2020年7月31日

モンテッソーリ教育の幼稚園での過ごし方。学びは家でも実践!【教えて!世界の子育て~マレーシア~】

海外ではどんな子育てをしているの? 日本から離れて子育てをするママたちに、海外でのようすを教えてもらう「教えて! 世界の子育て」。
場所や文化が違うと、子育ては違うのでしょうか。日本での子育てや生活と同じことや違うこと、各国からリアルな声を伝えてもらいます。

マレーシアで暮らすカオリさんは、3歳と4歳の息子さんたちの育児にモンテッソーリ教育を取り入れています。今回は、モンテッソーリ教育法を取り入れた幼稚園での過ごし方や、それを参考にしたおうちでの関わり方をご紹介してくれます。

モンテッソーリ教育
幼稚園と家庭での過ごし方

モンテッソーリ教育の幼稚園での過ごし方。学びは家でも実践!【教えて!世界の子育て~マレーシア~】の画像1

今が旬のドリアン! おいしく食べられるようになると匂いまでもおいしく感じてしまうほどです!

日本は夏を感じる季節になりましたね。常夏の国マレーシアでは四季がありませんが今だけは日本と同じ季節を過ごしているのだと思うと、遠い地に住んでいても、より日本を身近に感じることのできるうれしい季節でもあります。
そんなマレーシアで今、旬な果物がドリアンです! 食べたことがない方でも「ドリアン」と聞くと真っ先に「臭い」という言葉を連想される方は多いはず。マレーシアの道端ではあちらこちらで売り買いされており、至る所でドリアンの香りを感じる毎日です。初めは食べ慣れなくて苦戦した私も数回挑戦するうちに大好きになり、今季もドリアンを食べに行ってきました!

さて今回ですが、我が家の子どもたちが通っているマレーシアの幼稚園の興味深い教育法と、それを意識した日常生活でのようすを皆さんにお伝えしたいと思います。皆さんは「モンテッソーリ教育」という教育法を聞いたことはありますか? 我が家の子どもたちがマレーシアで通っている幼稚園は、このモンテッソーリ教育を基盤とした教育方針を持つ園です。
「自立していて、有能で、責任感と他人への思いやりがあり、生涯学び続ける姿勢を持った人間を育てる」ことを目的とした教育法のモンテッソーリ教育(参考:日本モンテッソーリ教育綜合研究所)。もちろんマレーシアの幼稚園が全てこの教育方針を持っているわけではありませんが、私たち夫婦はとても興味を持ちました。

私が抱いていた一般的な「幼稚園」のイメージは、遊びではなく勉強がメインというものでした。一方、子どもたちが通っているモンテッソーリ教育下の幼稚園ではアクティビティ(活動)が多く行われています。アクティビティと言ってもただ体を動かして遊んだりゲームをしたりするわけではありません。それぞれの活動には目的があり「子どもの◯◯の能力を伸ばすためにこのアクティビティをしましょう」というかたちで、子どもたちが自分で考えて動くことが多く、自立を促すような教育がなされています。

モンテッソーリ教育の幼稚園での過ごし方。学びは家でも実践!【教えて!世界の子育て~マレーシア~】の画像2

もやしを育てるアクティビティを園で行い、親子で一緒に楽しみました!

例えば、園児たちだけで屋台を開くという大きなアクティビティがあります。自分たちで何を売りたいかを考え、それを売るために必要な準備をし、料理を作り、お客さんが来たら注文を受けてそれを運ぶなど、屋台を開くためにそれぞれで考えて動きます。先生たちは子どもたちが困った時のガイド役に過ぎず、主体となるのはあくまでも子どもたちです。
このようにモンテッソーリ教育では、子どもが本来持っている「好奇心」や「探究心」を見つけるお手伝いをしたり、子どもの長所をさらに伸ばすことに重点が置かれています。

子どもの興味あることを
見つけられた!

モンテッソーリ教育の幼稚園での過ごし方。学びは家でも実践!【教えて!世界の子育て~マレーシア~】の画像3

子どもたちの「なんで?」や「できた!」を育てるアクティビティ満載です。日々いろいろなことを吸収しています

4歳児クラスに通う上の子は、テーブルの拭き掃除をすることやお友達のコップにジュースを注ぐこと、園庭の植物に水をあげたりそれを観察するという園での体験から、家でもそれをしたいと自発的に動くようになりました。園でやった中でも特に自分が楽しかったことやおもしろいと感じたことは家庭でも同じようにやりたがるので、親は「この子はこういうことに興味があるんだな」という手がかりをつかむことができます。

また、モンテッソーリ教育では「子どもの成長のスピードに合わせて勉強を進める」という考えも取り入れています。「◯歳なのにこれができない」とか「クラスメイトができるのだから、この子もできて当たり前」というようなプレッシャーを子どもに与えることはありません。

例えば、子どもたちが通う園では英語、中国語、マレー語を勉強しており、それぞれに音読用の教材があります。もちろん一人一人習得するスピードは異なるので、先生たちは期限を設けたりせず急かすこともありません。一人一人の子どもとじっくり向き合い、それぞれのレベルに合わせて教科書を進めていきます。

私自身、他のお友達と比べることは良くないことだと分かってはいても、つい他の子ができることや我が子ができないことに目を向けてしまいそうになります。しかし、「他の子」ではなく「わが子の成長」に向き合うことや、「できないこと」ではなく「できること」に目を向けて、あまり焦ったり過度なプレッシャーをかけないように意識しています。
子どもが伸び伸びと自分の好きなことを楽しんでいる姿や今までできなかったことができるようになること、また、いろんな発見や「なんで?」という疑問が生まれることなど、その都度子どもと向き合い、私も一緒に楽しめるようでありたいと思っています。

モンテッソーリ教育の幼稚園での過ごし方。学びは家でも実践!【教えて!世界の子育て~マレーシア~】の画像4

コロナウイルスの流行前は近くの公園で無料開放されているプールに行くことも。いつかまた行きたいな!

残念ながら現在はコロナウイルスの影響で子どもたちが登園できる日数が限られ、通常行われるはずの運動会や遠足などのイベントやアクティビティが減ってしまいました。しかし、そのような状況下でも園の先生たちによって行われたオンライン授業や家での生活の中で、子どもの興味のあることを見つけたり好きなことを伸ばしてあげるような働きかけができたのではと感じています。

特別に、たくさんのものを準備したりお金をかけたりしなくても、子ども自身が「おもしろい!」「できた!」と感じる気持ちを大切にこれからも子どもたちと関わっていきたいものです。

モンテッソーリ教育の幼稚園での過ごし方。学びは家でも実践!【教えて!世界の子育て~マレーシア~】の画像5今回の海外ママは
カオリさん
マレーシアの首都クアラルンプールで就職、結婚、出産などを経験し、現在マレーシア在住歴7年目。年子の男の子兄弟の子育てに日々奮闘中です! 現地のローカルフードを食べることが大好き、最近はインテリア雑貨探しにハマっています。
Instagram @kaori.h04
Twitter @KaoriMalaysia
シェア
ツイート
ブックマーク
トピックス

ページトップへ