2018年4月27日

第2回 井上和香さん×現役保育士さん(続) 「子どもに対して感情的になってしまうとき、どうしたらいい?」

叱るときに語気があらくなってしまって反省しています

和香:
やっぱりカッとなると、けっこうきつめの言葉を言ってしまったり、「じゃあ、もういい!」って突き放しちゃったりするんです。
聞いてあげることができなくなって。
「だーかーらー(怒)」みたいな感じで、語気がきつくなってしまったりすることも、悩んでいることのひとつです。

第2回 井上和香さん×現役保育士さん(続) 「子どもに対して感情的になってしまうとき、どうしたらいい?」の画像5

田中:
きつい言い方をしたときの、子どもに対する罪悪感から悩んでしまう感じですか?

和香:
どこかで、自分の怒りを子どもに伝えようとしてるのかな?
「お母さんはこれだけ怒ってます」というのを、ため息に出してしまったり。
「だからー!」って言ってしまったり。
やってはいけないと思ってるんですけど、何が最善の策なのかわからないというか、嫌だと伝えてもわかってくれないので、じゃあ、どうすればいいの?って思うんです。

田中:
悩まれているのは、叱り方なのかなと思います。
「何回言えばわかるの、もう!」とか「なんでそういうことするの!さっきも言ったでしょ!」とかは、実は危険度は低いと、ぼくは思います。
その後に「ああ、言ってしまったな」「あんな言い方しなくてもよかったな」と思うなら、フォローもできます。

和香:
そっかーー。
いや、もう絶対やらないって決めたりもするんですよ。
泣きながらごめんねって夜に言ってるんですけど、「明日は絶対しない」って言って、起きて5分後に怒ってたりするんで、私の学習能力もないですね。

田中:
いや、そんなことありません。
子どもを否定するような言葉だけは言っちゃいけないけれど、その程度は許容範囲だと、ぼくは思います。

和香:
本当ですか!?
子どもと喧嘩すると、自分がわーってなってしまって、「もういい!知らない!」と言って泣き出して、それでちょっと落ち着いたら、すぐハグして「ごめんね」って言うことばっかりです。
「お母さん言いすぎた、ごめんねー」って言うと、「いいよー」って言ってくれるんです。

田中:
かわいいですね。

和香:
それで「んー、いいよーじゃなくて、あなたもごめんねーでしょー(笑)」って言うと、「ごめんねー」って言ってくれます。

田中:
それなら全然大丈夫ですよ。
「もう知らない」と放っておくことも、実際子どもには大事なときがあって、互いに冷静ではいられない時って必ずあるじゃないですか。
ちょっと冷静になるために、いま一回落ち着こうといって、話をとぎれさせるのは効果的なことがあります。
もう少し大きくなって、互いにヒートアップして譲れない、どうしても感情が高ぶっちゃって、っていうときに、「よし、じゃあわかった。一回お話するのやめるね。落ち着いたらもう一回お話しにおいで」っていう方法は、ぼくらもやります。
自分なりにクールダウンして頭の中をスッキリさせてから、さっきはこういうことだったんだよ、とお話するんです。
それは突き放すとかでなくて、あくまでも様子は見てるんだけれども、子どもが一人になる時間を作ってあげるためのタイミングは大事です。

和香:
でも毎回、怒って謝って、怒って謝っての繰り返しなんですよ。
馬鹿だなあ、私と。
こんなに謝るんだったら、言わなきゃいいのにと思うんですけど、その瞬間は止められないんです。
ため息もついちゃうんですよ。わざとらしく「はああーーーっ!」みたいに。
そしたら、子どもがそれを真似するようになってしまいまして。
「はい、お片付けしてくださーい」って言ったら、「……。はーー!(大きなため息)」って言ったんです。
すごくショックでした。自分を見せられてる……と思って、「…ごめん」ってまた子どもに謝りました(笑)。

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田中:
それはどのお母さんも感じていることですよ!

和香:
ママ友さんたちは、語気を強めたりする姿を見ないんです。
私がちょっときつめに「もう、やめなさい!」みたいに言うと、「えっ」っていう顔されるんで、「嘘……この言い方はなしなの?」と思うんです。
そうなるとまわりに相談もできなくなって……。

田中:
大事なことは言葉の強弱より、子どもに届くような言い方をしているかどうかですよね。
逆に子どもから離れたところで、ただ優しく声をかけているだけだと、子どものほうが聞いていない可能性がありますよね。

和香:
娘には、さらにヒートアップして「いいから早く座りなさーい!」ときつく言いますが、そんな言い方をしてるなんて絶対に言えませんね。
そう思うと「私ってダメな親なんだな」って感じてしまうこともあります。

田中:
まわりの人はきっと、和香さんがそういうことを言いそうにないから、みんなびっくりしているだけですよ。
言いすぎちゃったなって感じられることは、大事です。
語気を荒げることは、保育士のぼくたちもありますよ。

和香さんは、日々子どもと過ごす大変さがありつつも、子どもを一番に考えてることが伝わってきました。
子どもを大事にする気持ちや、自分の素直さを認めるところは、子どもにもちゃんと伝わっていると思いますよ。

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第3回は、絵本について、JPIC読書アドバイザーの原陽子さんと対談します

Shop List/エンスウィート(RENOWON PRESS PORT)TEL 03-4521-8191、
リツコ シラハマ(RATTAN7)TEL 03-6419-7871、フェスタリア ビジュソヒィア ギンザ TEL 03-3573-6395
撮影場所:MOSHI MOSHI GALLERY もしもしギャラリー

■井上和香さん:
1980年生まれ。女優。2012年、映画監督の飯塚健さんと結婚。2015年7月、第一子となる娘さんを出産。オフィシャルブログ:https://ameblo.jp/inoue-waka

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