2020年12月3日

エコ先進国のドイツで子どもと一緒にお買い物♪【教えて!世界の子育て~ドイツ~】

海外ではどんな子育てをしているの? 日本から離れて子育てをするママたちに、海外でのようすを教えてもらう「教えて! 世界の子育て」。
場所や文化が違うと、子育ては違うのでしょうか。日本での子育てや生活と同じこと、違うこと。各国からリアルな声を伝えてもらいます。

ドイツでの日常のお買い物を体験!
ドイツに住む中原さんが、ふたりのお子さんと一緒に日常で訪れるスーパーマーケットやオーガニックショップ、マルクト(市場)やコンビニを紹介してくれます♪

どんな店があるかな?
お買い物に行ってみよう!

今回は、暮らしの中でも身近も身近、食料品のお買い物について書いていこうと思います。

コロナの影響で以前とは若干、様変わりしましたが、ドイツでは基本的にどんな風に食材や生活用品を買っているのか。
普通のスーパーにオーガニックショップ、マルクト(市場)に、最近出てきたコンビニ的なものを紹介していきます。 お子さんと手をつないで、一緒に買い物をしているような気持ちでついてきてくださいね! それでは、はじまり~はじまり~。

まずは普通のスーパーから

我が家の最寄りのスーパーに行ってみましょう。まずマスクをし、入店。カートを出し、子どもを乗せ、ビールの空き瓶のケースをがちゃんこと載せ、手とハンドルを消毒します。

このカートがデカイ。デカくて重い。

さあ、相撲取りになりましょう。カートを押すときは足を踏ん張りしっかりと腰を落として、どすこいと押さねばなりません。日本の小さくて軽いカートが恋しくなります。売り場横にPfandファンド(デポジット)容器の返却マシーンがあります。ここで使用済みの瓶やペットボトルを返却していきまーす!

エコ先進国のドイツで子どもと一緒にお買い物♪【教えて!世界の子育て~ドイツ~】の画像1

ボトルを奥へ奥へと送っていくベルトコンベアは、子どもの好奇心をも乗せていく……。ずーっと覗き込んでいます

入店すると生鮮野菜コーナーがあり、みんなそれぞれ品物を手に取ってカゴに入れていきます。コロナ禍なので無駄にベタベタ触らないでね、と注意書きがあります。そのあたり気をつけて、手を消毒してから触れる、新鮮そうな物を上から見定めて選ぶなど対応しています。
袋詰めされたものもあれば、野積みのものも。品物をビニール袋に入れ、備え付けの台ばかりに載せると横からジジジッとバーコードと価格が印字されたシールが出てきます。ここで子どもに横からシールを奪われない様に気を付けましょう!
これを袋に貼ってから買い物カゴへ。

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これ、全部トマトです!

気になるお値段は、じゃがいも10kgで4ユーロ(約500円)、バナナ8本1.5ユーロ(約200円)、まるっこい白パン(めっちゃうまい)が1個13セント(約15円)ほどで、食べ物が割と安いんです。
ドイツは消費税が19%です。しかし生きていくのに必要最低限なものは税率が低く7%に設定されています。(現在のコロナ禍で消費税を16%に減税する策が取られています。本、食材、薬、芸術作品などは5%です。)

ちなみに必要最低限かどうかはわかりませんが、瓶ビール500mLは1本100円ほど。ちょっとお高いクラフトビールも300円。一番安いビールは30円です。これ以上高くなったら暴動が起きるんだって。ここに容器のデポジットがレジで加算されます。
500mLの普通ビールを買うと大体110円支払うわけですが、返却すると10円戻ってくるという仕組みになっています。ペットボトルのデポジットが1本25セントなので、10本で約2.5ユーロ(約310円)も返金されますから馬鹿になりません。

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空き瓶、空き容器で返却できるものとできないものがあります。デポジットマークがついているものは、お金になって返ってくる!

大きめのスーパーでは食料品と日用品が日本と同じように不自由なく揃っています。衣服、おもちゃ、本、園芸用品、自転車のパーツ、赤ちゃん用品など。
パン売り場では焼き立てが、い~い香りを漂わせてケースに並んでいます。うーん、美味しそう!
さてどれを買おうかなと眺めていると、隣のお客さんがケースから出したパンを直接子どもに渡しました。そして即もぐもぐ食べ始める子ども……!

えええええ、お会計してないのにいいの!? とびっくりするでしょう。
でもこれ、日常的にある光景なんです。レジを通る時に「この子、丸いパン食べたから」と申告して、店員さんも慣れた風で「じゃ丸パン1個ね~」と打ち込んでいます。義母曰く「パン1個くらい子どもが食べたって誰も文句言わないよ。私だって食べてたし、泣いてたら店の人が手渡してくれるわ」
ははぁ。ぐずる子どもに効く薬ってことね。

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その他、便利な出来合いのものもあります。サンドイッチやトルティーヤ、フライドチキン、サラダミックス、カットフルーツ、お寿司! が並んでいます。

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オーガニックスーパーを見てみよう

ドイツでオーガニックスーパーはBioladenビオラーデンと呼ばれています。
子どもたちの体の一部になっていく食べ物の、出自やクオリティには気を遣っていたいもの。ドイツに住む人達に人気のビオラーデンはドイツ中にたくさんあります。

生鮮食品売り場は特に印象的。全てバラ売りです。自分で袋に詰め(詰めなくても良い)ポイッとカゴに入れていきます。

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見てくださいこのリンゴを! とても野生的でしょう?

日本のものと比べるとずっと小ぶりで、味が濃いです。酸味が強く渋味もあり、香りが強く野趣あふれる味わいです。これをみんな皮を剥かずにむしゃむしゃ食べる。んー! すっぱい!

りんごやぶどう、桃などを食べる時に皮を剥くと、ドイツ人からは「え? なんで?」という顔をされます。みんな皮の味も好きなのかな……。
不ぞろいで色も汚かったり傷がついていたり。でも傷なんて誰も気にしません。子どもたちは、どれがおいしそうかな? と楽しんで選びます。

このリンゴの値段は普通のスーパーの約4倍! オーガニックの食品は有機や無農薬の厳しい基準をクリアしなければならないので普通の食品よりも割高なのです。
そして季節を外れると店には並ばなくなります。今はカリフラワーやケールが並んでいたり、ザクザクのナッツは家で寛ぐ時に割って食べるものです。

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バラ売りの野菜は紙袋に入れてレジに持っていきます。空になった紙袋は生ゴミ入れになって、コンポストへ

ビオラーデンでは農村で自由に歩き地面をつついて餌をとっている鶏の卵や、ベジタリアンのためのタンパク質となる豆・乳製品・昆虫加工品の他、オーガニック化粧品(日本でもお馴染みドクターハウシュカやヴェレダなど)や有機洗剤、エコ素材のブラシなどが売られています。
そしてオーガニックのお味噌や海苔、豆腐など日本食の材料を揃えたコーナーもあるんですよー!

恋しかったよコンビニ

私、コンビニ大好きなんですよ。夜中にふらっと行って新作のお菓子を眺めてから肉まんを買うのが好きだったんです。ところがドイツに来てしょんぼり……コンビニ無い……。

自販機も無い。肉まんも、無い。それどころか土曜日の夕方には食料品店はさっさと閉まり、日曜日には店という店が全て閉まります。スーパーも、ショッピングセンターも、ホームセンターも、全て! 全てですよ!

土曜日にうっかり買い物を忘れたら、悲劇の週末です。
……とはいってもガソリンスタンドだけは開いています。車はいつだって走らなければなりませんものね。路上には土日も走る長距離の運転手さんがいます。ガソリンスタンドでは小腹の空いた運転手のための茹でたソーセージやガム、ビスケット、板チョコ、タバコなどが扱われています。でもどれも割高で(ハリボーのグミなんてスーパーの3倍の値段で売ってるんですよ!)、よほどの非常事態でない限り行くことは無いだろうなと思っていました。

そんなガソリンスタンドが、なんと! コンビニ的アップデートをしました! テイクアウトの軽食やパンのコーナーができたり、食材や飲み物コーナーも以前より充実し、日本のコンビニが恋しかった私からしたらちょっとした里帰り気分。
だって土曜日の夜に、日曜日に、物を買いに行けるんですよ! すごい!

日本ほど至れり尽くせりではないし、漫画は売ってないし値段も割高だけれども、お買い物の選択肢が増えて少し心に余裕ができた気がします。

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街の小さなお店
パン屋さん、お肉屋さん 

日本人にとって米が大切であるのと同じように、ドイツ人にはパンが大事。
台所の覇権を握る私、中原は日本人なのでついつい和食を続けて作りがちですが、日頃文句も言わず食べていてくれる家族も幾日かすると「パ、パンが食べたいと体が欲しています……」と申告してきます。

パン屋さんは自分の店オリジナルの自慢のレシピで毎日新鮮なパンを焼いてくれます。黒パン、白パン、雑穀パン、なんか色々ナッツがくっついたパン、よくわかんないけど美味しいパン! 「これちょうだい」と言うと紙に包んでくれます。

壁にソーセージがずらりと吊るしてあるのはお肉屋さん。日本のお肉屋さんと違うのは、ソーセージとハムの種類が多いこと!
レバーパテや燻製サラミなども豊富です。子どもとお買い物に行くと、ハムを一枚くれたりします。ちいさな個人のお店は、店ごとに味が違いますから、お気に入りを探すのも楽しみなのです。

古き良きマルクト

街を中心に向かって歩くと市庁舎前の広場に出てパッと視界が開けます。そこに連なる白い天幕。軒下にできた影を買い物カゴをさげた人たちが行き交います。子どもが走り回る場所も十分。よし、そこを走ってらっしゃい!

ここはMarkt マルクト(市場)です。どこの街でも天気の良い平日は市庁舎前にマルクトが立ち、その土地で採れた季節の野菜や山菜、近隣の村から運ばれてくる肉や魚などが並びます。
野菜は新鮮でどれもおいしいんですよー!

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今は森で採れたキノコが目玉。森のキノコは生だと日持ちがしないのでスーパーでは手に入りません

その地域、その街によってマルクトに並ぶものが全然違うので、旅行に行くときは絶対見たい地味な目玉ポイントのひとつ。先ほどの肉屋さんの例でもそうですが、ソーセージの屋台ひとつ取っても、種類や香辛料の使い方が違ったりと面白いんです。

うっかり食べ歩いていると満腹。食べ物以外にも手作りの家具や陶器を売る人が来たり、古道具屋さんや古着屋さんが来たり、石鹸屋さんが新作を紹介しにきていたり、1週間だけカゴ屋さんが街に滞在して天幕の下で修理をしていたり、楽しい〜!
いつも何か新しいものがあります。

その土地土地で、文化も採れるものも食べるものも行き交う人も異なり、その特色や季節の移ろいを楽しめるのがマルクトなのです。

さて。子どもたちー! 帰るよーもどっといでー! 時々、文化の違いにギョッとしつつも、新しいもの楽しいものを探すお買い物♪
自分のライフスタイルに合わせて、地産地消のお野菜からコンビニ的便利さまで、広い選択肢が私たちの暮らしを豊かにしてくれています。

アジア食材を扱う店やハラールショップ(※)も増えています。
※ハラールショップ……イスラム教徒の方々が買い物するお店。イスラム教下での作法が遵守された食品や化粧品などが販売されています
今はどこもクリスマスの飾りやアドベントカレンダーなどが賑々しく、コロナ禍でキャンセルになったクリスマスマーケットの分も家の中のクリスマスを充実させよう! と意欲を掻き立てます。

エコ先進国のドイツで子どもと一緒にお買い物♪【教えて!世界の子育て~ドイツ~】の画像13今回の海外ママは
中原さん
結婚を機に夫の故郷ドイツに来て9年目。趣味はレストラン巡り、庭いじり、手芸などなど。掃除と片付けも趣味になったらいいのになあ……といつも思っています。5歳と3歳の娘たちがいます。#中原ドイツ子育て Instagram @s_vn
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