2017年7月28日

絵本作家・植垣歩子「お年寄りを描きたくて、大好きだった絵本の道に」

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子どもと絵本を再発見する日々

―― 親子で絵本をたくさん読める楽しい時期ですね。

 いま2歳4か月なんですけど、絵本はよく読んでます。息子に絵本を読む時間は、一番ラクなんです。座っていられるし、絵本の力を借りられるので、私にとっては「休憩中」って感じですね。自分の愉しみのために買った絵本を、まさかこの人と読むとはなあって思いますね。私は買ったら満足するタイプで、文章をよく読まないで絵だけ見ていた本もたくさんあって。それを息子に読んであげると、「こんなお話だったんだね〜!」って思うことも多いんです。声に出して読むと全然違った感じに読めたり……絵本が生き生きとしてきますねえ。子どもが喜ぶと「この絵本、お母さんはよくわからなかったんだけど、好きなのかい? どこが面白いのかな?」という感じで。今まで本棚の片隅にあったものが急にキラキラして、私にとっても素敵に思えてきたりとか、そういうことがよくありますねえ。

―― 素敵ですねえ。再発見した絵本をひとつ教えてください。

 たとえば、エッツの『ちいさな ふるい じどうしゃ』。私はこの色のついていない地味な絵と、容赦なく自動車がキャベツとかいろいろなものを引いていくところが好きで買ったんです(笑)。でもあんまり読み返すこともなく、持って満足していたんですね。息子がある日、この絵本を出してきて。車が主人公っていうのもあるんですけど、反応がすごいんですよ……すごく喜ぶし、カエルが引き飛ばされると、すごく心配するし。一緒に読んでいたら「カエル泣いてるね」って言うので、小さい絵をよく見てみるとほんとに泣いてるんです。「ほんとだね、カエル、泣いてたんだね」と。細かいところをけっこう読み落としているんですね。一緒に読んで発見がたくさんありました。
 息子は、最後にこの自動車がひかれちゃうシーンが大好きなんです。今までいろいろ引き飛ばして、ひどいことをしてきたら、最後は自分が機関車にひかれて命を落とすっていう、とてつもなくどうしようもない場面なんですけどね(笑)。自動車がひかれて、部品が飛び散るんですけど、息子はこのシーンで「車の部品」ってものにはじめて興味を持ったんですね。すごく宝物に見えてるのかな?  ネジとかいろんなものが、彼の目にはどんなに魅力的なものに見えてるんだろうって思いますね。



本棚の風景。絵本好きにはたまらないタイトルがぎっしり !

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