2024年4月22日

「逃げ恥」の家事監修を担当したベアーズ・髙橋ゆきさんとだいすけお兄さんが対談。「家事と育児のバランスどうやって取ればいいですか?」【だいすけお兄さんのパパシュギョー!・本誌編】

だいすけさんが、パパやママの代わりにさまざまなジャンルの専門家からお話を聞く「だいすけお兄さんのパパシュギョー!」。
今回は、家事代行サービスのリーディングカンパニー、ベアーズの取締役副社長で家事研究家の髙橋ゆきさんです。髙橋さんはドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」の家事監修も担当した、家事のスペシャリスト。本誌の貴重なインタビューをウェブでもご紹介します。

家事は役割分担し
とにかく互いをほめ合う

「逃げ恥」の家事監修を担当したベアーズ・髙橋ゆきさんとだいすけお兄さんが対談。「家事と育児のバランスどうやって取ればいいですか?」【だいすけお兄さんのパパシュギョー!・本誌編】の画像1

子育て真っ最中のパパ・ママが日々直面するのが、育児と同時進行のエンドレスな家事。だいすけさんも日々痛感している、どこまでも続く家事のお悩みに、家事のプロとして、また先輩ママとして、髙橋ゆきさんからアドバイスをいただきます。

だいすけお兄さん(以下だいすけ) 最近、家事と育児についてよく考えるんです。1日は24時間で、子どもと大人のごはんを作って、掃除、洗濯、買い物と、家事を全部やろうとすると、子どもとゆっくり遊べる時間なんて、なかなかできないですよね。どうしたら、家事と育児のよいバランスを取れますか。

髙橋さん(以下髙) まず、実際の家事がどのくらいあるのかを見直す作業、「家事の棚卸し」をしてみてはどうでしょう。それから、「やらなければいけない」ではなく、「わが家をどういう状態に保ちたいか」。必要な家事について、家族で話し合うの。それが「家事会議」です。

次に大事なのが、家族で役割分担をすること。「これは私がやる」「僕はこれ」と決めて、余るものはとりあえず置いておく。「やりたいことだけやる」でいいんです。そして、お互いに決めたことができたら、とにかくほめ合うというのが一番。お互いにほめ合うと、とても気持ちいいですよ。2人とも「やりたくないね」ってときは、やらなくていいと思います。でも掃除しないとおうちの中が汚くなっちゃう、と思ったら、家事代行などでアウトソーシングすればいい。誰かに頼るときがあってもいいんです。

自分たちでするなら、「じゃあそろそろ、楽しんでやりますか」って、家族でいっぺんにやる。小さい子でも雑巾代わりに軍手をはめてあげて「ここを拭いてね」ってお願いすると、なんでも拭いてくれますよ。そして、できたらほめる。小さい頃からの家事コミュニケーションはおすすめです。

だいすけ そうですね。親子で一緒に笑顔で、家事を「面倒くさい」ことではなく「楽しい」ことって思えるようになると、素敵です。

髙橋 家事は「人生の所作」になりますよね。愛する子どもに、単に掃除をさせたいわけじゃなくて、「丁寧に生きるんだよ」とか、「毎日の暮らしが気持ちいいと、ホッとするね」と教えることにつながるのが、大事だと思うんです。いつもみんなが笑っている温かい空間って、子育てにはきっと大切。一番の安全地帯を作り、それをどうやってみんなで守ろうか、大切に明日に運んでいこうか。そのために掃除や整理整頓、収納も考えればいいんだよって、子どもたちに伝えていけたらと思います。

「家事休みの日」を決め
意識的にラクをしよう

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だいすけ 暮らしの中で心の余裕を持つことって、すごく大切ですよね。僕も仕事や家事に追われて、一日の終わりに「子どもと遊ぶ時間が少なかったなあ」って思うことの繰り返しなので。

髙橋 そうそう。心にも体にも余裕を持たせるには、「家事休みの日」が必要です。「5がつく日は家事休み」とか、おうちごとに決めたらいいと思う。この日はお掃除に限らず、ごはんもレトルトでいいって決めちゃうとか。

だいすけ 確かに。「家事休みの日」、いいですね! 真面目な人ほど、「今日はこれを、明日はあれを……」とがんばっちゃうから。

髙橋 がんばっちゃうと言えば、私は27歳で長男、30歳で長女を産んだ直後、パニック障害を発症したんです。今思うと産後うつもあったのかも。フルタイムで仕事をしながらお母さんもやって、「ママ友と仲良くできるかな」とか「そもそも私は子育てがちゃんとできてるのか」とか、毎日いろいろ考え過ぎて……。ある朝、まぶたが腫れて目が開かなくなったんです。そのあたりから自律神経もおかしくなっていたのね。32歳で入院も経験しました。本当にがんばり過ぎて、そうなった。そこですごく反省したんです。子どもたちは、私が楽しそうだと楽しいし、悲しそうだと自分も泣きたくなるって言うのね。やっぱり、親が子どもに見せる瞬間、瞬間が、すべて育児だなと思ったの。あれもこれもちゃんとやらなきゃってがんばり過ぎることではないんだなって。

私は、SOSを出してもいい世の中を作りたいんです。それにはまず、家庭からだと思う。家庭の中で「今日しんどいんだ」とか、「ちょっとやってくれる?」とか、言いづらくなっていると思うのね。お互いが知らず知らずにがんばっちゃって、「洗濯物を干したぐらいで家事やったふうに言わないでよ」みたいなケンカから、家事戦争が勃発するわけじゃないですか。

だいすけ おっしゃる通り、ママにかかる家事や育児の負担ってすごく大きい。そうしたお手紙も、以前からたくさんいただいています。自分もコロナ禍で周りに頼りづらい状況を経験し、「あ、SOSを出せないってこういうことなのか」って実感したからこそ、「もっと周りを頼ってもいいんだ」と伝えたいですね。

髙橋 そう、とにかく「がんばらなくていいよ」って。今は情報過多で、ラクをしないと人間らしく生きられない世の中なんですよ。「ラクをしていいんだよ」と、誰かが発信し続けてあげることが、必要だと思うんですよね。

シュギョーのまとめ

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Today’s Master

髙橋ゆきさん
たかはしゆき/家事代行サービス業、株式会社ベアーズ取締役副社長。全国家事代行サービス協会会長。家事研究家としてメディアで幅広く活躍中。2015年には世界初の家事大学を設立。
www.happy-bears.com/yukitakahashi/

横山だいすけ
よこやまだいすけ/NHK Eテレ「おかあさんといっしょ」の歌のお兄さんを2017年3月まで最長9年務める。「子どもに良質の音楽を届けたい」という目標のもと、舞台、ラジオ、TVなど幅広く活躍。

撮影/大森忠明 スタイリング/吉岡ちさと(だいすけさん) ヘアメイク/安藤千浪(だいすけさん) 編集協力/原陽子(kodomoe2022年6月号掲載)

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