2021年4月17日

『あおいらくだ』【今日の絵本だより 第204回】

シェア
ツイート
ブックマーク

kodomoe本誌連載の「季節の絵本ノート」では、毎回2か月分のおすすめ絵本を15冊、ぎゅぎゅっとコンパクトにご紹介しています。
こちらのweb版では毎週、ちょうど今読むのにいいタイミングの絵本をおすすめしていきます。おやすみ前や週末に、親子で一緒にこんな絵本はいかがですか。

『あおいらくだ』【今日の絵本だより 第204回】の画像1『あおいらくだ』
茂田まみこ・長村さと子/作 楓真知子/絵 北樹出版 1980円

発売中のkodomoe4月号では、「多様性に触れる絵本」を26冊ご紹介していますが、ご紹介したかった作品は他にもまだたくさん。
『あおいらくだ』も、その中の1冊です。

旅をしている、あおいらくだ。
その体は空の色、そして夜の色であり、海の色。
ある日出会った茶色いらくだに、あおいらくだは話しかけます。
「こんにちは
 茶色いらくだ
 きみは だいちの色をして
 とってもすてきだね」
すると、茶色いらくだは答えました。
「こんにちは
 きみは
 わたしが であってきた
 らくだとは
 ぜんぜんちがうね
 あおくって
 なんだか へんてこだ」
あおいらくだは驚きました。
だって、今まで空も夜も海も、あおいらくだの色がとっても素敵だと言ってくれたから。
あおいらくだにとって、空は楽しい気持ちに、夜はゆったりとした気持ちに、海は心が躍る気持ちになるもの。
でも茶色いらくだにとって、空はさびしくて、夜は怖くて、海は悲しいものらしいのです。
再び驚いたあおいらくだは、思い切って聞いてみます。
「ねえ きみ わたしといっしょに
 空と 夜と 海に あいにいかないかい?」

相手を「変わってる」と思う時、そのほとんどが相手を「知らない」だけのこと。
あおいらくだと連れだって空と夜と海を訪ねた茶色いらくだは、今まで知らなかったそれぞれの素晴らしさを、初めて感じます。
一度知れば、これまでは見えなかった景色が広がる。
勇気を出して声をかけたあおいらくだ、それに応じた茶色いらくだ。
「また いつか!」
と別れた2匹の満ち足りた表情に、相手を「知ること」「わかること」って、なんて多くの実りをもたらすのだろうと、豊かな気持ちになるのです。

こちらの本には、あおいらくだが動く動画や、原作の読み聞かせが楽しめるオーディオブックのQRコードもついています。
ぜひお試しを。

 

選書・文 原陽子さん
はらようこ/フリー編集者、JPIC読書アドバイザー。kodomoeでは連載「季節の絵本ノート」をはじめ主に絵本関連の記事を、MOEでは絵本作家インタビューなどを担当。3児の母。

シェア
ツイート
ブックマーク
トピックス

ページトップへ