2017年11月6日

うたのお兄さん・横山だいすけ「だいすけ君の歌はつまらないといわれました(笑)」

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Eテレ「おかあさんといっしょ」の「うたのお兄さん」を歴代最長の9年務め、2017年春に卒業しただいすけお兄さん。毎日「みんな元気―?」と笑顔をくれる彼に支えられてきたママも多いのでは? 今や「だいすけロス」をふきとばす活躍ぶり。これまで&これからのこと全部聞きました。web限定インタビューにもこぼれ話が! あわせて読むとさらに感動することうけあいです。(kodomoe2017年10月号掲載)

インタビュー/原 陽子 撮影/大森忠明 スタイリング/吉岡ちさと ヘアメイク/安藤千浪 
衣装協力:パッチワークデニムパンツ28080円(FDMTL)/キャチイ シャツ参考商品/BOHEMIANS その他/スタイリスト私物

web限定インタビューはこちら

よこやまだいすけ/千葉県出身。2006年に国立音楽大学音楽学部声楽学科卒業後、劇団四季に所属。NHK Eテレ「おかあさんといっしょ」の「うたのお兄さん」を2008年4月から2017年3月まで務め、9年間の歴代最長出演記録となる。

この歌詞がちゃんと子どもたちに届くように

――「うたのお兄さん」、おつかれさまでした。9年間、あっという間でしたか。

 そうですね、正直な気持ちではあっという間ではないというか。子どもたちとの収録は、楽しいことも大変なことも本当にいろいろあって、「ああ、あれもあった、これもあった」と、思い出は山のように出てきます。

――大変と言えば、最後の歌で後ろの壁際に立って、みんなの輪に入れない子もいますよね。

 いますいます。でもあの子たちは、勇気をふりしぼってあの場所にいるんです。泣くのを必死に我慢して、最後に落ちてくる風船を待っている。日本全国からいろんな子たちが来て、初めてお母さんのもとから離れるという子もいるし、不安な顔の子が半分以上のときもあります。収録時は、NHKの集合場所に「お兄さん、お姉さ~ん」って呼ばれて僕らが出て行き、みんなをスタジオまで連れて行くんですが、本当に、幼稚園や保育園の先生みたいな感じですよね。僕らも、収録の間は子どもたちの命を預かる気持ちで、地震が来た場合の対応などもスタッフみんなで確認しています。子どもたちにいろんな話をしながら、カメラが回るときにはひとりでも多くの子どもたちの素顔を引き出せるよう、楽しい気持ちになれるようにと動いています。とは言っても、ワ~ッて逃げて行きそうになる子もいて、「そっちはダメ~ッ!」みたいな(笑)。もう、楽しいですよ、いろんなことが起こって。
 僕らが「うたのお兄さん・お姉さん」として歌うときに大切にしていたことは、「どうやったらこの詞を聴いてくれる人に届けられるか」。作曲家の福田和禾子先生という、童謡の大先生に最初に言われたんです、「子どもの歌は、詞もメロディも簡単だけれど、この詞がちゃんと子どもたち、親御さんたちに届くようにしてほしい」と。新しい歌のたびに僕とお姉さんで細かいところまで話し合って、子どもの音楽だからこそ本物を突き詰めていきたい、何でも吸収できるときだからこそ、心を豊かにしてくれる音楽を一曲でも多く届けていきたいという思いでいました。
 そうは思っても最初はなかなか表現につながらなくて、すごく悩んだ時期もあったんですけど。先生にも言われました、「だいすけ君の歌はつまらない」って(笑)。1年目、初めてのCDアルバムを録音したのが夏頃で、先生に「まだまだね。……だけど、これから毎年CDを出して、いろんな曲を歌っていく、それを聴けるのが楽しみだわ」って言われて。怒られてばかりだったので、それがすごくうれしかったんです。
 その秋のNHKホールのファミリーコンサートの録音時に、先生が突然倒れて、翌日にお亡くなりになって。もう本当に、番組スタッフみんながショックで泣いて。「先生が作ってくださった最後の音楽を届けていこう」って、そういう思いを込めたコンサートだったんです。先生の訃報を聞いた日が、ちょうど番組では「青い空を見あげて」のオンエア初日で、だからこの歌を歌うたびに、先生を思い出します。僕もたくみお姉さんも、テレビの世界に来て右も左もわからない中で、福田先生には一番近いところで支えられ、たくさん教えていただいた。毎年ベストアルバムのCDを録音するときは、先生の「楽しみだわ」って言葉を思い出して、「先生、今、どんなふうに感じられるかな?『何やってんの』って言われないようにしなくちゃな」って思っていました。

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