2022年1月7日

『ふゆのひのトラリーヌ』【今日の絵本だより 第264回】

kodomoe本誌連載の「季節の絵本ノート」では、毎回2か月分のおすすめ絵本を15冊、ぎゅぎゅっとコンパクトにご紹介しています。
こちらのweb版では毎週、ちょうど今読むのにいいタイミングの絵本をおすすめしていきます。おやすみ前や週末に、親子で一緒にこんな絵本はいかがですか。

『ふゆのひのトラリーヌ』
どいかや/作 偕成社 770円

今年は寅年。
本日発売のkodomoe2月号「季節の絵本ノート」でも干支にちなんだトラの絵本を紹介していますが、こちらでも特別に、かわいいトラの女の子が主役のお話をご紹介。
『ふゆのひのトラリーヌ』です。

トラリーヌは、お花が大好きなトラの女の子。
おうちのお庭はいつも、お花でいっぱいです。
毎朝一輪のお花をつんで頭にかざり、一日中お花と一緒に過ごし、寝るときにはそのお花を部屋にかざります。
だから、トラリーヌの部屋もお花でいっぱいです。

さて、そんなトラリーヌは、お花の少ない冬の間も庭仕事で大忙し。
枯葉を集めて肥料を作ったり、木に寒さよけのおおいをかけたり、球根を植えたり、春に向けて準備しておくことは結構多いのです。
ですが雪が降り積もってしまうと、さすがのトラリーヌも庭仕事はできません。
「あー、たいくつだわ。」
と編みものを始めたら、
「ほら、おはなが できた!」
トラリーヌの手元から、毛糸で編んだお花が生まれました。
それからいいことを思いついたトラリーヌは、どんどんどんどんお花を編んで……。

全編フェルトで描かれた絵は、雪景色でもほんわかと暖かそう。
そしてお話の行き先が、またとても温かいのです。
トラリーヌから特別な贈り物を受け取ったような、素敵な気分になりますよ。
トラリーヌのシリーズはこの他にも『おはなのすきなトラリーヌ』『トラリーヌとあおむしさん』(偕成社)の全3冊。
ぜひ3冊あわせて、今年一年ずっとお楽しみください。

 

選書・文 原陽子さん
はらようこ/フリー編集者、JPIC読書アドバイザー。kodomoeでは連載「季節の絵本ノート」をはじめ主に絵本関連の記事を、MOEでは絵本作家インタビューなどを担当。3児の母。

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