2021年4月12日

『パンダぱん』【今日の絵本だより 第203回】

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kodomoe本誌連載の「季節の絵本ノート」では、毎回2か月分のおすすめ絵本を15冊、ぎゅぎゅっとコンパクトにご紹介しています。
こちらのweb版では毎週、ちょうど今読むのにいいタイミングの絵本をおすすめしていきます。おやすみ前や週末に、親子で一緒にこんな絵本はいかがですか。

『パンダぱん』【今日の絵本だより 第203回】の画像1『パンダぱん』
かけひさとこ/作・絵 教育画劇 1110円

4月12日は、パンの記念日。
おいしそうなパンの絵本はたくさんありますが、今回は先月発売になったばかりの、新刊のこちら。
「おいしい」「楽しい」「うれしい」の三拍子そろった、『パンダぱん』をご紹介します。

「パン パン パン
 パンころ パンころ パンころん」
まあるいパンがころころころがって、ページをめくると、わあ!
かわいいお顔の「パンダぱん」になりました。
お次は、
「パン パン パン
 パンちゃぷ パンちゃぷ パンちゃぷん」
まあるいパンが何やら茶色いものの中をちゃぷちゃぷ、ページをめくると、まあ!
びっくりお顔の「チョコパンダぱん」が。

メロンパンダぱん、アンパンダぱん、おいしい変身がいくつも続いて、ラストは
「あれ あれ あれ?
 パンダいない パンダいない」
……パンダはどこかへ行っちゃった?
いえいえ、ちゃーんといましたよ、ほら!

1・2、1・2のリズムで展開する、おいしそうで楽しいオノマトペいっぱいのお話。
さらに「うれしい」ことは、何かと言うとですね。
読み聞かせ、特に0、1、2歳向けのおうちでの読み聞かせでは、大人が「つらくならない」ことが大事だと、私は常々思っていて。
同じ本をえんえん「もっかーい」とリクエストされたり、逆にまったく反応がなかったり、ページをどんどんめくられたり、ぱたんと閉じられたり。
「親子で絵本」という言葉のイメージとはまったく違う現実、「何これ、修行?」というステージがあると思うのですが、そういう時に「言葉がシンプルで」「声に出していて大人も楽しい」、そして「読む順番が多少変わっても大丈夫」な作品が手元にあると、とても救われます。
「順番に最後まで読み通さねば」という大人の固定概念と義務感を、ふっと取り払ってくれるような。
「そんなに構えなくていいんだよ」と、気持ちを軽くしてくれるような。
『パンダぱん』もまさにそんな1冊です。
ごまの一粒ずつやパンの生地の質感まで丁寧に描きながら、優しさや温かさも伝わる空気感。
パンの記念日でなくても、一年中おすすめの絵本です。

 

選書・文 原陽子さん
はらようこ/フリー編集者、JPIC読書アドバイザー。kodomoeでは連載「季節の絵本ノート」をはじめ主に絵本関連の記事を、MOEでは絵本作家インタビューなどを担当。3児の母。

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