フライが面倒、という方に。簡単アジフライのすすめ【我が家のごはん日記/八木佳奈さんちの食卓・4】
忙しいママにとって、日々の家事の中で悩ましいのがごはんのこと。適度に手を抜きたいけれど、家族には栄養のあるものをバランスよく食べてもらいたい。では、食にかかわるお仕事をしているママたちは、家族のごはんをどうしているの?
フードスタイリストで10歳と6歳の姉妹のママである八木佳奈さんのいよいよ最終回です。簡単なアジフライの作り方、あえて肉巻きを作る意義、など、今回も「なるほど!」な情報がいっぱい! ぜひ日々のごはん作りの参考にしてください♪
八木佳奈さんちの食卓 #week4
<月曜日・朝>
ホットサンド、ブロッコリーとコーンのポタージュ、りんごヨーグルト
ピザと並んで登場頻度が高いのがホットサンド。 バウルーのダブルのホットサンドメーカーで焼きます。 ダブルなので、具はそれほど入る余裕もなく、ハムとチーズのことがほとんど。次女がもう少し大きくなったらシングルにして具沢山なのもいいな~と思っています。
寒くなってくると、スムージーの代わりに、スープの出番が増えていきます。簡単でよく作るのは、冷凍野菜を使ったコーンスープ。小鍋に冷凍ブロッコリーを入れ、水をひたひたに注いで火にかけ、沸いたら市販のコーンスープの粉を2袋入れて、ブロッコリーをつぶしながら溶かし、牛乳を加えてのばします。具材はブロッコリーの他、冷凍カボチャや冷凍ホウレンソウの時も。牛乳ではなく豆乳でのばしておいしいです。
市販品を使うときには、全量頼るのではなく、味のもと的に使います。こうすると手作り感もあり、でも簡単、しかも4人分で2袋で済むので経済的です(笑)。
<水曜日・夜>
アジフライ、添え野菜、かぼちゃの煮物、かきたま汁
フライというと衣付けが面倒……という方も多いですよね。 私のやり方は、ビニール袋1枚とバットだけ。 スーパーで3枚におろしてもらったアジを、トレイのまま塩をふり、15分以上置きます。 ビニール袋に薄力粉とこしょうを入れて混ぜておきます。 アジから出てきた水けをキッチンペーパーでふき取り、ビニール袋に入れて、中に空気を入れて閉じ、振ります。こうするとまんべんなくアジに粉をふることができます。粉も、アジ4尾で大さじ1程度です。余ることなくふることが出来ますよ。 続けて卵を割り入れて袋の端の方でほぐしてから全体をもみ、1枚ずつバットに取り出してパン粉をつけます。
焼くときはフライパンにひと並べして、油を1㎝程度注いで中火にかけ、揚げ焼きにします。 一度にバットが空くので、洗って揚げ網をセットして揚がったものから取り出していきます。 こうすると使用した道具はバットとフライパンだけで済みます。
袋をふったり、卵をもみこんだり、動作が雑なので、コロッケなどの衣付けには向いていませんが、鶏むね肉や、ひれ肉などは同様に作れます。うすいので、フライパンでも揚げられるのがまた嬉しいですね(ちなみにこの日は、揚げ油が鍋に残っていたので普通に揚げました)。
朝、スーパーでアジを買ったものの、夕方にはへとへとで、衣をつける気にはならない……という日は、そのまま塩焼きにしたり、粉だけはたいてムニエルにしたり、卵までつけてピカタにしたりと、フライが実現できなくても調理法はあるので、躊躇せずに買っています。
<金曜日・夜>
なすの肉巻き、ほうれん草とトマトのポン酢しょうゆあえ、さつまいもと油揚げの味噌汁
肉巻きは、子どもが生まれてからよく作るようになったメニューです。 作らなかった理由は巻くのが面倒だから、なのですが、巻くことには大きな意義がありました。
肉で野菜を巻くと、野菜に肉のうまみがしみこみ、とてもおいしくなります。別々に炒めたのとは明らかに違う一体感です。 次女が小さいころ、肉があまり好きではなくて食べてくれなかったのですが、肉巻きにしたら、大好きな野菜が入っているからかパクパク食べてくれて、それ以来よく作るようになりました。
小さな子どもの好き嫌いというのは、例えば大きくて食べにくい、固くて噛みにくい、食感が嫌など、単純に味だけではない場合があります。 肉巻きは芯が野菜なので、肉も薄くて噛み切りやすいのだと思います。 肉が嫌いな子も、野菜が嫌いな子も、試してほしい調理法です。 (リアル夕飯のため、肉巻きの断面が無くてすみません…)
<土曜日・朝>
ケークサレ風パンケーキ、さつまいもの味噌ポタージュ、柿
ゆで置きしたブロッコリーが残っているな~というときに作るメニューです。 野菜をゆでる時にはまとめて茹でます。使う量は半量だったりしても、ゆでる作業は結構面倒なので、ちょこちょこゆでるよりも結果楽。冷蔵庫に入れておけば3日くらいは平気なので、色々と効率が良いのです。
このパンケーキはホットケーキミックスに、卵、牛乳、粉チーズ、カレー粉を加えて混ぜ、ゆでたブロッコリーとウインナーを混ぜて弱火でじっくりと焼きます。 ポタージュは、昨夜の味噌汁(さつまいもと玉ねぎと油揚げ)の残り。さつまいもを多めに入れて作っておき、夕飯で油揚げは消費してしまい、余った汁とさつま芋と玉ねぎをブレンダーにかけてなめらかにし、豆乳を加えてのばします。味を見て塩を加えて完成。 寒くなってくると朝ごはんに温かいスープが嬉しいので、夕飯の味噌汁を翌朝アレンジして使います。
<土曜日・おやつ/夜>
白玉団子/栗ご飯、肉じゃが、豆腐、根菜の味噌汁
雨でキャンプを断念した週末。1日雨予報で家に閉じこもらなければならなかったので、子どもたちはおやつ作り、私は合間に栗をむきました。 暇なときに子どもとお昼やおやつを作ると、ものすごく時間がかかるので、よい暇つぶしになります(笑)。真剣にやる姿はかわいくて、一緒に作るのはとても楽しい時間です。
夜は筑前煮か肉じゃがかリクエストを聞くと、肉じゃが派多数。筑前煮に使う予定だった根菜は味噌汁に。うちの味噌汁はいつもかなり具沢山。食べる煮物くらい具の量が多く、汁は少なめです。一昨日の夜ゆでたほうれん草が余っていたので、トマトを追加して豆腐にのせました。同じメニューが2日連続だと『昨日もこれだった!』と言われますが、1日空けると『また作ってくれたの?』に変わることに気づきました(笑)。
4週間にわたり、我が家の普段のごはんを紹介させていただきました。
毎日のごはん作りは大変で、面倒で、疲れることの連続ですね。料理が好きな私でもそう思います。でも、家族のために作っているようで、実は自分の健康もずいぶん支えられているように感じます。ひとりだったら、こんなにちゃんと作ってないだろうな~と思うんです。家族のために頑張っていることは根底にありつつも、自分がおいしく、楽しく料理をしている毎日です。料理の工程で、何が楽ちんで何が面倒かは人それぞれ。書籍や雑誌のページを作る時にも、スタッフでたくさん考え、悩むところです。
この連載を読んでくださった方に、日々の料理を少しでも楽に、楽しく、おいしく作るヒントが何かひとつでもあったなら、とても嬉しいです。4週間お付き合いくださり、ありがとうございました!
フードスタイリスト。書籍、雑誌、WEB、広告関係で、スタイリングを手掛ける他、自身でも料理制作&スタイリングを手掛ける。企業のメニュー開発、タレントのフードコーディネートなど幅広く活動。料理が一番魅力的に見えるスタイリングを心掛け、 簡単で、見栄え良く、アイディアあるレシピが得意。 夫と娘2人の4人暮らし。
instagram @yagikana.fs
blog 『お祝いごはん』 https://simplea.exblog.jp/
これまで登場した食卓は
asacoさん(ケータリング「マフィオ」主宰)家の食卓
良原リエさん(音楽家、トイピアニスト)家の食卓
潮田彩さん(「もぐもぐ子ども調理室」主宰)家の食卓
宇藤えみさん(ファッションスタイリスト・フードスタイリスト)家の食卓