第13回 井上和香さん×手芸作家さん「子どもの描いた絵に、かわいく刺繍したい!」
輪郭を作っていくなら、簡単なアウトラインステッチ
北島:
では、イニシャルをアウトラインステッチで刺していきます。刺繍枠は、中の枠に布を巻き付けておくと、小さな生地に刺繍する場合でも生地がすべらなくていいですよ。生地を両面テープを付けて巻くだけで作れます。
和香:
見た目もかわいいですね。
北島:
刺繍って本来、玉止めをしません。触ったときにゴロつきが出ないようにするんですけど、今回は玉止めをしてもいいように、後で間にふかふかした薄手の接着綿をはさんでいきます。
和香:
刺し方はどういう方法ですか?
北島:
アウトラインステッチは、一度糸を刺し込んで抜いたら、後ろに半分下がります。そして糸を通して、針を抜きます。少しずつ出来上がっていくんです。針を抜いていくと、ステッチがだんだんできあがっていくの、わかりますか?
北島:
カーブのときは、若干細かめに針を刺していきます。大きくとると、直線になりやすくなります。
和香:
本当だ、ちょっとずつ刺せば……きれいなカーブになってますね。わあ、楽しい!
失敗を工夫するのが、手づくりの醍醐味
和香:
先生、このWの真ん中の線まで行ったら、上に縫いますか? 下に縫いますか?
北島:
ここですね、そのまま上まで縫ってしまってください。上まで行ったら、一度玉止めして切るか、または縫った糸に、糸をからませながらWの下まで戻るんです。
和香:
へえ、そうなんですね!
北島:
普通、刺繍は玉止めをせずに、最初と最後は糸端を裏側の針目に3~4回絡ませておきます。でもこの糸はハリがあってすぐ抜けてしまうので、玉止めじゃないと止まらないのです。2cm程度なら下にわたっても大丈夫です。
和香:
私は横着なので、玉止めせずに行きたいですね。
北島:
いいと思いますよ。あまり距離があるのに糸が通っていると、後でそこだけ布がひっぱられてしまったり、だぼつきが出てしまうので、そこだけ気をつければ大丈夫です。こうやって糸をからめて戻っていきます。
和香:
ああ! 糸をからめるって、そういうことなんですね!
北島:
これが刺繍で、玉止めをしないときの、糸処理の基本なんです。
和香:
あれ、ちょっと汚くなっちゃったかな。でも私、裏は見えないと思ったら、あんまり気にしないんですけど。そんな考えじゃダメですよね(笑)。
北島:
でも、直したり、失敗を工夫してやるのが、手づくりの醍醐味だったりするんですよ。キットがあると、その工程通りには作れるけど、オリジナリティに欠けちゃうじゃないですか。失敗したほうが、自分でこれを加えてみようとか、考えられるんですよね。
和香:
そうかもしれませんね。
和香:
最後に玉止めして……できたー!
>次回は、この布を使って、パスケースを作ります!
教えてくれた先生:北島真紀さん
きたじままき/ユザワヤ芸術学院
蒲田校・横浜校 パッチワーク・ハワイアンキルト講師で、ユザワヤ4店舗でもハーバリウムなど、幅広いジャンルを教えている。店舗で行う様々なワークショップは、毎月予約で満席状態。ユザワヤ店舗を熟知していることから、ユザラーとして「マツコの知らない世界」に出演。
https://ameblo.jp/midoritottemosuki/
協力:
手芸用品の専門店ユザワヤ
https://www.yuzawaya.co.jp/
各店では、幅広い年齢層が楽しめる手作り手芸・ホビーのワークショップを開催しています。
オンラインショップ
https://www.yuzawaya.shop/
撮影/黒澤義教 取材・文/日下淳子 スタイリング/Miyoko Onizuka(Ange)
ワンピース/STELLA△CIFFON/¥36,000・ネックレス/TAKE-UP/¥38,000・ピアス/TAKE-UP/¥38,000
・Coutulife アトレ恵比寿店 TEL:03-5475-8427
・TAKE-UP TEL:03-3462-4771
■井上和香さん:
1980年生まれ。女優。2012年、映画監督の飯塚健さんと結婚。2015年7月、第一子となる娘さんを出産。オフィシャルブログ:https://ameblo.jp/inoue-waka