包丁にまな板、味噌・醤油もスーツケースに詰めて。旅先の食卓は、現地のお楽しみといつもの食事を半分ずつ【日登美のタベコト in Berlin・30】
ベルリン在住で6人の子どものお母さん。モデルとして活躍する傍ら「台所から子育て、暮らしを豊かに」をコンセプトに、オンライン講座とウェブサイトを主催している日登美さんによる、「食」からはじまるエッセイです。
旅の食卓はハーフアンドハーフで
今年の夏はようやく旅行が賑わっている様子のヨーロッパ、我が家も数年のブランクを経て10日間ポルトガルに行ってきました。
我が家の旅は、暮らすようなスタイル。ホテル泊まりでなく家を借りて台所があるのがマスト。なんとなく暮らしているような、キャンプしているような感じで過ごすのが定番です。
スーツケースの半分は食材や必須のキッチンツールを持参しての旅。今回は包丁、まな板に魚を食べるための鱗取りなど、ドイツではなかなか手に入らない新鮮な魚介を食べる準備万端で出かけました。また現地の食事を楽しむのも旅の醍醐味ではあるのですが、子どもが小さいと食べ慣れないものを嫌がることもありますし、家族も多いので、長期の旅行では体調管理も旅の食卓の大切な役割になってきます。なので我が家の旅の食卓は、現地のお楽しみ半分、いつもの食事を半分、という感じが定番です。
旅の食卓の必需品といえば調味料。味噌、醤油、梅干しはいわば3種の神器。今回はそれに手作りのコチュジャン味噌に味噌、メープルシロップ、お酢、胡麻油などを混ぜた手作りの韓国風辛い味噌をタッパーに詰めて持っていきました。これさえあれば料理をしなくても生野菜を切ってディップすればいつでも簡単なスナックに。発酵食品も摂れるし、おすすめ。
そしてあると便利なのが細かく削った鰹節。これをお湯に入れてお味噌を入れればあっという間にお味噌汁になる。焼いた野菜にかけて醤油とレモンを絞れば一品に。ご飯に混ぜておむすびにと大活躍。
その他、パン大国ドイツの夫には栄養価の高いスペルト小麦の製品も。なかでも発芽したスペルトでできたパンは消化にも良く日持ちするパックで売っていて便利。無糖のピーナッツバターを持参していけば、ベジタリアンの子どものタンパク質補給に安心。旅ではどうしても砂糖や油が多くなってしまうので、発酵食品や無糖の食品があると体がホッとします。体の声を聞きながらいつもの味も残しつつ、旅のエッセンスを取り入れて楽しく食べる。これが我が家流の旅の食卓です。
日登美/ひとみ
3男3女6児の母。10代よりファッションモデルとして雑誌、広告等で活躍。その後自身の子育てから学んだ、シュタイナー教育、マクロビオティック、ヨガなどを取り入れた自然な暮らしと子育てを提案した書籍、レシピ本など多数出版。現在はモデルとして活躍する傍ら、オーガニック、ナチュラル、ヘルシーをモットーに、食、暮らしと子育てのワークショップ、オンライン講座などを行う。
台所から子育て、暮らしを豊かに。「Mitte(ミッテ)」
instagram / @hitomihigashi_b
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