子どものマスクに要注意!熱中症や呼吸困難のリスクが高まるワケとは?
2020年9月9日

子どものマスクに要注意!熱中症や呼吸困難のリスクが高まるワケとは?

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コロナ禍の日常で欠かせなくなった「マスク」。外出の際、子どものマスク姿を見ることが多くなりました。そんな中、気を付けたいのはマスクが原因で起こる熱中症や呼吸困難です。
子どもにマスクは必要なの? マスクをするときに気を付けることは? などの疑問を、医師の坂本先生にお聞きしました。

2歳未満は必要なし!?
子どものマスクが熱中症の原因に

―― 小さな子どもにマスクをつけるのは難しいのですが、やはり感染が心配。可能な限り装着した方が良いのでしょうか?

2歳未満にマスクは必要ないと思います。
さらに言うならば、2歳以上でも本人が苦しいようすなら無理につけなくてもよいでしょう。なぜなら、マスクをつけることで窒息や呼吸困難の可能性、熱中症のリスクが確実に高くなるからです。

その理由は子どもの呼吸回数にあります。
まず、子どもは大人のように汗腺が発達していないため、息を吐くことで熱を体の外に出しています。呼吸で体温を調節しているということですね。

呼吸回数は1分あたり大人が12~20回のところ、乳児では30~53回、幼児で22~37回、小学生でも18~25回ほど(※)。このように子どもの呼吸回数が多い理由には、呼吸筋や肺、心臓が未発達なため、深呼吸が上手にできないということがあります。深呼吸のように1回の呼吸でたくさんの換気をすることができないので、呼吸回数を増やさなければならないのです。
これらのことから、マスクで口や鼻をおおうと、呼吸回数の多い子どもには呼吸がしづらく、さらに熱を外に出すことができません。そのため、体の中に熱がこもり、熱中症にかかりやすくなるというわけです。大人と同じように考えてはいけませんね。

マスクをつけて呼吸をすることで、普段よりも強く心肺に負荷がかかることは間違いありません。特に、走るなどの運動時にマスクをつけることは、熱中症や呼吸困難などの大きな原因になりうるので注意が必要です。

子どものマスクに要注意!熱中症や呼吸困難のリスクが高まるワケとは?の画像1

子どもがマスクをつけるときに
気を付けること

――ただ、人の目もあり、どうしても気になる場合も。子どもがマスクをしなければいけない状況のとき、気を付けることはどのような点でしょうか?

小さな子どもは特に、自分で苦しいということを伝えられないことを知っておきましょう。そのためには子どもをよく観察することです。
保護者が注意して見なければいけないのは、
・のどの下あたりや肋骨の間がへこんだ呼吸をしていないか
・鼻の穴がピクピクしていないか
・うなるような様子はないか
・呼吸の回数がいつもより多くないか
などの点です。
少しでもこれらのようすが見られたらすぐにマスクを外してあげてください。マスクをしていると、こういったサインが見えにくくなることもリスクのひとつですので注意深く観察してあげることが大切です。

子どものマスクに要注意!熱中症や呼吸困難のリスクが高まるワケとは?の画像2

マスクをつけられない子どもがいることを知って欲しい

マスクについて注意したいのが、マスクをつけられないお子さんがいるということです。

発達障がいのお子さんの中には、感覚過敏などでマスクをつけるのが難しいお子さんがいます。
他にも、アトピー性皮膚炎のお子さんの中には、マスクとの接触でかゆみが強くなり長時間つけられない子もいます

全ての人がマスクをつけられるわけではないことを知っていただきたいと思います。マスクをつけていない親子を見かけたときには、「何かマスクをつけられない理由があるんじゃないかな」と考えられる余裕を持ちたいところです。

園や学校再開で
新しい生活様式がスタート

新型コロナウイルス感染症は飛沫感染と接触感染によって広がると言われています。マスクの役割はあくまでも自分の飛沫をまき散らさないことや、近くでくしゃみをされた場合などに飛沫を浴びないためだと思っておきましょう。
人混みは避けて人との距離を2メートル以上保ち、あちこちに触れた手で目や鼻、口などに触れないよう手洗いをきちんとすることが、感染を防ぐためにはもっとも大切なことです。

園や学校生活において、感染リスクをゼロにすることは不可能です。感染のリスクと熱中症のリスクなどを考えながら、子どものマスク着用について考えてみましょう。

※「American Heart Association:ECCハンドブック2015(AHAガイドライン2015準拠)、シナジー、東京.2016」より

教えてくれたのは
坂本昌彦先生
さかもとまさひこ/佐久総合病院佐久医療センター・小児科医長
2004年名古屋大学医学部卒。愛知県や福島県で勤務した後、12年、タイ・マヒドン大学で熱帯医学研修。13年、ネパールの病院で小児科医として勤務。14年より現職。専門は小児救急、国際保健(渡航医学)。日本小児科学会、日本小児救急医学会、日本国際保健医療学会、日本国際小児保健学会に所属。日本小児科学会では小児救急委員、健やか親子21委員。小児科学会専門医、熱帯医学ディプロマ。現在は、保護者の啓発と救急外来の負担軽減を目的とした「教えて!ドクター」プロジェクトの責任者を務めている(同プロジェクトは18年度、キッズデザイン協議会会長賞、グッドデザイン賞を受賞)。
 
教えて!ドクター:https://oshiete-dr.net

Photo by Adobe Stock

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