「あなたのために」は相手の都合!?「ずるい言葉」とは?【最新号からちょっと見せ】
周囲からのアドバイスになんだか「モヤッ」としたら、それは相手の都合や偏見が隠れた「ずるい言葉」かもしれません。
kodomoe6月号では、誰かに言われたり、言う側になったりもする「ずるい言葉」について、社会学者の森山至貴先生に教えてもらいました。kodomoe webではその中から一部をご紹介します。
「ずるい言葉」とは?
「モヤッ」「イラッ」とした言葉は流さず
ちゃんと気にしたほうがいい
その言葉を聞いたとき、「あれ?」と感じながら、「悪気はないのかも。気にする自分がいけないのかな」と、モヤモヤした気持ちになることってありませんか?森山先生いわく「『あれ?』と感じた経験則は信じていい」とのこと。
「例えば『あなたのためよ』と言いつつ、向こうの都合が巧妙に隠されているのが、『ずるい言葉』の特徴です。言葉に対して敏感な人ほど、『モヤッ』『イラッ』としたり、傷ついたりする。最初は生きづらさを感じるかもしれませんが、気にしないより、ちゃんと気にしたほうがいい。言葉に敏感でいることは、他人をより思いやることにつながります。
逆に鈍感な人は、他人にも無神経なことを言いそうですし、この不安はよく的中しますからね(笑)。言われた側が悪いのではなく、不愉快にさせる側に問題があるんです。『ずるい言葉』を見抜き、反論するのは難しくても、『私は間違ってない』と確信するだけで、気持ちはラクになるはずですよ」
育児に追われるママたちは、「ずるい言葉」で、子どもに自分の都合を押しつける側になることも。「敏感な人ほど自己嫌悪に陥るかもしれませんが、『少しずつ変えていければ大丈夫』と気長に構えて、自分を休ませてあげましょう」
森山至貴先生
もりやまのりたか/社会学者。早稲田大学文学学術院准教授。著書に『10代から知っておきたい あなたを閉じこめる「ずるい言葉」』(WAVE出版)など。
イラスト/モチコ