2017年7月15日

絵本作家・いぬんこ「『おちゃわんかぞく』のおとうちゃわんは友人がモデル」

―― 大人の文化祭、みたいで楽しいですね。「おちゃわんかぞく」の展示について教えてください。

 今年の展示テーマは、絵本『おちゃわんかぞく』をモチーフにした「おちゃわん祭り」で、晩ごはんが終わったあとでおちゃわんかぞくとその仲間たちが、夜な夜なちゃぶ台の上で繰り広げる、ひみつのお祭りがイメージです。
 今回はイベントも含めて6日滞在したんですが、3日くらいかけて作りました。1日目は佐渡のみなさんに頼んでいた、いらない食器類を集めて洗ったり。2日目は、それに顔を描いて、着物を着せて。3日目は、飾り付け。
 最初、3台のちゃぶ台は低かったんです。ほかの部屋のみなさんは、施工を現地スタッフに頼んで大がかりに準備していたのですが、私は「設営は自分でやります!」と自分で決めていたのです。でもいざとなったら、なんだかこぢんまりとさびしい感じがして……。結局全部ばらして、先生机の上に設営し直しました。

いぬんこさんの描いた平野レミさん!

いぬんこさんとチャンキーさんの部屋。黒板にさりげなく貼ってあるのは、なんと絵本の原画!

―― ひとりひとりが魂を持っているみたいな作品ですね。

 使う器は、せっかくだから佐渡島のものを使いたいと思って、いらない食器やてぬぐいをお願いして集めてもらいました。使い古して汚れたものや、ひびわれたものに顔を描くと、すごくいい感じになりました。見に来た子どもさんたちも、生きてるみたい!ってすごく面白がってくれました。
 ご近所の農家さんに、装飾用に稲穂をひと苗分けてもらいに行ったら、すすきや花々もたくさんいただいて、全部飾ったらなんだかお供えみたいになったのもまた、ご愛嬌でしたね。このお茶碗人形たちは販売して、すべて次回の運営資金にしてもらうことにしました。

いぬんこさんが魂を吹き込んだ、佐渡島の食器たち

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