2020年7月20日

ロサンゼルスでの共働き子育て。環境も教育も、多様性が魅力的!【教えて!世界の子育て~アメリカ~】

海外ではどんな子育てをしているの? 日本から離れて子育てをするママたちに、海外でのようすを教えてもらう「教えて! 世界の子育て」。
場所や文化が違うと、子育ては違うのでしょうか。日本での子育てや生活と同じことや違うこと、各国からリアルな声を伝えてもらいます。

オーストラリア、フィンランド、マレーシア、ドイツ……と各国から子育てのようすを届けてくれる「教えて! 世界の子育て」に新たに加わってくれるのは、アメリカのロサンゼルス在住、由美子さんです。5歳の娘さんは現在、8月から始まるキンダー(幼稚園)に入園前の夏休み期間中。コロナ禍にあるアメリカの状況を交えて現地の教育事情を伝えてくれます。

アメリカ カリフォルニア州
ロサンゼルスからお届けします!

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はじめまして。アメリカのカリフォルニア州ロサンゼルス在住の由美子と申します。アメリカ人パートナーの夫、そして5歳の娘と3人暮らしをしています。
夫婦共働きで、夫はロサンゼルス市役所職員。現在はコロナウィルス対策チームの一員として働いています。私はロサンゼルスの某大学病院で看護師をしながらワーキングママとして子育て奮闘中です。アメリカの子育てのようすをみなさんに楽しく提供できればと思います。

「天使の街」ロサンゼルス

南カリフォルニアに位置する、明るい太陽の光が降り注ぐロサンゼルスは、スペイン語で「天使の街」という意味です。ロサンゼルスと言えば、高級ブランドショップが並ぶビバリーヒルズや映画の都ハリウッド、そしてビーチ。近郊にはディズニーランドやユニバーサルスタジオがあり、大都市であっても開放感と多様性に満ち溢れています。
海外に在住する日本人の数、第1位はロサンゼルスで、約6~7万人だそうです(出典:外務省・海外在留邦人数調査統計)。そのため日本人コミュニティーが発達していて、日本のものはほとんど何でも手に入ります。文化、教育面でも充実しており、日本人学校も習い事もたくさんあります。

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アメリカの義務教育制度とは?

アメリカの義務教育は、日本の幼稚園年長さんにあたる満5歳から始まり高校3年生まで。「キンダー(Kindergarten)=幼稚園」、「グレード1~5=小学校」、「グレード6~8=中学校」、「グレード9~12=高校」とあらわし、義務教育が始まるまでは「プリスクール(早期教育学校)」があります。プリスクールは学校により2歳から5歳までです。

学校や教育の制度に関しては、政府ではなく各州に委ねられています。公立学校と私立学校の大きな違いは学費と教育方針。学費の安さなどを理由に多くの生徒が公立学校を選びます。また、公立の学校は管轄の学校区の取り決めに従って運営され、学校の地域によって学制や学期、カリキュラムが異なるなど教育方針に大きな違いがあります。そのため、各自の方針に合う学校区を求めて引っ越しをする家庭が多くなります。
一方、少人数制指導を求める家庭や教育方針に重点を置く家庭は私立学校を選びます。私立学校は、学校区に関係なく自由に学校を選ぶことができます。

驚きと感動の
モンテッソーリ教育

共働き夫婦で家族が身近にいないため、娘は2歳の誕生日を迎えると同時にプリスクール(早期教育学校)へ通い始め、今年5月に卒業しました。プリスクール選びの際は、いろいろ見学し、最終的に選んだのは現地校(プライベート運営)のモンテッソーリ教育のプリスクールでした。
「自立していて、有能で、責任感と他人への思いやりがあり、生涯学び続ける姿勢を持った人間に育てること」を教育目的としたモンテッソーリ教育。独特の教具を使用し、子どもの自主性を促す教育法で、初めて学校を見学した際、2歳の子どもたちがひとりずつ椅子に座って、各自の教具で集中して作業をしている姿に感動したのを今でも覚えています。
モンテッソーリ教育では、子どもたちが各自やりたい教具を選び、やりたいだけ作業をします。これを「お遊び」=Play とは言わず、「お仕事」=Workと言っていたのも驚きでした。幼いながらに自主性の精神を身につけた3年間でした。

終業式や卒業式は中止
そして、夏休みへ

ロサンゼルスでは新型コロナウィスル感染者増大により3月中旬に自宅待機令が出され、公立と私立のほとんどの学校がリモート授業へと変更されました。そして、終業式や卒業式すらなく、そのまま夏休みに入りました。ありがたいことに、娘の通うプリスクールは医療従事者をはじめとしたエッセンシャルワーカー(医療従事者や行政の対応にあたる公務員、物流や販売、交通機関などで働く人々)の親が多いということもあり、自宅待機令が出された後もずっと生徒数限定(1クラス10人以下)で開校を継続。4月は自主的にお休みさせ、5月は週3日程通い卒業となりました。
プリスクールは義務養育ではないのでリモート教育はありませんが、キンダー以上の義務教育は、毎日先生とZoom対談する学校もあれば、週に1~3回しかないところもあり、さまざまなようです。

通常、アメリカの新学期は8月から9月に始まりますが、カリフォルニア州では6月に自宅待機令が緩和されたために7月に感染者が激増。そして7月中旬の発表では、新学期以降もロサンゼルスの公立学校区は完全リモート教育とすることが決定されました。私立学校や近郊の学校区域も同様に、リモート教育継続の方針のようです。

入園予定のキンダーで
サマープログラムに参加

娘は今年8月からキンダー(幼稚園)に入園予定です。入園にあたり、計3つのキンダーを見学し、3つとも入園手続きをしました。そのうち2つのキンダーの開園状況が未定だったため、いったんは唯一、対面式の教育で運営されているプライベート運営のクリスチャンスクールへ。6月からはそのキンダーのサマープログラムに通っています。
現在は1クラス10人以下で、マスク着用が義務付けられ、毎朝登園時に体温チェックをされます。以前に通っていたモンテッソーリ教育のプリスクールとは違う教育スタイルで、娘曰く「遊び」が多いこの幼稚園。「ひとりっ子」の娘で、しかも「個人と自主性を養うモンテッソーリ教育」だったためか、最初の数週間は、お友達の輪の中に入っての遊びに葛藤し、毎日ベソをかいていましたが、今では譲り合いやチームワークの精神も学びながら、毎日園生活が楽しくてしょうがないようです。

習い事にも影響大
今後の動きは?

習い事においては、自宅待機令が出された3月から6月まで現地での習い事は中止され、リモートレッスンが可能なものはZoomを使ったリモートレッスンに変更されました。自宅待機令が緩和された6月以降は野外でのスポーツ教室などは再開したようですが、娘が通う室内での「スイミング」や「アイススケート」はまだ再開されていません。
唯一、プライベートレッスンの「ピアノ」はリモートレッスンで続けられ、6月以降は教室へ通えるようになりました。また、新たに7月から始めた「そろばん教室」も少人数制で再開されました。

今は夏休み中ですが、ほとんどのサマーキャンプやサマープログラムが中止されお子さんの多くが自宅待機を余儀無くされています。逆に娘は両親ともにエッセンシャルワーカーということで園へ通うことを余儀無くされながらも少人数制の恩恵を受けているようでありがたいです。
現在もなおロサンゼルスのコロナ感染者が激増していく中、正直なところ、今後はリモート教育を選択しようかとも検討中です。コロナの状況が日々変化する中、総合的な育成を考えつつ、娘の精神と身体両方の健全な成長を見守りながら子育てをしていきたいと思っています。
一日も早く世界が平穏な日々を取り戻しますようにと願うばかりです。

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ロサンゼルスでの共働き子育て。環境も教育も、多様性が魅力的!【教えて!世界の子育て~アメリカ~】の画像4今回の海外ママは
由美子さん
アメリカ留学中に夫と出逢い、大学卒業後、2年間の遠距離恋愛を経て国際結婚。今年の夏、24年目を迎えます。 元ボストン在住、アメリカ某航空会社の乗務員でしたが、アメリカで起きた9.11をきっかけに転職し、現在はロサンゼルスの某大学病院で看護師をしながらワーキングママとして子育て奮闘中です。5歳の女の子のママ。
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