2024年6月28日

「一番身近な自然は子どもかもしれません」植物観察家・鈴木純さんとだいすけお兄さんが対談。【だいすけお兄さんのパパシュギョー!・本誌編】

だいすけさんが、パパやママの代わりにさまざまなジャンルの専門家からお話を聞く「だいすけお兄さんのパパシュギョー!」。今回は、植物観察家で植物生態写真家の鈴木 純さんです

植物の魅力は、遠い野山に出かけなくても、家のまわりの道端や公園で発見できること。街の中で楽しめる植物観察会を開催している鈴木純さんを先生に迎え、だいすけさんが都心の公園で一日植物観察シュギョー! 本誌の貴重なインタビューをウェブで全公開します。

さらに、本誌だけでは伝えきれなかったお話をご紹介しているweb版も。
「コロナ禍で気づいた。『植物が好き!』を共通項に、世代を超えて人とつながれる。植物観察家・鈴木純さんとだいすけお兄さんが対談。」はこちらから!

「一番身近な自然は子どもかもしれません」植物観察家・鈴木純さんとだいすけお兄さんが対談。【だいすけお兄さんのパパシュギョー!・本誌編】の画像1

植物観察の最初の一歩、
手ほどきお願いします!

大人こそ身近な自然の中へ
足元には宝物がいっぱい

公園などでもよく見かけるシロツメクサやオオバコ。ひとつに見える花が、実は小さな花の集まりだって知っていましたか? 見慣れた植物が新鮮に輝く鈴木純さんの解説に、だいすけさんもすっかり夢中です。

だいすけお兄さん(以下だいすけ) よく、子どもと外で何して遊ぼうか悩んだりしますが、こうして見どころを聞いて観察していると、時間があっという間ですね。こんな身近な足元に、宝物がいっぱい。

鈴木さん(以下鈴木) そうなんです。うちの娘はきちんと教えたわけでもないのに、2歳半頃からオシロイバナやサルスベリを見分けるようになって、最近はペチュニアを見て「つぼみはふわふわだねえ」「ここはきいろいから、みつがあるよねえ」とか。僕の観察をそばで見ていたからか、いつの間にかわかるようになっていて。

だいすけ 子どもたちの、大人には気づけないものに気づける目ってすごいですよねえ。

鈴木 僕が自然を詳しく知ろうと思ったのは、実は大学からなんですよ。東京農大の1年生のときに「葉っぱテスト」という、樹木の名前を葉っぱだけで180種当てる試験があって。それまで漠然と「植物」だと思っていたものも、全部形が違って、それぞれに名前がある。それがわかるといつも目にしていた駅前の木も「ケヤキじゃん、これ!」って、見慣れた景色が変わるような発見が新鮮で、楽しくて。だから、大人になってからでも大丈夫だと思います。

だいすけ なるほど。子どもたちと一緒に、大人もゼロから自然観察をスタートするのもいいんですね。

鈴木 はい。子どものそばにいる大人が植物を知っていれば、それが一番よく伝わると思うんですよ。

だいすけ わかります。コンサートでも、お子さんを連れて来る親御さんが本当に楽しんでいたら、子どもはそれを感じているし。だから僕はコンサートで「まず親御さんが楽しんでください」って言っていて。ああ、同じだなあって思いました。

種をまいていきなり花は
咲かないんですよね

「一番身近な自然は子どもかもしれません」植物観察家・鈴木純さんとだいすけお兄さんが対談。【だいすけお兄さんのパパシュギョー!・本誌編】の画像2

鈴木 だいすけさんはお仕事で経験豊富と思いますが、植物観察会で初めて会う子どもたちをひきつけるのは本当に難しく手探りです。

だいすけ 子どものテンションによっても全然違いますよね。子育ても似てますよね。頑張ってみても、うまくいったり、いかなかったり。

鈴木 まあ、そこが面白いですよね。僕は植物と同じく、子どもも基本的には観察しているだけ、それしかできないと思ってるんです。子どもが興味を示したことには、それをするために必要な環境を用意するように心がけていますが、何がいい影響になるかは、後にならないとわからないから難しい。

植物って、種をまいたら次は葉っぱが出てくる、いきなり花が咲くことはないと知っているから、別に焦らないですよね。「なんで花咲かないんだよ」なんて。でも子どものことになると、まだ小さいのに「なんでできないの」って、つい思っちゃう。今は花ではなく茎を伸ばすタイミングだとか、その子の発達段階があるはずなのに、自分の子のこととなると冷静さを欠いて親の願望が入ってしまう、そこが難しいなあと。

だいすけ ねえ。親がよかれと思っても、子どもには単なる過保護になっている可能性もありますよね。

鈴木 そう。その種が何に育つかは、わからないじゃないですか。草か、大木か、蔓植物かもしれない。で、もし自分の子が蔓植物の人生なんだとしたら、支柱が必要ですよね。そこを「いや、うちの子は大木なんだ」ってそのまま待ってたら、蔓植物は倒れちゃいますよね。その見極めが大事だろうなと思いつつも、結果は先にはわからないから、本当に難しい。

だいすけ 何歳だからもう芽が出た、というのでなく、子どもが好きなものや楽しいものに気づいたときが、芽の開く瞬間なのかなって。そのときに親が「あ、この子は蔓植物でなく、大木だった」と気づけるかどうかですよね。

鈴木 ねえ。子どもって、ままならないじゃないですか。こっちから何をしてもたいして響いてこない相手を観察してる。それって植物観察と似てると思うんです。「自分の力の及ばないものがここにいる」って、すごい鍛えられるというか。一番身近な自然というのは子どもなのかもしれないですね。

だいすけ なるほど、そういうとらえ方ができると、気持ちも楽になるかもしれないですね。

鈴木 そう、 「いつ花が咲くかなあ」「どんな実がつくかなあ」って、待つしかないわけですよね。早送りはできない、だから待つ。待った先に楽しさがある。

子どもと一緒に暮らすことの楽しさって、僕にとっては植物観察を通して知ったのと同じ、待つことの楽しさなんだろうなと。今は「待ち時間」をどんどんなくそうとする世の中ですが、僕はじっくり楽しむ方が時間を有効に使っていると思うから、子どもにもゆっくり育ってほしい。子育ては、待つことの価値に気づかせてくれるいい機会のように思うんです。

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オオバコ

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ハルジオン

オオバコは雌の時期の花と雄の時期の花が、ハルジオンは黄色の筒状花とまわりの舌状花が集まってできている。

シュギョーのまとめ

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Today’s Master

鈴木 純さん
すずきじゅん/植物観察家、植物生態写真家。東京農業大学で造園学を学び、青年海外協力隊として中国で砂漠緑化活動に従事。2018年、フリーの植物ガイドとして独立。女の子パパ。
HP「まちの植物はともだち」 beyond-ecophobia.com

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『そんなふうに
生きていたのね
まちの植物のせかい』
鈴木純/著 雷鳥社 1760円

横山だいすけ
よこやまだいすけ/千葉県出身。NHK Eテレ「おかあさんといっしょ」の歌のお兄さんを2017年3月まで最長9年務める。「子どもに良質の音楽を届けたい」という目標のもと、舞台、ラジオ、TVなど幅広く活躍。YouTubeチャンネル「横山だいすけチャンネル」配信中。オフィシャルInstagram(@daisuke_youtube)も!

撮影/大森忠明 スタイリング/吉岡ちさと ヘアメイク/安藤千浪 編集協力/原陽子(kodomoe2022年6月号掲載)

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