「縄文時代」を妄想すると…【ぼくとフジオ・6】
『ねたあとゆうえんち』や『よなかかいじゅうイビキラス』(ともに白泉社)などでおなじみの絵本作家でイラストレーターの大串ゆうじさんが、子育ての中で日々湧いてくる「妄想」を描きます!
こんにちは。「ぼくとフジオ」の第6回目は「縄文時代」をテーマに妄想アイディアを考えてみたいと思います。
ぼくは、仕事部屋で長時間絵を描くとき、ラジオやYouTubeなどを流しながら作業することが多いです。YouTubeではその時に興味のあるジャンルの動画を探して聞いています。絵を描いているので、ナレーションだけで内容が伝わってくるものが好きです。コツコツと作業をしながら、興味あるジャンルの色々なことを知り、勉強や発見もできるので、とても都合がよいのです
ここ最近、息子・フジオは恐竜やマンモスなどの図鑑やアニメの影響か、「昔の時代」に興味が出てきているようで、「きょーりゅうじだい?」や「マンモス!」など言ったりします。「昔〜今」のような時間の概念が頭の中で理解できるようになったのかもしれません。昨日も化石や原始人などを扱ったドキュメント番組を真剣に見ていました。
そんなフジオの影響もあり、最近は僕も「古代文明」とか「縄文時代」などのジャンルの動画を流しながら作業することが多くなりました。古代文明や遺跡って謎やロマンがあり、ドキドキして自然と絵を描くテンションも上がり作業中に聞くにはとてもいい感じです。
縄文時代って約1万年もず〜っと続いたらしく、弥生時代から現在までが約2300年くらいなので、縄文時代、凄く長いです。そして、最近の研究では、かなり豊かな生活だったんじゃないか?と言われているそうです。たとえば、労働は週2日半で、狩りの時は1週間頑張ったら、その後3週間は休憩。食べ物も豊かで春先にはカツオを食べたり、といった生活だったという説があるようです。そんな安定した世界が1万年も続いたっていうのは世界の歴史を見回してもとても珍しいことらしいです。
狩猟、採取時代は過酷なイメージで、弥生時代になり農耕が始まりやっと生活が楽になった〜みたいなイメージを持っていたんですが、どうやらそういうイメージはちょっと違うらしいのです。
「縄文時代……気になる〜!」となり、フジオも「昔の時代」ブームだし、先日近所にある遺跡に家族でフラっと行ってきました(ネットで調べたら、たまたま近くに縄文時代の遺跡がありました)。遺跡と言っても竪穴式住居の骨格を復元したものがあるだけの公園だったのですが、フジオはけっこう食いついて「ここ? すんでたの?」「マンモスのじだい?」と興味津々でした。「約5000年前に、ここに集落があって、縄文人が住んでいたのか〜。5000年って言うと100歳の人が50人分か〜。ん? 思ったより近くない? いや? やっぱり遠い?」と、公園でボ〜っと考えてしまいました(笑)。大昔のことを考えると現在の日常から一瞬ふわ〜っと気持ちが離れる不思議な感覚になるので面白いです。
その時の写真です(調べたらマンモスは縄文時代には日本からいなくなっていました)。
第6回 大昔の事に思いをめぐらせる「縄文時代」の妄想
その1 縄文ドキッ
縄文時代と言えば、縄文土器。シュっとした弥生土器よりもグルグルグネグネの縄文土器の方が面白くて好きです。ということで「縄文ドキッ」という縄文土器を考えてみました。何に使う土器なのかは不明です。
その2 土偶お弁当箱
縄文時代の有名キャラといえばスノーゴーグルのような目をしている土偶(遮光器土偶)があります。小学校の時に読んだ本で、「この土偶は宇宙人がモデルだ!」みたいな記事があってとても興奮した記憶があります。そのなんとも不思議なデザインの遮光器土偶のお弁当箱を考えました。お昼休みに縄文時代に思いを馳せることができるでしょう。
その3 どきどき迷路
縄文土器ってグネグネしてて迷路みたいだな〜と思い考えました。最近フジオも迷路が好きなので。
以上「縄文時代」の妄想メモでした。縄文時代以外にも遺跡とか古代文明はまだまだ面白いアイディアが色々出てきそうなので、またいつか発表できたらいいな〜と思います。ありがとうございました。
大串ゆうじ
おおくしゆうじ/1976年茨城県出身。多摩美術大学絵画科油画専攻卒業。個展などで作品を発表しながら、雑誌、テレビ、広告などのイラストレーションで活躍。著作絵本に『よなかかいじゅうイビキラス』、『ねたあとゆうえんち』(白泉社)『しょうてんがいくん』(偕成社)がある。
www.senggeng.com/kushi/