こんな日もあったなあと、振り返れる日が来るのでしょうか【我が家のごはん日記/みないきぬこさんちの食卓・2】
忙しいママにとって、日々の家事の中で悩ましいのがごはんのこと。適度に手を抜きたいけれど、家族には栄養のあるものをバランスよく食べてもらいたい。では、食にかかわるお仕事をしているママたちは、家族のごはんをどうしているの?
料理家・フードコーディネーターのみないきぬこさんの第2回。9歳女の子と2歳男の子のママであるみないさんに、日々のリアルな食卓をご紹介いただきます。
みないきぬこさんちの食卓 #week2
<月曜日・昼>
日曜の朝はいつもながら時間を気にせずゆっくりできるので、子どもとの会話にもゆとりがあります。「昼は何がいい?」と朝食を食べながら子どもにたずね、脳内では食事のバランスを考えている私。我が家の朝食はごはんが多いので、昼は簡単なうどんでいいか、と聞いておきながら手抜きに決めました。
・おかか卵かけうどん
・豚汁(残り物)
・鶏の南蛮ダレ
・じゃがもち(試作を兼ねて)
・カゴ盛り野菜(ミニトマト・絹さや・芽キャベツ)
自分たちでたまごを割り、かつお節をのせてしょうゆをまわしかけます。ぐちゃぐちゃに混ぜてつるっとすすり、いただきます。一口大に切った鶏もも肉は軽く塩を振り、焼きます。合わせた甘辛だれにさっとくぐらせて味付けします。塩で食べたいとか、辛くしたいとか、好みはそれぞれなのでとりあえず焼いてから調味するというこのやり方が、我が家では最近流行っています。
<日曜日・夜>
いかにして子どもたちに野菜を食べさせるか、ママたちの永遠の悩み。無理に食べなくてもちろんOK! 無理やりこちらの都合で食べさせたっていい思い出になんかならない。本能のまま食べたいものを食べているこの時期って素晴らしいことだなあと無邪気なこの子たちを見ていると思います。でもね、いろんな情報を得て、我が身で実感してきた大人は子どもの健康を第一に考えてしまうものなんです。ついつい、あれこれ食べなさいと言ってしまうんです。
娘も私もフレッシュなサラダは大好き。でも、息子はすぐにベーっと吐き出してしまいす。 なので、具だくさん野菜スープは我が家の定番。クタクタに煮ると息子ものど越しよく食べてくれます。今夜は残り物の野菜ともち麦入りの野菜スープに。これで2〜3日はもつので重宝しています。
<水曜日・朝>
2歳児のこだわり。ヨーグルト編です。 最近はおしゃべりもますます進み、いろいろと主張をするようになりました。いろんなことを自分でやりたくて、服を着せようとしても、「やんないで! やぶれちゃうー」と今自分にある精一杯の言葉を使い、悪戦苦闘しながら頑張っています。天気のいい日も「かえるのながつーつ(長靴のこと)」と言って聞かず、雨じゃないのに……、と思いながら登園しています。 嬉しい成長でもありますが、時間のない朝にこれらをされると私もイライラ……。
写真のヨーグルトはまさにこだわりの塊。オープンと書いてある、開けやすい場所があるのに、牛のマークから開けろと主張します。そのままでは食べづらいだろうと蓋を外したら大泣き……。「とらないでー。テープではって!」。はいはい、とマステで貼り、やり直しです。それでも完全に離れてしまった蓋に納得がいかず、食べません。2個目をオープン。スプーンもピンクにこだわります。一体このヨーグルトを食べ終わるのにどのくらいの時間がかかるやら……。うまくいかない朝はこんな感じです。今だけと自分に言い聞かせながら、皆様に聞いて欲しくて、日記にしてしまいました。
<水曜日・夜>
我が家の冷蔵庫には何かしら常備タレ・ソースなどがあります。作り置きおかずもいいですが、作り置き調味料系があると便利。大学がある日は下の子は園で食べてきます。お姉ちゃんには夕飯を用意していきます。私は16時頃という、なんとも中途半端な時間にお昼? 夕飯? を食べるので、夜はいつも迷ってしまいますが、お疲れビールと一緒にこんな感じで軽くすませます。この日は豆腐ばかりですが、お野菜に和えたり、肉・魚と一緒に炒めたりもできて、オススメです。
<木曜日・夜>
この日は遅くまで撮影がありました。こんな日に限ってお姉ちゃんが熱を出し、電話がかかってきました。アシスタントさんに迎えに行ってもらい、病院でみてもらい、なんとか乗り切りました。お昼に残っていたロケ弁で夕飯を済ませた私。冷めたお弁当を食べならがいろいろと考え込んでしまいます。一人お留守番をさせてしまったことに反省……。心細かったよね、ごめんね。仕事と育児、時々つまずいてしまい、泣いては笑いの繰り返しでなんとか乗り切っている日々です。子育てはあっという間というけれど、こんな日もあったなあと振り返れる日が来るのでしょうか。
<金曜日・昼>
この日は井出トマト農園さんに取材に連れて行っていただきました。ハウス栽培の新鮮なトマトたちに大興奮! 新鮮でみずみずしくて、もぎたては甘くて香り豊かで美味しくて。感動です。産毛もあり、ヘタもシャキッとしています。キッチンをお借りしてトマト料理を作ります。包丁を入れる感触も普段とは違うと感じながら楽しく調理させていただきました。
<土曜日・昼>
たくさんいただいたトマトを、さっそくソースに。みずみずしいので煮詰まるのに時間がかかり、一部を取りよけて作りました。残りはシンプルなスープに。お昼はみんなでピザを作りました。生地をこねて伸ばしての作業は子どもたちも大好きです。下の子は口の周りを真っ赤にして無我夢中で食べていました。
<土曜日・夜>
その日の夜はじゃことトマトの炒めごはんに。スープがたくさんできたので味付けに使いました。少し軟らかくなるし、子どもたちも食べやすそうでした。あとは残り物の豚汁に常備菜。しばらくトマト味が続きそうです。
<日曜日・朝>
案の定、次の日もトマトリゾットに。炒めごはんにトマトスープをさらに加え、チーズを加えました。トマト味もチーズも大好きな味のようで、たくさん食べてくれました。完食です。今週末はこんな感じでした。
料理家。女子栄養大学卒業後、枝元なほみ氏のアシスタントを経て、2007年に独立。