2020年6月25日

夏休みに突入!フィンランドの子どもたちには宿題が無い!?【教えて!世界の子育て~フィンランド~】

海外ではどんな子育てをしているの? 日本から離れて子育てをするママたちに、海外でのようすを教えてもらう「教えて! 世界の子育て」。
場所や文化が違うと、子育てはどう違うのでしょう? 日本での子育てや生活と同じことや違うこと。各国からリアルな声を伝えてもらいます。

フィンランドで10歳と5歳の男の子の子育てをするともこさん。コロナの影響で、日本と同じく長い休園・休校となっていたフィンランドは学校などが再開したのもつかの間、今度は長い夏休みに突入したそうです。
夜になっても真っ暗にはならないという「白夜(びゃくや)」の時期を迎えたヘルシンキで、子どもたちはどのようにして夏休みを過ごすのでしょうか!?

白夜を迎えた
ヘルシンキ

こんにちは。みなさんお元気ですか? 北欧ヘルシンキは、白夜の夏を迎えました。

5月までの、寒く長い灰色の冬が明けたフィンランド・ヘルシンキでは、あっという間に白樺やモミの木に新緑が芽吹き、生き生きした鮮やかな緑色の世界が広がっています。

夏休みに突入!フィンランドの子どもたちには宿題が無い!?【教えて!世界の子育て~フィンランド~】の画像1

サイクリング中に通った公園。ソーシャルディスタンスを保ちながらピクニックしているグループもちらほらいました。

フィンランドの空の青と、木々の緑を目にすると、短いけれど楽しい夏がやってきたのだとワクワクします。
フィンランドの新緑は、たとえるならば日本の青もみじをもう少し鮮やかにしたような、日本ではあまり見かけることのない色で、長い冬に耐えてきた草花のみなぎるような生きる力を目にすると感嘆の声を上げずにはいられません。
私の故郷である沖縄にも、慶良間(けらま)ブルーと表現される美しい海があるのですが、フィンランドの青と緑も、フィンブルー、フィングリーンとでも呼ぶべきでしょうか。

とにかく、みんなが待ちに待った夏を体中で体感する時期がやってきたのです!

長い長い夏休みが
スタートしました

フィンランドの小中学校の1学年は、8月第2週目~翌年5月最終週まで。小学校は1年生~6年生まで基本的にクラス替えがなく、担任の先生はずっと同じです。

今年はコロナ禍に伴う思いがけない休校期間がありましたが、フィンランドは先日、8月2週目までの長い長い夏休みがスタートしました。
私が日本にいた頃の夏休みの定番と言えば、「夏休みの友」や読書感想文、自由研究などがありましたが、フィンランドでは夏休みの宿題は皆無!
修了式での先生の挨拶の際にも、夏休みは宿題をちゃんとやりなさいとか、早寝早起きをしてラジオ体操頑張りましょうね、ということは一言もなく、校長先生も担任の先生もみな口を揃えて「夏休みは勉強しないでたくさん遊んで、また新しい学年でたくさん勉強しましょう」と言います。

では子どもたちが夏休みの間はどうするのか?
今年は感染拡大問題があるので例外もありますが、屋外の運動系ならサッカー教室やスケート教室、水泳教室、ボーイスカウト、室内でもできるようなものなら、科学の実験教室やプログラミングスクールなどの習い事のキャンプ(合宿)に参加します。

夏休みに突入!フィンランドの子どもたちには宿題が無い!?【教えて!世界の子育て~フィンランド~】の画像2

サッカー教室は人気の習い事のひとつ。保護者は子供たちの側で見守り、和気あいあいとした雰囲気。

キャンプは1週間ほどでワンクールが終了し、希望する場合は更に継続して申し込みます。コーチや保護者が子どもたちを引率して遠征に行き、その期間みんなで習い事に打ち込みます。宿泊するものや、家から通えるものもあります。
習い事にもよりますが、キャンプは夏休みの期間全てで利用すると費用がかかるので、我が家は本人が本当にやりたいものを厳選して参加させています。

子どもたちだけのお泊まりで
パパやママも夏休み!

夏休みの過ごし方で意外に多いのが、おじいちゃん、おばあちゃんの家または遠く離れた親戚の家などに子どもたちだけで泊まりに行くというものです。
送り迎えは親がしますが、サマーコテージ(別荘のようなもの。フィンランドの厳しい寒さに耐えて迎えた夏を過ごす特別な場所で、祖父母や親戚でシェアすることが多い)などに1週間~2週間、子どもたちは、いつも一緒にいる家族ではない大人たちと過ごします。

いつも子どもの遊ぶ声でにぎやかな我が家が静かになるのは少し寂しいときもありますが、その期間だけ朝晩ゆっくり自分たちだけのペースで過ごせ、ふたりでレストランに行ったり、料理も手抜きできたりと、この期間が私たち「パパ・ママ」にとっての本当の夏休みなのかもしれません。
子どもたちも、いつも家で過ごしているときは甘えていても、私たちがいないと急にたくましくなり、大好きなおもちゃを買ってもらおうと駆け引きをするなど、普段家にいるときとは違う一面が顔を出すようなので、祖父母の口からその話を聞くのも毎回楽しみです。
また、フィンランドでは大人も長期の休みを取るのが普通で、就学児のいる家庭の多くは、両親揃って6月の夏至から1か月または1か月半ほど夏休みを取り、旅行やサマーコテージで家族全員で夏休みを過ごす家庭もあります。

こんなふうに夏休みを過ごしたあと、日に焼けた肌で8月の始業式に行く頃には、また一段とたくましく成長し、それぞれ次の学年へと進みます。
北欧の短い夏は大人も子どもも思い切ってたくさん遊ぶ、これがフィンランドのスタイルなのです。

夏休みに突入!フィンランドの子どもたちには宿題が無い!?【教えて!世界の子育て~フィンランド~】の画像3今回の海外ママは
ともこさん
ともこ/フィンランド在住がついに15年目を迎えた中堅(⁉)ママ。大学卒業を間近に控えた頃、 夏休みで旅行中の現在のパートナーと日本で出会い、2年間の遠距離を経て引っ越したことがきっかけです。子どもが生まれた現在も籍を入れない関係は継続中。働きながら子育て頑張っています。10歳と5歳の男の子のママ。

 

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