2020年8月5日

猪肉に、お鍋いっぱいの魚。「下田色」の濃い1週間【我が家のごはん日記/津留崎徹花さんちの食卓・2】

シェア
ツイート
ブックマーク

 忙しいママにとって、日々の家事の中で悩ましいのがごはんのこと。適度に手を抜きたいけれど、家族には栄養のあるものをバランスよく食べてもらいたい。では、食にかかわるお仕事をしているママたちは、家族のごはんをどうしているの? 

今月の担当は、小学3年生の女の子のママで、東京と伊豆下田を拠点に料理や人物を撮影するフォトグラファーの津留崎徹花さんです。豊かな食環境のなかで暮らす津留崎さんに、日々のごはんと食への思いを綴っていただきます。

津留崎徹花さんちの食卓 #week2

下田に移住して大きく変わったことのひとつが、食にまつわる環境です。東京では野菜はスーパーで買っていましたが、下田では直売所で買うことが多くなりました。魚もまちの小さな鮮魚店で買うようになり、知り合いの漁師さんからピチピチの魚をいただくこともあります。さらに最近になって、夫が獣害対策の罠にかかった鹿や猪の解体を手伝うようになり、そのお肉をいただく機会にも恵まれています。

海と山に恵まれた下田。今週はそんな“下田色”の濃い1週間となりました。

<月曜日・夜>

先週、夫が猪の解体を手伝いたくさんのお肉をいただいてきました。当日の夜は塩と胡椒で調味して、シンプルに焼いて食べるとまぁ感動的においしい。娘も「このお肉おいしい〜!」と目を爛々とさせていました。

余ったお肉は小分けにして冷凍保存しています。それを利用して、今夜は猪肉のミートソース。夫は養蜂場の仕事をしているので、毎日のように山に入っています。東京では山手線に揺られて通勤するサラリーマン生活をしていたので、ものすごい環境の変化です。

以前はメディアから流れてくるのをただ耳にしていた「獣害対策」というのが、まさに目の前の山で繰り広げられているのです。食事をしながら、なんで鹿や猪を夫が捌いたのか、獣害対策ってどんなことなのか、夫が娘に話します。娘はちょっと難しいといった表情ではありますが、みんなで大切に「いただきます!」

自家製の玄米酵母でパンを焼くのが好きです。この日は自家製の米ぬかを少し混ぜて全粒粉風に。

これはまた別の日に捌いた穴熊。独特の匂いがありかなり硬かったので、塩麹と玉ねぎや香草を入れて圧力鍋で加熱。すると、すごーくおいしい煮込み料理になりました。

<火曜日・夜>

昨日、猪肉のミートソースを多めに作っておいたので、それを利用して娘の大好物ミートグラタン。庭のトマトを収穫して上にトッピング。「おいしい、おいしい」と食べてくれる夫と娘、よかった。

仕事がたまってくると夕飯の支度がおっくうに感じることもあります、正直。そんなときのために、料理をするときは常に多めに作って使い回すことを考えています。この日のミートグラタンも2セット作り、ひとつはそのまま冷凍庫へ。「今日はもう、作れない!」というときに、こういうストックがあると本当に助かります……。

<水曜日・夜>

この日の朝。「おはようございまーす」と、近所の漁師さんがお魚を持ってきてくれました。以前雑誌の取材でお世話になって以来、一緒にお酒を飲んだり魚の捌き方を教えていただいたり。そして、こうして朝釣ったばかりのお魚をいただいたり、本当にありがたい存在。この日は鯵にカマス、むつなどをお鍋いっぱいにいただき、さらにシイラとその卵も。

さぁさ、お魚祭りだー!と盛り上がる。

この日の夜ご飯は、鯵とカマスとむつを唐揚げに。骨をのぞくのが面倒なので、低温でじっくり揚げました。「おいしいー!」と夫大絶賛。ビールと唐揚げ、最高の夜となりました。

<木曜日・昼>

昨晩作った唐揚げのうち、半分は南蛮漬けにしておきました。このついで作りが後々ラクにしてくれるのです。この日は夫も在宅だったので、昼ごはんに南蛮漬けと冷やしうどんを。うどんだけだと夫はちょっと物足りないのですが、南蛮漬けのおかげで大満足の昼ごはんとなりました。

<木曜日・夜>

まだまだ続くお魚祭り。こんばんはシイラを天ぷらにしてみようということに。

シイラという魚を、わが家は下田に移住するまで知らなかったのですが、下田では馴染みのある魚だそうです。地元の方にうかがうと匂いが気になることもあるので、一度さっと湯引きするといいよとのこと。その通りに、さっと湯引きしてから衣を絡ませて天ぷらに。ひと口食べてみると身が厚くてふっくら、なんともおいしい。

天ぷらがあまりにおいしかったので、「パンに挟んでフィッシュバーガーにしてみたいね」と家族で盛り上がりました。

卵もさっと湯通ししてから醤油とみりんで調味。たらこのような食感で、うんまい。あんまりおいしかったのでほぼ食べ切ってしまいフィッシュバーガーの夢は叶いませんでしたが、2切れほど残っていた天ぷらを翌日冷やし中華にトッピング。娘はシイラがとっても気に入ったようで「このお魚大好き!」と。

とってもとってもありがたい頂き物でした。

この日記がスタートしてから、今まであまり意識していなかったわが家の食事を意識的に見つめるようになりました。すると、こんなに家族でたくさんの食事をしているんだとか、こんなにみんなで「おいしいね〜」って言っているのか、とか。普段当たり前に流していたことに改めて気づかされています。

津留崎徹花

つるさきてつか/フォトグラファー
出版社マガジンハウスに勤務したのち独立し、料理や人物の撮影を中心に活動中。2017年東京から伊豆下田に生活の拠点を移す。移住や下田での暮らしについてwebマガジン「colocal」にて連載「暮らしを考える旅」を執筆中。https://colocal.jp/category/topics/lifestyle/relocate

シェア
ツイート
ブックマーク
トピックス

ページトップへ