第13回 井上和香さん×手芸作家さん「子どもの描いた絵に、かわいく刺繍したい!」
ハンドメイド好きの井上和香さん、今回は子どもの描いた絵の刺繍に挑戦。とても簡単な刺繍アレンジを、ユザワヤ芸術学院で講師を務める北島真紀先生が教えてくださいました。子どもがクレヨンで描いた絵に、名前のイニシャルを刺繍するだけで、おしゃれに見えます。ワンポイントの刺繍で小物を作る技を教えていただきました。
おばあちゃんが作っていた刺繍の大作に圧倒されて
北島真紀さん(以下:北島):
今日は和香さんに、お子さんの絵を使って、刺繍の作品を作っていただきたいと思っています。和香さん、刺繍をされたことはありますか?
井上和香さん(以下、和香):
実は気になってはいるんですが、なかなか手を出せずにいました。
北島:
時間のかかる手仕事のように思われるかもしれませんが、小物にワンポイントでもかわいいんですよ。
和香:
確かに小物に刺繍するのだったら、始めやすいですね。うちは、おばあちゃんが刺繍をしてたんです。昔の日本画のような柄で、虎とかを刺繍してました。けっこう大きい額縁に飾っていて、迫力あるんですよ。
北島:
戸塚刺繍ですかね? 相当時間かかったと思いますよ。異なるステッチを刺繍していくんです。刺繍部分が、少し盛り上がって見えませんでしたか?
和香:
確かに厚みがありました。刺繍をやってみたいなって気持ちはありましたけど、そんな大作を見ていたので、大変だろうなというイメージのほうが強くて。何が作りたいのって言われると、出てこなかったんですよね。刺繍への憧れだけはあったんですが。
北島:
今日は、簡単な刺繍をしてもらった後、パスケースを作ろうと思っています。
和香:
それは、実用的ですしいいですね。
北島:
お子さんに絵を描いてもらって、その上に刺繍します。お子さんと共同で作る作品は愛着がわきますよね。
和香:
そういうの、とってもいいですね! 子どもの持ち物に、名前の刺繍をしてあげたいなとも思ってました。保育園で、お昼寝用のシーツがあるんですが、保育園に行きたくなるような、刺繍なりアップリケなりをつけてくださいって園から言われたんです。でも私にはそんな技術はない……と思っちゃって。
北島:
線通りに縫う刺繍なら、きっとそんなに難しくないですよ。大丈夫!
子どもの絵を生地にして持ち歩ける布クレヨン
北島:
今日は、このパスケースを作っていただこうと思っているんです。これ、いろんな飾りがついていますが、縫わずに作れるんです。ですから作業中にお子さんが近くにいてぱっと手を出しても安全です。針を使うのは、刺繍のときだけなので。
和香:
縫わないんですか! 危険じゃないって大事ですよね。
北島:
そうなんです。じゃあ刺繍をする前に、娘さんに絵を描いてもらいましょうか。布に描けるクレヨンを使います。
和香:
布に描けるなんて、すごいですね。
北島:
お子さんが絵を描くとき、布からはみ出しても問題がないように、描いてほしいサイズに合わせて、ボール紙で額縁を作っておくといいですよ。
北島:
かわいく描けましたね! そうしたら、この上に刺繍でイニシャルを入れていきます。アルファベットの図案っていろいろな種類があるので、図案集などを見て選んでみてください。
和香:
WAKAの「W」を入れたいです。わあ、いろんなWがあるんですね。これにします!
北島:
素敵ですね。図案を写すのに、ここでムーンベール(図案写し用紙)を使っていきます。これは、上から布にも簡単に転写できます。図案写しマーカー(青)は、水で消えるペンです。なので、お水でばしゃばしゃっと取ってもいいのですが、水の出る筆を使うと、なでるだけで線が消えていきます。
和香:
わあ、本当だ。私がお名前つけでひらがな図案を写したときは、パソコンで拡大して、モニター画面に布を張り付けて、モニターからの光で透かして写してました……。
北島:
それもアイデアですね! すばらしい!
和香:
いやいや、これのほうが断然便利ですね。