2022年10月22日

『ぽすくまのおてがみりょこう』【今日の絵本だより 第325回】

kodomoe本誌連載の「季節の絵本ノート」では、毎回2か月分のおすすめ絵本を15冊、ぎゅぎゅっとコンパクトにご紹介しています。
こちらのweb版では毎週、ちょうど今読むのにいいタイミングの絵本をおすすめしていきます。おやすみ前や週末に、親子で一緒にこんな絵本はいかがですか。

『ぽすくまのおてがみりょこう』
中丸ひとみ/絵 坂井治/文 白泉社 1320

 毎月23日は、ふみの日。
1979年に、郵政省(当時)が「手紙の楽しさ、手紙を受け取るうれしさを通じて文字文化を継承する一助となるように」と、制定した記念日です。
まさにその「手紙の楽しさ、うれしさ」が味わえるのが、新刊絵本『ぽすくまのおてがみりょこう』です。

ぽすくまは、森の郵便屋さん。
今日もお手紙を集めに、森の中のポストを回ります。
郵便局からスタートして、パン屋さんのゴールまで、同じ道を通らずに全部のポストを回れるかな?
おや、あのポストの前に立っているのは、白いこぐまのぽすこぐま。
お友達のぺんこあらに書いたお手紙が、ちゃんと届くかどうか心配しています。
「おてがみ ちょっと みせて。」
とぽすくまが見てみたら、ぽすこぐまが手にしている封筒は、表がまっ白なまま。
宛先シールや宛名シール、切手シールを貼って、ぽすこぐまのお手紙を完成させてあげましょう。

迷路やシール、探し絵など7つの遊びを楽しみながら、ポストに入れたお手紙が遠い相手のところに届くまでの仕組みがよくわかるお話。
ぽすくまはぽすこぐまのお手紙を、飛行機でユーカリじまのぺんこあらまで届けます。
喜んだぺんこあらは、早速お返事を書いてぽすくまに託しました。
空を飛んで戻ってくるうれしい気持ち、素敵ですね。
お話を読み終えたら、巻頭についているぽすくまの特製ハガキで、本物のお手紙に挑戦するのはいかがでしょうか。
『ぽすくまのおてがみりょこう』の絵を手がけたのは、ぽすくまの生みの親である、日本郵便株式会社の切手デザイナー、中丸ひとみさん。
郵便局で販売しているぽすくまの切手を貼って出したら、ますますワクワクしそうですよ。

 

 選書・文 原陽子さん
はらようこ/フリー編集者、JPIC読書アドバイザー。kodomoeでは連載「季節の絵本ノート」をはじめ主に絵本関連の記事を、MOEでは絵本作家インタビューなどを担当。3児の母。

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