2022年4月14日

お米をとぐのは子どもたちの役目。いちばん手が空いていそうな人に声をかけてお願いします【我が家のごはん日記/かのうかおりさんちの食卓・2】

忙しいママにとって、日々の家事の中で悩ましいのがごはんのこと。適度に手を抜きたいけれど、家族には栄養のあるものをバランスよく食べてもらいたい。では、食にかかわるお仕事をしているママたちは、家族のごはんをどうしているの?

今回「我が家のごはん日記」で 4週間レポートをしてくださるのは、チーズ研究家・料理家のかのうかおりさんです。長男りんごどん(中3)、長女いちごちゃん(小4)、次女さくらんぼちゃん(小2)、3人の子どものお母さんでもあります。第2週目です。

かのうかおりさんちの食卓 #week2

<月曜日・祝日 昼>

週末はだいたい、パン、麺、チャーハンなどの昼ごはんです。
今日はパンにしました。アレルギーっ子のりんごどんが冷凍米粉ピザにしたので、いちごちゃんも「ピザが食べたい!」と言って、自らピザトーストを作っていました。
りんごどんの米粉ピザは、「こめひろ」さんのもの(食べかけの画像ですみません)。最近は、いろいろな米粉商品が出回って、ネットで手軽に選べる時代になりました。こめひろさんは、味と価格に満足しているので定期的に購入しています。
さてここで、「アレルギーあるある!」です。ネットでなんでも買える時代ではありますが、送料を考えると一度にたくさん買ったほうがよいので、我が家には、りんごどん用の食材をストックする食材倉庫と、食材冷凍庫があります。いつでも食べたいときに、みんなと同じようなものが食べられることって幸せなことだと思います。アレルギーっ子は、なんで僕だけ? 私だけ?っていう状況に慣れてしまいがちですが、心の片隅に追いやった気持ちを思い返すこともあるかもしれない。そんなときに、家族で囲んだこの食卓を幸せな気持ちで思い出してくれるといいなと思います。

<月曜日・祝日 デザート作り>

いちごが安くなってきたので、水分を全くいれない「贅沢いちごゼリー」を作ることにしました。1.5パックでプリンカップ5個分。いちごが濃いです。

<月曜日・祝日 夜>

【メニュー】
アジ刺し(走水で釣れたばかりのもの)

アジお汁
ピーマンおひたし
つくねの甘辛
コロッケ
いちごゼリー

「たくさん釣れたらお届けします〜」との予告どおり、友人の旦那様が立派なアジを届けてくれました。大きく身がしっかりとしたアジは、走水で釣ってきたそう。さっそく、お刺身にして食べました。骨はお汁にして、内臓もきれいだったので汁に入れました。トゥルントゥルンでとろけました。自然の恵み、釣り人さんのご好意に感謝し、ありがたくいただきました。ごちそうさまでした。
アジの骨を抜く作業は、いちごちゃんがやってくれました。

<火曜日・朝> 

コンソメスープ(新玉ねぎ、長ネギ、人参、れんこん、ハーブウィンナー)

お米をとぐのは子どもたちの役目。当番制ではなく、いちばん手が空いていそうな人に声をかけてお願いします。主食が米である日本人にとって、米をとぐことは食事をつくる原点であると考えています。小さな米1粒でも、とっても大切なものなんだ。大切に大切に扱おう。これはあらゆる食材にもつながることだと思っています。

<火曜日・夜> 

【メニュー】
アジフライ
骨せんべい
アジのお汁
新玉ねぎ、スナップエンドウサラダ
モルタデラソーセージ
冷奴

 

さくらんぼちゃん、スイミングでバタフライに合格しました。ママも子どもの頃、一番バタフライが好きでしたよ。今日のメニューは、バタフライ祝いで「アジフライ」。きのうの走水のお土産のアジを揚げました。骨は骨せんべいに。

りんごどんは、小麦だけではなく、卵も食べられません。フライは、米パン粉を使い、小麦粉と卵の代わりに、米粉と水、または牛乳でつくったバッター液を作ります。サクッと仕上がるし、この方が、油っこくなくてカロリーダウン、さらには素材の味がしっかりと感じられるので気に入っています。

<水曜日・朝>

新玉ねぎ、わかめ、たけのこのスープ

炊飯釜を洗う時は、水につけておくのではなく、少しの間放置して乾かしてから、カピカピしたところを取り除いてから洗うと、ラクに洗えます。ドロドロしたものがお釜に残らないし、キッチンや排水管にも残らない。環境にもやさしいです。

<水曜日・夜>

【メニュー】
メバルの煮付け
豚ニラ炒め
長いナスのグリル
五郎島金時の焼き芋

 春を告げる魚、メバルを煮付けに。長いナスは、ごぼうよりも長くて驚き。こんなに長いのははじめてみました。切り込みを細かく入れて、ぐにゃっと曲げるとオーブンの中に入ったので、軽くグリルしました。豚ニラ炒めの周りにぐるりと巻いたら、「へびのとぐろみたいだ、ワハハッ!」とみんな大笑い。皮をところどころ剥いて焼いたので、とろっとろにやわらかく、子どもたちもパクパクと箸が進みました。

 

<木曜日・朝>

若竹汁

我が家の食卓のバイブル本は、便利帳シリーズ(高橋書店)。我が家にあるのは魚、野菜が2種、フルーツ。産地、名前の由来、効能などがわかりやすく、ほどよい文章量で書かれているから、するするっと読めます。日々いろんな食材を食卓に上げたがりの私なので、当然、この魚はなあに?この野菜はなあに?と質問が飛び交いますが、この本があると、自分自身の勉強にもなるので便利。まさに便利帳。
ちなみに昨日の「メバル」は、漢字で書くと「目張」。かつては惣菜魚として広く親しまれる庶民の魚だったが、獲れなくなってからは、一般家庭にはなかなか手の届かない高級魚になりつつある、など……。
この本は、子どもたちが巣立ってからも、食卓の思い出の本としてずっと大切にしていきたい。

<木曜日・夜>

【メニュー】
えびとスティックセニュールのオイスターマヨネーズ

鶏もも蒸し ネギ生姜たれ
明日葉のごまマヨ和え
トマト 

ていねいに料理をするとは、たくさんの工程、長い時間をかけて調理することもそうだけど、食べ手のことを考えて料理することが第一だと考える。
お腹減ったよ、早く食べたい!と言う子がいたら、できるだけ早くできるようにしてあげるようなメニューで、歯がぐらぐら痛いよ!と言ったら少し柔らかいもの、とか。ていねいとは、きめ細やかな愛だと思っている。

 <金曜日・朝>

今日から連日、自宅で春休み子ども料理教室がはじまります。朝食後はすぐに準備に取り掛かります。毎度行なっている「味わい名人になろう♪」では、テーマ食材を深掘りし、五感を使って味を真剣に味わい、みんなで意見を出し合います。
今回のテーマは「だし」。日本人にとっては欠くことのできない「だし」と「旨味」を丁寧に感じとっていきます。この実験では、いろいろなだしの飲み比べをしますが、準備を全ていちごちゃんとさくらんぼちゃんがやってくれました。

いちごちゃんは、妹と遊びちょっかいを出しながらも、「ね、ママー、コップ並べておいたよ」「これしまっておこうか?」と中間子さんの特性なのか、上を見て、下を見て、手際がいい。しっかりさんが1人いるととても助かります。いつもありがとう。

 

 <金曜日・夜>

 【メニュー】
鶏ささみのチキン南蛮風 タルタル添え

もやしと水菜のナムル
きのうの残りのエビのオイスターマヨネーズ
カマス

チキン南蛮はアレルギーっ子は食べられないメニューです。本来の作り方である、小麦と卵をからめる工程をアレルギー用にするために、ささみをそぎ切りにしたものに、酒しょうゆで下味をつけ、米粉をまぶして揚げています。普通のチキン南蛮よりも軽やかでヘルシーです。

 

かのうかおり
チーズ文化を学ぶために渡仏。「カオリーヌ菓子店」では、バスクチーズケーキが人気に。五感を使った食材の味わい方、食の持つ力や自然を大切にする心を育む活動をしている。フランスチーズ鑑評騎士、J.S.A.ソムリエ、フードコンシャスネス研究員。著書に『カオリーヌ菓子店のチーズケーキ』(主婦と生活社)、『チーズの絵本』(平澤まりこ/イラスト mille books)。

https://kaorinne.ocnk.net
Instagram : @kaorinnedesu

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