第5回 井上和香さん×食育インストラクターさん 「このレシピ、野菜が全然わからない! これは絶対食べますね」
テレビの収録で知り合ってから、井上和香さんとは10年近くのおつきあいという料理研究科の吾妻聖子さん。子どもがあれもこれも食べてくれない…と悩む和香さんに、おおらかな吾妻さんがスペシャルレシピをご紹介。ママ友としても頼りがいのあるアドバイスを聞きながら、一緒に作ってみました。
■吾妻聖子さん:
料理研究家・食育インストラクター。テレビ番組の制作プロデューサーとして、旅番組、情報番組を担当し、国内外の食文化に精通。現在は、料理番組のプロデュースのほか、料理レシピの開発アドバイザーも手がけている。
子どもに野菜をいっぱい食べさせたい!
吾妻聖子さん(以下吾妻):
やっぱり、(お子さんは)野菜が苦手?
井上和香さん(以下和香):
そうなんです。ピーマン、小松菜は何をやっても食べないし、
ニンジンはスティック状のしか食べなかったですね。
吾妻:
野菜は刻んで甘辛の味にすると、けっこう食べられますよ。
お芝居で通じる年頃だったら、うちでは「これはね、なんと無限ピーマンっていう名前でね、
ピーマンがいくらでも食べられる魔法のレシピなんだよ!」って、
マインドコントロールのようなことをしてみたら、
「ほんとだー!」なんて食べてくれてました(笑)。
和香:
すごい! なんか、見た目が野菜だともうダメなんですよ、
父の影響か、しょっぱいおつまみが好きで、ホタルイカの酢味噌和えとか、
若竹煮なんかが好きなんです。
将来は絶対、酒のみになりますね(笑)。
吾妻:
見た目や食感がだめなら、ピーマンも小松菜も、とにかく細かくみじん切りにして
鶏肉にまぜればわからないですよ。
これね、細かく切ってみて。これぐらいにね。
和香:
わ、ちっちゃいですね(笑)。
吾妻:
いまから野菜のそぼろ丼作るんですけど、これならきっと食べますよ。
本当に細かくして、そぼろの中に入れると、けっこう食べるんですよね。
和香:
確かに、ガパオは食べてました!
つい最近、タイ料理屋さんに連れていったことがあって、ガパオ食べたんでびっくりして。
それと一緒ですね。ピーマンなんて絶対食べないから…。
吾妻:
でしょ。甘辛の味付けが子どもって大好きだから、
あの味にしたらだいたい食べてくれますよ。
本当に超細かくすることが大切。
和香:
これでいいでしょうか。
吾妻:
はい、大丈夫。鳥の餌みたいになりましたね(笑)。
大好きだったものが急に嫌いになる?
和香:
そういえば、鶏の照り焼きとか、甘辛味が好きかと思ってがんばって作ったけど、
食べてくれなかったんですよ。
吾妻:
鶏肉が嫌なのかな。
和香:
唐揚げみたいにカリカリカリだったら食べるんですけど、
鶏皮のやわらかい感じが嫌だったみたいで、全部べーってされました。
吾妻:
食感で好き嫌いが出るんだったら、細かいそぼろだったら、いけるかもね。
和香:
そうですね!
もう、子どもが好きだろうと思って作っても、食べてくれないときショックですよね。
いままでシチューも食べてくれたのに、こないだから食べてくれなくなって。
すごい好きだったのに、気分がのらないのか…。
早めの時間からじっくり作ったのに。
吾妻:
そうね、手をかけたものを作ったからって、子どもって食べてくれるわけじゃないのよね。
和香:
その日も「納豆!」って言われて。納豆2パックで、ごはん食べさせましたよ(泣)。
吾妻:
そうなのね。食べてくれるからと思って、しょっちゅう出してると、
飽きちゃって食べてくれなくなることもあるのよ。
和香:
えー!
うち、ポン酢につけたきゅうりが好きで、それを1か月ぐらいずっと続けてあげてたら
…だって欲しいって言うんですよ!
そうしたら、急に「いらないー!!」って怒られた。
吾妻:
きゅうりで1か月! 連投ミスだわ(笑)。