。

ーーあおいちゃんを連れて、泊まりで旅に行ったり、出張でワークショップをされたり、行動派ですよね。

 夫も、娘の調子がいいときはひとりで見ていてくれるんですけど、娘が疲れているときや寝る前は、私がいないと「ママ~」ってなってしまって寝られないから、一緒でないと泊まりでのお出かけはできないんですよ。でも私にとっては、外に行かないことのほうがストレスだから、娘に付き合ってもらってどんどん出かけちゃいます。だからほんとは、「ありがとう」って言わなきゃいけないですけど……あんまり言えてないかな? (近くにいたあおいちゃんを見て)ありがとね。

ーー一緒に出かけるのは楽しみにしているみたい?

 そうですね。娘はホテルが大好きなんです。なんででしょうね。だから、いろいろな場所にふたりで行けてますね。

ーー最近はご自身のSNSで、娘さんについてのイラストエッセイも描かれていますね。「今日の娘ちゃん日記」すごくかわいいです。

 イラストエッセイはストレス解消です。描いているときは、仕事じゃなくて自分の時間って感じがするんです。フェイスブックとインスタグラムとツイッターでポストしているんですけど、エッセイはすごく反応があるので、嬉しかったりしますね。

ーー貴重な自分時間ですね。描くのは夜ですか?

 主人と娘がお風呂に入っているときとか、誰もいなくなった隙に10分くらいでささっと描いてます。締め切りがあるわけじゃないし、誰かに「やりなさい」って言われてるわけじゃないから、これが楽しい!(笑)
 あと、何か作ってるとき……工作している時間もいいですね。真剣になりますよね。kodomoe本誌で工作の連載を始めたので定期的に工作しているのですが、作っているときは無心になれて楽しいです。

kodomoeの連載「手づくり歳時記」では、季節の行事やイベントをハハコで楽しむ手づくりアイディアを紹介。

ーー娘さんも一緒に工作しますか?

 娘も工作は好きみたい。道具の使い方は上手だし、よく知っているほうなんじゃないかな。サンプル作るのを手伝ってくれたりします。

牛乳パックで『なきごえバス』を作るワークショップのサンプル。

ーー先日『なきごえたくはいびん』の発売記念として開催した「ハンドルを作るワークショップ」も大変な盛り上がりでした。昨年は5冊の絵本を発売して、さらにワークショップにイベントにと、本当にお忙しかったですね。

紀伊國屋書店新宿本店にて、週末の子どもワークショップを開催。

チューブを使ったかわいいハンドルづくり。
さいごは運転手気分でそれぞれのハンドルをもって読み聞かせタイム……
子どもたちは大盛り上がり!

 文・絵両方担当する絵本では、親子で一緒に遊べるテーマがやっぱり好きですね。私自身、そういうのが絵本だと思ってるふしがある……。小さい頃、父が親子で作ろう!というような工作教室によく連れて行ってくれて、一緒にいろいろなものを作ってくれたんですよね。父は自称・工作好きなんです。もしかしたら、母が「ちょっと行ってきてよ」って言っていたのかもしれないけど……(笑)。母には家庭文庫をやっている友人がいて、よく連れて行ってもらって、絵本の読み聞かせにもそこで親しんでいました。そういう中で育ってきたから、読み聞かせとか工作とか、親子で一緒に楽しみたいという気持ちが強いのかもしれません。絵本の制作を第一にしつつ、合間を見てイベントも少しずつ続けていきたいです。

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