2020年7月29日

下田では、天気を見てから魚を買いに行きます【我が家のごはん日記/津留崎徹花さんちの食卓・1】

 忙しいママにとって、日々の家事の中で悩ましいのがごはんのこと。適度に手を抜きたいけれど、家族には栄養のあるものをバランスよく食べてもらいたい。では、食にかかわるお仕事をしているママたちは、家族のごはんをどうしているの? 

今月の担当は、小学3年生の女の子ママで、東京と伊豆下田を拠点に料理や人物を撮影するフォトグラファーの津留崎徹花さんです。豊かな食環境のなかで暮らす津留崎さんに、日々のごはんと食への思いを綴っていただきます。

津留崎徹花さんちの食卓 #week1

はじめまして、フォトグラファーの津留崎徹花と申します。4年前に、家族3人で東京から伊豆半島の下田に移住しました。移住してからは、東京と伊豆下田の2拠点で料理や人物の写真を中心に撮影しています。

私たちが暮らしている下田は海と山に囲まれ、食の環境がとても豊かです。漁師さんからお魚をいただいたり、直売所には山の幸がずらりと並んでいたり。そうした下田の様子も交えながら「我が家のごはん日記」を綴りたいと思います。これから4週間、どうぞよろしくお願いいたします。

 <月曜日・朝>

「明日は学校か〜」と必ず日曜の夜に言う娘、小学3年生。学校が嫌なわけではないのだけれど、お休みが明けてしまうのはやはり少し残念な様子。月曜日の朝は、大人も子どももどこか緊張気味になるもの。さぁ、しっかり食べて1週間頑張ろう!ってことで、炊きたてのご飯と味噌汁に自家製の梅干しと糠漬けで力をたくわえる。

 あまり大きな声では言えませんが、私は朝がひどく苦手で朝ごはんの支度は夫に任せています。昼ごはんは在宅していれば、気が向いた方が作る。夜ごはんは私が担当する、というのがわが家の習慣です。夫は料理をするのが苦でもなく、ササっとなんでも作ってくれるのでとてもありがたい。

 

自分たちが食べるお米を作ってみたい、という願いも下田に移住して叶いました。友人たちと一緒に作業する田植えや稲刈りもとても楽しく、そして最高に美味しいのです。 

梅干しは毎年必ず漬けるようにしています。娘も「酸っぱい〜」といいながら母の梅干しを嬉しそうに頬張ってくれて、それを見ると母も嬉しいのです。

夫のお母さんに糠床を分けてもらい、わが家でもせっせとつけています。なかなか手入れが難しく、トラブルが発生するとお義母さんに解決策を指南してもらっています。

<火曜日・昼>

わが家の朝ごはん、ほぼ毎日夫が味噌汁を作ってくれます。味噌汁がないと「お味噌汁飲みたい〜」と娘からリクエストが出ることもしばしば。多めに作った味噌汁が残っているときは、「しめしめ」とばかりにその味噌汁を昼ごはんに使い回しています。

ひとりで昼ごはんを食べるときは、かなり簡素。普段つい飽食になりがちなので、たまにシンプルな食事に向き合うとそれはそれでちょっと嬉しくなるし、夜ごはんまでにすっきりとお腹が空くので心地よいのです。

ということで、この日は味噌汁にご飯を入れて卵を落とした雑炊、以上。味噌汁にうどんを入れて味噌煮込みうどんにすることもあります。シンプルだけど、ちゃんと出汁をとり自家製の味噌を使った味噌汁。ごま油をたらしたり、薬味や七味で自分の好みにアレンジ。
この一杯が私にとっては、かなり至福です。

鰹節は、「山田鰹節店」さんで購入。削りたての鰹節はとても香りが良いのです。

<金曜日・夜>

久しぶりに風もなく穏やかな天気。「うん、今日ならきっと魚があがっているはず」と、近所の魚屋さんへ出かけました。

東京で暮らしていたときには、天気を見て魚を買いに行くなんてことはありませんでした。 下田に住み始めてスーパーではなく魚屋さんで魚を買うようになり、悪天候の日に魚屋さんに行くと「今日はなんもあがってないよ」と。

風の強い日には船が出ない、つまり魚が水揚げされない。そんな当たり前のことに初めて気づいたのです。

 下田のまちに好きな魚屋さんが何件かあるのですが、そのうちの一つがこの鈴与鮮魚店さん。「お魚あるかな〜」と店内のケースをのぞくとピチピチの鯵を発見。私はまだうまく魚を捌けないのですが、「とにかく数を捌けば上手になるよ」と魚屋さんにも言われたので頑張ろうという気持ちはある。

ということで、この日は鯵を6尾購入しました。「数をこなせばうまくなる」と呪文のように唱えながら、せっせと鯵を捌く。この日は刺身となめろうにして堪能。うーん、きっと上手な人が捌いたらもっとおいしいんだろうな……、と毎度反省するのですが、めげずに進もう。

<土曜日・朝>

週末のごはんは、娘の大好きな夫作のパンケーキから始まります。たまに私が作ることもあるのですが、毎回材料を計るのがちょっと面倒だな〜と思っていたらとってもいいレシピを発見。料理家の中川たまさんの『デイリーストック 朝、昼、晩 日々の料理の味方』という本にある、ベーキングパウダーや小麦粉などを混ぜてストックしておく自家製パンケーキミックス。実際に作ってみると、とてもおいしくて作業も格段にラクに。夫も気に入ったのでわが家の冷蔵庫にストックしています。

パンケーキには決まって蜂蜜を。夫が働いている「高橋養蜂」のみかんの蜂蜜とバターをたっぷり。いい週末のスタートです。

<日曜日・昼>

梅雨の切れ間「久しぶりに晴れたー!」ということで、お弁当を持って近所の海へ。夫と娘が海で遊んでいるあいだに、私はお弁当を作って自転車で追いかけるというのがいつものパターンです。

この日は梅干しとおかかのおにぎりときゅうりの糠漬け、娘の好きな塩麹卵焼き。溶いた卵に塩麹とみりんを適当に入れ、これまた適当に豆乳を入れて、その日にある材料を入れて焼くだけ。豆乳と塩麹に甘味があるので、子ども受けするようです。この日は友人にいただいたベーコンと、庭で育ったトマトを一緒に包み込んでみました。

 

案の定「おいしい!」とバクバク食べてくれてよかった。

しかし今年の梅雨は厳しいですね。体にたまった湿気を排泄するには緑豆がいい、というのを薬膳の先生に聞いて以来、わが家はこの時期に春雨をよく食べています。

あとは梅干しと梅シロップ、黒ニンニクで体力を補充して乗り切る。

あともう少し、どうかみなさん体調にお気をつけて。

津留崎徹花

つるさきてつか/フォトグラファー
出版社マガジンハウスに勤務したのち独立し、料理や人物の撮影を中心に活動中。2017年東京から伊豆下田に生活の拠点を移す。移住や下田での暮らしについてwebマガジン「colocal」にて連載「暮らしを考える旅」を執筆中。https://colocal.jp/category/topics/lifestyle/relocate

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