コロナ禍のオーストラリアでも続くおうち生活。どうやって過ごしてる?【教えて!世界の子育て~オーストラリア~】
海外ではどんな子育てをしているの? 日本から離れて子育てをするママたちに、海外でのようすを教えてもらう新連載「教えて!世界の子育て」がスタートします。
場所や文化が違うと、子育てはどう違うのでしょう? 日本での子育てや生活と、同じことや違うこと。各国からリアルな声を伝えてもらいます。
第1回は、オーストラリアで子育てをするユウコさんです。
現在、世界中で広まる新型コロナウイルスにより、日本と同じくオーストラリアでも今までとは違った生活を送る日が続いています(5月8日現在)。オーストラリアの幼稚園や保育園、学校に通う子どもたちの今の状況や様子など、リアルな声を伝えていただきました。
教えて!
オーストラリアでの子育て
はじめまして。
オーストラリアで子育てをする、6歳の男の子の母、ユウコです。
これから、海外に住むほかのママたちと一緒に、少しずつ海外での子育ての様子をお伝えしていきたいと思います。よろしくお願いします。
私たちの住むクィーンズランド州ブリスベンは、日本(成田)から直行便で約9時間のところにある、シドニー、メルボルンに次ぐオーストラリア第三の都市です。
同じクィーンズランド州の、ケアンズやゴールドコーストは日本からの観光客も多く有名ですが、ブリスベンにもサウスバンクやマウントクーサなどの観光スポットがあり、日本人も多く住んでいます。
6歳になったばかりの息子は、日本では保育園や幼稚園の年長さんにあたりますが、現在小学校1年生の2学期を過ごしています。
オーストラリアの多くの州では、小学校の準備教育のための“プレップ”という学年が1年間設けられています。義務教育ではありませんが、多くの子どもたちがプレップに進み、そのあと小学校へと入学していきます。
オーストラリアの入学式は1月です。プレップに入学できるのは、入学する年の6月30日までに5歳になっている子どもが対象のため、該当する息子は4歳の後半でプレップに進み、5歳の1月に小学校入学となりました。
息子の場合は、入学予定の州立小学校の中にあるプレップに通っていたため、ピカピカの1年生感がなく普通に進級した感じで、日本の入学式のイメージとは少し違ったものでした。
新型コロナウイルスによる
現在の状況について
5月現在は、2学期が始まったばかり。クィーンズランド州ではコロナの影響で、2学期の前半5週間は自宅学習となりました。医療従事者や行政の対応にあたる公務員、物流や販売、交通機関で働く方々を「エッセンシャルワーカー」と呼びますが、保護者がそのエッセンシャルワーカーで、自宅に子どもを待機させることができない家庭は、各学校によりますが、子どもを預けることができるなどの配慮もされています。
幼稚園や保育園は通常通り運営されていますが、感染を防ぐために子どもと自宅で過ごす家庭が多いようです。その結果、通う子どもの減少で閉園する施設も出てきてしまいました。
エッセンシャルワーカーが利用している園が閉園することも起こりうるため、今まで通り子どもを保育園に預けられるように、オーストラリア政府が指定期間の料金の一部を負担する措置で、利用者の保育料が一定期間無償となることが決まりました。
学校からの課題・
お友達とZoomで再会!
自宅での学習は、州の教育部門が用意したウェブサイトを利用して教材や先生とのコミュニケーションを取るという形式です。息子の学校では、そのサイトに各生徒がログインし、教材にそって自宅学習をするよう準備されていましたが、サイトに不具合があったため、結局は担任の先生から毎日授業内容が添付メールで送られてくるものを進めています。
国語と算数は毎日、そのほかの理科、日本語、体育、社会などは週1回メールが送られてきます。日本語の授業はオーストラリアの小学生にとっては「外国語」。それぞれの小学校によって、違う外国語の授業があり、息子の学校は日本語を学習していますが、中国語やフランス語などを学習する小学校もあります。
そのほかにはオプションでSTEMチャレンジや料理、アートなどの授業も家庭学習にあります。息子はまだ1年生ということもあり、それぞれの教科の問題を親が読み上げて質問をするかたちです。
学校からはオンライン配信の授業やビデオチャットはありませんが、保護者が有志で設置したFacebookページからZoomチャットを提案し、お友達とビデオチャットをする機会がありました。長期間会うことができていない中でのオンラインでの再会を、皆とっても楽しんでいました。全員が同時にしゃべるので、会話は成り立ちませんが……。
1日の過ごし方
散歩がストレス解消に
我が家の場合の自宅での1日の過ごし方は、午前中は親が在宅ワーク中ということもあり、息子は自分のやりたいことをして自由に過ごしています。主にレゴやプラレール、庭遊びなどです。自宅で過ごす時間が長くなり運動不足が気になったので、ひとり用のトランポリンを購入したのですが、それが良い運動になっているようです。
午後は学校の課題や習い事のピアノの練習のあと、夕方頃に1日1回許可されているお散歩に出かけます。
5月1日から外出制限が一部緩和され、自宅から50キロ以内であればピクニックやドライブにも外出できることになりました。散歩は大人にとっても良いストレス解消になっているので、規制の緩和は本当に嬉しく思いました。
クィーンズランド州では、今回のコロナの状況に関係なく、普段から12歳以下は大人と一緒でないお出かけや留守番は禁止されています。小学校への登校も保護者の送迎が必須なので、休校になったことでそこにかかる親の負担はなくなりましたが、やはりお友達との遊びや学校での学びは早く再開させてあげたいとつくづく思います。
地域や学校によっては、徐々に学校の再開も報じられていますが、各家庭の判断に任せられることも多く、まだまだ気が抜けない状況は続いています。そのためにも今はできることをして、世界中のこの状況が落ち着くことを願うばかりです。
ユウコさん
ゆうこ/オーストラリア・クィーンズランド州ブリスベン在住。高校からオーストラリアに留学し移住。6歳男の子のママ。