第3回 井上和香さん×JPIC読書アドバイザーさん 「2歳の娘への読み聞かせ、これでいいでしょうか?」
好きな絵本は、セロテープだらけ
和香:
 今の2歳半の娘に対して、絵本はどういうものだと思えばよいでしょうか。
原:
 「開くと楽しいことが出てくるもの」、今はそれで充分だと思います。
 大人だと、本は汚さず、破らずという先入観がありますが、小さい子に最初からそれを求めるのは難しいですよね。
 少しずつ扱い方を学んでいくはずなので、手荒に扱われるのが嫌であれば、ページの厚い絵本にするか、あきらめるか(笑)。
和香:
 この間、『もこもこもこ』を破りまして。
 思わず、「あー……」とは言っちゃったんですけど。
原:
 破るほど、気持ちが入っているんですよね。
 でも、それも思い出。
 1歳の○○ちゃんが破った思い出、2歳の○○ちゃんが落描きした思い出、そういう思い出を絵本の中に積み重ねていくと思ってみてください。
和香:
 最近、セロハンテープをいっぱい買って、補強してます。破ったところを。
 kodomoeのふろく絵本は持ち運びにも便利で、『なきごえバス』は常に持ち歩いていますが、
 『ノラネコぐんだんアイスのくに』は、好きすぎてもうビリビリに。
原:
 破れちゃうのは、愛された証拠です。
 破られるのを気にして絵本から遠ざかるのは、残念ですから。
和香:
 娘は、「やぶけちゃったね」と悲しそうな顔をしてますけど、だからいらない、ということではないんですね。
 あ、そういう考えなんだ、と思って。
 直そうね、といってまたセロハンテープ貼って。
原:
 それ、すごくいいと思います。
 ボロボロになっても補修して持っている、それもお子さんと絵本で歩んできた道なので。
 セロテープも一時の思い出で、その内に破かず読めるようになります。
和香:
 確かに、破くのって好きな絵本なんですよね。
 とても好きでテンションあがって、めくってる内に破いちゃう。
原:
 書き込みもそうですよね。
 好きだから、絵本の中に参加したい気持ちがあって。
和香:
 確かに。
 最近好きな絵本の中にシールを貼るようになって。
 なんでわざわざこの顔に貼るの、と思っていたら、好きなんですね。
 そういうことなんですね。
原:
 きっとそうだと思います。
 それからkodomoeのふろく絵本といえば、『ゆびさきちゃんのだいぼうけん』は、ページの中を指で追っていく参加型絵本。子どもは大人よりも細かいところに注目できるので、読み込んで楽しいと思います。

和香:
 これ、面白いですね。
 わー、楽しい。
 子どもって、大人が見てないところまで本当によく見てるなって、最近すごく思うんですよね。
 「そんなのあった?」って見返すと、本当にいたりする。
原:
 大人よりも子どもの方が、絵をすみずみまで読み込む能力は高いですよね。
次回は、より幅広い絵本の楽しみ方について、対談の続きをお届けします。
 第4回「どんな絵本を選ぶかより、親子で楽しむことが大事なんですね」
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■井上和香さん:
 1980年生まれ。女優。2012年、映画監督の飯塚健さんと結婚。2015年7月、第一子となる娘さんを出産。オフィシャルブログ:https://ameblo.jp/inoue-waka


































