2019年8月2日

『ぽんこちゃんポン!』【今日の絵本だより 第66回】

kodomoe本誌連載の「季節の絵本ノート」では、毎回2か月分のおすすめ絵本を15冊、ぎゅぎゅっとコンパクトにご紹介しています。
こちらのweb版では毎週、ちょうど今読むのにいいタイミングの絵本をおすすめしていきます。おやすみ前や週末に、親子で一緒にこんな絵本はいかがですか。

『ぽんこちゃんポン!』【今日の絵本だより 第66回】の画像1『ぽんこちゃん ポン!』
乾栄里子/作 西村敏雄/絵 偕成社 本体1100円+税

8月5日は、「はん(8)こ(5)」の語呂合わせで、はんこの日。
(ちなみに10月1日は、「印章の日」なのだそうですよ。)
子どもって、はんこ、好きですよね。
私もすでにいい大人ですが、はんこ、大好きです。
ということで、心躍るはんこの絵本、『ぽんこちゃん ポン!』をご紹介します。

はんこが大好きな、ぽんこちゃん。
「ペッタンポン!」
って、おしてもらうのが好き。
自分でおすのも、もちろん大好き。
ぽんこちゃんのバッグの中には、パン屋さんのカード、床屋さんのカード、ラジオ体操のカードに、スタンプ帳。
いつでも
「ペッタンポン!」
のスタンバイOKです。

さてぽんこちゃん、今日はお母さんと動物園へ。
お目当ては、いろんな動物のはんこがおせるスタンプラリー。
まずは電車の駅で
「ペッタンポン!」。
動物園の入口で
「ペッタンポン!」。
スタートから好調ですが、おや、肝心の動物園の中に入ったら、スタンプラリーが見つかりません。
動物園の人に聞いてみたら、なんと
「スタンプラリーは きのうまでですよ。」
あまりの事態に、ぽんこちゃんはがっくり。
「ああ どうぶつの はんこ……。いろいろな どうぶつの……。」
と嘆き悲しんでいると、誰かがとんとんと肩を叩きました。
そして、思わぬ
「ペッタンポン!」。
次から次へ、
「ペッタンポン!」。
サプライズのはんこの正体は、どうぞ絵本で確かめてくださいね。

作者は、『バルバルさん』(福音館書店)や『おしりだよ』(教育画劇)でもおなじみの、乾栄里子さん×西村敏雄さんコンビ。
おふたりの絵本は、いつでもふふっと楽しくて、じんわりとあったかい。
『ぽんこちゃん ポン!』は、何の理屈もなしに、「はんこ大好き!」という気持ちひとつでできているのが、素敵なところ。
この絵本を読んだ後は、しばらく心の中で
「ペッタンポン!」
のワクワクがとまらないのです。

 

選書・文 原陽子さん
はらようこ/フリー編集者、JPIC読書アドバイザー。kodomoeでは連載「季節の絵本ノート」をはじめ主に絵本関連の記事を、MOEでは絵本作家インタビューなどを担当。3児の母。

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