土星の輪っかで妄想してみると…【ぼくとフジオ・9】
『ねたあとゆうえんち』や『よなかかいじゅうイビキラス』(ともに白泉社)などでおなじみの絵本作家でイラストレーターの大串ゆうじさんが、子育ての中で日々湧いてくる「妄想」を描きます!
こんにちは。今回は「宇宙」をテーマにしてみたいと思います。
家の近所に科学の観察・実験・工作が楽しめるという素敵な体験型ミュージアムがあるのですが、そこには大型プラネタリウムもあり、そこで息子・フジオが宇宙の面白さに目覚めて、もうかれこれ10回くらいはそのプラネタリウムに行っています。宇宙の面白さを知ってからは図書館で宇宙の本を借りたり、宇宙特集のテレビ番組を真剣に観たり、とても興味があるようです。
自分が地球という星に住んでいて、その星は宇宙に浮かんでいて……ということをどこまで感覚として持っているかはわからないのですが、子どもがだんだんとそういうことを理解していく過程にとても興味があります。
誰もが一度は考えたことがあると思いますが、
「宇宙の果てってどうなっているんだろう? そして、その果ての周りは何があるのだろう? そもそも宇宙自体はいったいどこに存在しているの? というか……自分って何??」みたいなことを小学生の頃に考えて、頭の中がモヤモヤグルグル……と、怖いような不思議な感覚に陥ったことを覚えています。
いまだにその答えはわからないまま日常生活を送っていますが、今思うとそれが自我の目覚め? アイデンティティの確立? みたいなものの最初のきっかけだったと思います。フジオも小学生・中学生くらいにはこういうことを考え出すのかな〜と今から思ってしまいます。
と、宇宙のことを考え出すと壮大で深い方向にいってしまうのですが……、今回は前からずっと気になっていた惑星「土星」に絞って妄想を広げてみたいと思います。土星と言えば、あの輪っかがなんともいいですね。太陽系の中でも断トツでキャラが立っているというか、目立ちます。
子どもの頃にあの輪っかが数十億に及ぶ氷と岩塊の集合体というのを知った時はけっこう衝撃でした。輪っかの上をツイーーっと滑ったりできると思っていたので……。あの輪っかは色々な条件が奇跡的に重なりあって成り立っているらしいです。なんとも不思議です。
第9回 土星の輪っかで妄想
その1 プラレール土星(山手線)
土星の輪をフジオが好きなプラレールにしてみました。グルグル廻るので走らせる電車は山手線にしました。
その2 イカリング土星
次の土星の輪は僕の好きな揚げ物、イカリングにしてみました。
めちゃくちゃデカい宇宙イカから作ります。
その3 はにわ土星
輪っかを構成している一個一個が埴輪で出来ている土星。
最近古墳時代の埴輪にとても惹かれているので考えてみました。
その4 おつまみ土星
最後は大好きなおつまみとビールなどでできた土星です。今の願望をそのまま妄想で広げてみました。宇宙で土星を見ながら飲んだらどんな気持ちになるのだろう……。
以上、土星の輪っかで色々と妄想してみました。宇宙はまだまだ色々ありそうです……。次回はまた違うテーマで妄想してみたいと思います。
ありがとうございました!
大串ゆうじ
おおくしゆうじ/1976年茨城県出身。多摩美術大学絵画科油画専攻卒業。個展などで作品を発表しながら、雑誌、テレビ、広告などのイラストレーションで活躍。著作絵本に『よなかかいじゅうイビキラス』、『ねたあとゆうえんち』(白泉社)『しょうてんがいくん』(偕成社)がある。
www.senggeng.com/kushi/