食事はルーティンでいい。ごはんと味噌汁があれば、メニューはこだわらなくて大丈夫【日登美のタベコト in Berlin・23】
ベルリン在住で6人の子どものお母さん。モデルとして活躍する傍ら「台所から子育て、暮らしを豊かに」をコンセプトに、オンライン講座とウェブサイトを主催している日登美さんによる、「食」からはじまるエッセイです。
気楽に自然食
自然な食事とか、オーガニックなごはんとか聞くとちょっと意気込んでしまうところがありませんか? なんか敷居が高い。でもね、ドイツに来てその敷居はぐっと下がったのでありました。どうしても自然な食卓となると、全て手作り、おやつも手作り、弁当も手作り、どんだけ手作り?みたいなことに戦々恐々としてしまうのだけど。
いや、手作りは手作りなんだけどね、そんないろいろ作る必要ないってことです。ドイツの子どもたちって割とみんな自然食。加工品をたくさん食べるって感じじゃないんです。なんでかって? それはママが手作りしているから!ではなくて、そんなに食のオプションがないから(笑)。
とにかくひたすら、パンが基本。お弁当にもおやつにも夕飯にもパン。それにサラダ、果物、加工品はチーズにハム、ヨーグルト。とってもシンプル。質の良いものを買ってあればいい。パンに挟む。野菜は切る。以上。みたいな。
今日は中華、明日はイタリアン、そしてエスニック、みたいなバラエティを日常の食卓に持ってくることってほとんどないんです。
日本の食卓って豊かだけど、お弁当でもなんでもとにかく選択肢が多いのが当たり前。故に同じルーティンだと寂しく感じてしまうし、それを作る基本にしちゃうと大変すぎて、手作り、自然食が嫌になってしまう。だから質を落として加工品を増やして、添加物を増やして、バラエティを増やしがちなんだけど、ドイツ式で同じルーティン、少ないオプションでも質の良いものを食べる方が私はラクだなぁと思うんです。
つまり、和食ならごはんと味噌汁があればいいじゃん、くらいの感じでいいんですよ、実は。そうするとまず買い物がラク! 基本の選択肢が少ないから迷わないでいい。子どもは同じものを食べるのも好きだし一石二鳥。あーラクちん。もちろん、ハレとケの考え方で、時にはいろんな食事も楽しみながらですけれど。
そんなわけで自然食の敷居を高くしていたのは、献立の多さ、選択肢の多さだったのだ!とドイツに来て気がついた次第。そしてね、こちらがわざわざバラエティを考えなくたって、季節に沿って食べていれば自然と違う野菜や果物が出てくるから結果バラエティは豊かになっているものなのです。
日登美/ひとみ
3男3女6児の母。10代よりファッションモデルとして雑誌、広告等で活躍。その後自身の子育てから学んだ、シュタイナー教育、マクロビオティック、ヨガなどを取り入れた自然な暮らしと子育てを提案した書籍、レシピ本など多数出版。現在はモデルとして活躍する傍ら、オーガニック、ナチュラル、ヘルシーをモットーに、食、暮らしと子育てのワークショップ、オンライン講座などを行う。
台所から子育て、暮らしを豊かに。「Mitte(ミッテ)」
instagram / @hitomihigashi_b
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