
俳優・萩原利久さんインタビュー「小島よしおさんに会いたくて芸能界に入った」「好きなものに一直線なのは変わらない」
1983年公開の映画『竜二』を、新たなキャストと解釈で描く『RYUJI 竜二』。柳楽優弥さん演じる竜二を「兄貴」と慕う舎弟・直を演じるのは、萩原利久さんです。小島よしおさんに会いたくて芸能界に飛び込んだ子ども時代から、夢中になった漫画やバスケットボール、撮影で感じた共演者の魅力まで。「興味」を原動力に歩んできた萩原さんに、お話を伺いました。
小島よしおさんがきっかけで芸能界に
――小島よしおさんに会いたくて、芸能界に入ったそうですね。テレビで見て好きになったんですか?
小島さんがブレイクした時の、ドンピシャの世代だったので。もう夢中でした。

――「会いたい」から芸能界に入るって、とてつもなく行動力がありますよね。
今思えばそうですけど、昔から興味のあるものにしか熱の入らない子ではあったんです。それは今にも通じるものがあって。当時の自分としては、そこまでハードルを感じて飛び込んだわけではなかったのかなと思います。
よくしゃべる子だったと思いますし、興味のあるものとないものの差が、ものすごく激しかったです。小学生の時は、もう『ドラゴンボール』一色。食べる、寝る、『ドラゴンボール』、というくらい、頭がそれでいっぱいでした。
――どんなふうに楽しんでいたんですか?
かめはめ波の練習もしていましたし、本当に頑張れば空を飛べると思っていました。小学校1年生の時に初めて買った漫画が『ドラゴンボール』だったんです。読み始めたら、そこから一気にハマってしまって。小学生の頃は、どっぷりでした。

――それより前に読んでいた絵本で、覚えているものはありますか?
『はらぺこあおむし』は読んでいました。でも、小学生になったら、もう『ドラゴンボール』が入ってきちゃったので。正直あまり覚えてないかもしれません(笑)。
――子どもの頃からお仕事を始めたことで、まわりの子よりも早く大人になったような感覚はありましたか?
あまりその感覚はなかったかもしれません。小島よしおさんに会いたいという気持ちだけで突き進んだので、お芝居のレッスンをすることになるとも思っていなかったので。本当に興味のあるものに飛び込んだだけで、そこからいろいろ経験したことが、今につながっている気がします。
子どもの頃から好きなものへの熱量は変わらない
――その後、中学校ではバスケットボール部に。今もNBAのステフィン・カリー選手の大ファンでいらっしゃいますね。
バスケ部だったので、まわりにもNBAを見ている人がいて。最初に見たのは、2011年のオールスターだったかな。当時はコービー・ブライアントとかがまだ第一線で活躍していた時代で、そこから少しずつ見るようになったんです。その1、2年後くらいにカリーが台頭してきて、見るようになりました。もう、かれこれ10年以上です。すっかり大ベテランになっちゃったなぁ。

――バスケットボールを見る時間は、萩原さんにとってどんな時間ですか?
リフレッシュでもあるし、日常のモチベーションでもあります。シーズンが始まると、試合に合わせたスケジュールになってくるんです。「何時から試合があるから、何時に起きなきゃ」みたいな。
カリーが引退したらどうなるんだろう、というのが今一番怖いです。抜け殻みたいになって、急に老け込む可能性もあります(笑)。
――子どもの頃から、好きなものへの熱量が変わらないんですね。
これまで経験してきて、自分の中で思うのは、本当に興味って大事だなということです。誰かにやらされることと、興味があって自分からやることでは、覚える速度も、吸収していく速度も、熱量も、何もかも違う。
一番わかりやすいのが、宿題はできないけど、海外の選手の名前は覚えられること。背番号も、出身大学まで覚えているんです。「覚える」という行為なら勉強と変わらないのに、世界史の人物は覚えられなくて、選手のことは誰に言われるでもなく、一回見ただけで覚えられたりする。不思議ですけど、なんでかといったら、やっぱり好きだから、興味があるからに尽きるんですよね。
柳楽優弥さんに何度「かっこいい」と言ったかわからない
――映画『RYUJI 竜二』では、竜二の舎弟・直を演じています。出演のお話を聞いた時は、どう感じましたか?
こういう、フィクションだからこそ成立する世界の役は、どこかでやってみたいという思いがありました。ヤクザ映画も、そのひとつだったんです。
台本を読んで意外だったのは、読み終わった時に、人間の温かい部分が強く残ったことです。裏社会の世界を描く場面もちゃんとあるのに、後味の悪さよりも、そちらが残ったのは印象的でした。

――主役の竜二を演じる柳楽優弥さんとは、共演してみていかがでしたか?
いつかご一緒してみたいと思っていた、すごく憧れの存在です。いろいろな作品で演じている姿を見ていたので、その役に引っ張られて、「怖い人だったらどうしよう」という気持ちもうっすらあったのですが、実際にお会いしてみたら、本当に柔らかい方でした。お芝居について話し合う時も、同じ目線で、対等にコミュニケーションを取ってくださるんです。本当に、どこまでもかっこよかったです。こういう先輩になりたいと思いました。
――同じく舎弟のひろしを演じた、JUNONさんの印象も教えてください。
映像作品は2作目と聞いて、驚きました。僕の2作目と比べたら、想像できないくらいいろいろなものを背負いながら演じていて、すごいですよね。本人は緊張していると言っていましたけど、まわりから見ると全然そうは見えなくて、堂々としていました。
先日「BE:FIRST」のライブも拝見させていただいたのですが、現場とはまた違うJUNONさんの姿がありました。大勢のお客さんに囲まれながらパフォーマンスをする姿を見て表現者として、お芝居だけでなく、歌やダンスでも表現できる人なんだと、改めてすごいなと思いました。
新しいことを体験できる俳優の仕事は、自分に合っている
――子どもの頃から続けてきた俳優のお仕事に、今も興味を持ち続けられるのは、なぜだと思いますか?
同じように見える役でも、あくまで似ているだけで、同じ役ではないんですよね。撮影が3か月あったとしても、基本的に毎日違うシーンを撮って、違うセリフを覚える。知らないものを日々体験し続ける、そのサイクルが自分の性格にはすごく合っている気がします。違うものをやることに、楽しさを見いだしている部分があるので。

――仕事として、しっかり向き合おうと思ったのはいつ頃ですか?
大学に進学しないと決めてから、人生を考えながらやるようになりました。それまでは仕事も興味のあることのひとつだったので。
経験したことから「こんなことをしたい」「これが楽しかった」と感じて、失敗もしながら学んできた末に、今につながっています。どこかひとつ欠けていたら、今は俳優の仕事を続けてないような気もします。
だから、経験に勝るものはないなと思いますし、興味のあるものをやってみることは、僕にとってすごく必要なことなんだと思います。
――これから挑戦してみたい役はありますか?
教師役をやってみたいです。今まで圧倒的に多く演じてきたのが学生役なので、今度は、沢山見てきた教壇の側に立ってみたい。10代の俳優さんたちとも、一緒にやってみたいです。

萩原利久
はぎわらりく/俳優。1999年2月28日生まれ、埼玉県出身。子役として活動を始め、映画やドラマに出演。近年の代表作に映画『今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は』などがある。本作『RYUJI 竜二』では、竜二の舎弟・直を演じる。
INFORMATION
『RYUJI 竜二』
出演:柳楽優弥、川栄李奈、萩原利久、JUNON(BE:FIRST)、田中美里、RYUKI(MAZZEL)、千原ジュニア、三宅健、伊藤英明ほか
監督:水田伸生
2026年10月30日(金)全国公開
©2026「RYUJI」製作委員会
公式サイト:https://www.culture-pub.jp/ryuji_movie/
取材/高田真莉絵 撮影/馬場わかな






































