『きょうはおうちで なつまつり』【今日の絵本だより 第310回】
kodomoe本誌連載の「季節の絵本ノート」では、毎回2か月分のおすすめ絵本を15冊、ぎゅぎゅっとコンパクトにご紹介しています。
こちらのweb版では毎週、ちょうど今読むのにいいタイミングの絵本をおすすめしていきます。おやすみ前や週末に、親子で一緒にこんな絵本はいかがですか。
『きょうはおうちで なつまつり』
新井悦子/作 ももろ/絵 岩崎書店 1540円
8月も、はや後半戦。
コロナ禍で3回目の夏、今年は夏祭りを楽しめたという方、今年も夏祭りには行けなかった……という方、皆さんそれぞれでしょうか。
お祭りに行けなかったら、じゃあ、おうちでやってみない?
ということで、『きょうはおうちで なつまつり』をご紹介します。
こねこの3きょうだい、双子のクローとミッケに、弟のチャーちゃん。
通っている保育園の工事で、今年の夏祭りは中止になってしまいました。
「えーっ。やだやだ、たのしみに してたのに」
「なつまつり いきたかった!」
と、みんな納得いかない様子。
すると、おかあさんが言いました。
「じゃあ、おうちで なつまつり しましょう。
みんなで おまつりを つくるのよ」
「やったあ!」
さあ、きょうだいは張り切って準備スタート。
クレヨンで描いたおめんで、おめんやさん。
おもちゃやお菓子を集めて景品にした、わなげコーナー。
金魚すくい……は金魚がいないので、代わりにスーパーボールすくい。
さあ、準備ができたら、みんなで浴衣に着替えましょう。
お友達もたくさんやってきましたよ。
食べものの屋台にいるのは、おかあさん。
やきそば、たこやき、フランクフルト。
りんごあめならぬさくらんぼあめに、チョコバナナもありますよ。
巻末には、お話に出てくる工作アイディアと食べものレシピ付き。
クローとミッケとチャーちゃんのように、読者もおうちでのおまつりに挑戦できます。
もちろん、全部再現しようと頑張りすぎなくても大丈夫。
普通のソーセージを使ったミニミニフランクフルトや、ミニチュアりんごあめのようなさくらんぼあめなど、ひとつふたつを試してみるだけだっていいんです。
『きょうはおうちで なつまつり』は、「おうちほいくえん」シリーズの第二弾。
保育園や幼稚園での行事や遊びの機会が減ってしまったコロナ禍で、それをおうちでも気軽に楽しめるようにと編まれたシリーズです。
長引くコロナ禍でずっと頑張り続きの大人の皆さんも、子どもの頃のあのワクワクを思い出して。
我が家オリジナルのおまつりを、自由に楽しんでみてくださいね。
選書・文 原陽子さん
はらようこ/フリー編集者、JPIC読書アドバイザー。kodomoeでは連載「季節の絵本ノート」をはじめ主に絵本関連の記事を、MOEでは絵本作家インタビューなどを担当。3児の母。