『ふじさんです』【今日の絵本だより 第34回】
kodomoe本誌連載の「季節の絵本ノート」では、毎回2か月分のおすすめ絵本を15冊、ぎゅぎゅっとコンパクトにご紹介しています。
こちらのweb版では毎週、ちょうど今読むのにいいタイミングの絵本をおすすめしていきます。おやすみ前や週末に、親子で一緒にこんな絵本はいかがですか。
『ふじさんです』
丸山誠司/作・絵 教育画劇 本体1100円+税
2月23日は、富士山の日。
日本一の山だけあって、
『ふじさんです』。
表紙からもう、何か言いたげなお顔のふじさんですが。
表紙をめくると
「わたしは ふじさん
むかしむかしの
おおむかしは
よく しゃべってました。」
ええっ?
「らくご なんかもして
みんなを
わらわせてました。」
えええっ?
みんな、って、誰だと思いますか?
ふじさんのまわりで大笑いしているのは、他の山や恐竜、
もう、スケールが違います。
「あと
すもうを よく とりました。
てきなしの
ちからもちでした。
イエーイ!」
つかみはOK、とはまさにこのこと。
最初の3場面くらいでもう、日本一の山・富士山が、自由自在に動き回る、
相撲も取るけど、夜空から星も取って、
「イエーイ!」
そんなふじさんは人気者で、その姿を絵に描きたい人がいっぱい。
ある日でかけようとしたら、絵描きさんから「
元気な男子と相性がよさそうな『ふじさんです』。
のびのびダイナミックな絵と、理屈ぬきに愉快なストーリーは、
親子で一緒に「イエーイ!」、楽しそう。
それから、お正月に読むのもいいかもしれません。
理由は、カバー袖(折り返し部分)を見てみてくださいね。
選書・文 原陽子さん
はらようこ/フリー編集者、JPIC読書アドバイザー。kodomoeでは連載「季節の絵本ノート」をはじめ主に絵本関連の記事を、MOEでは絵本作家インタビューなどを担当。3児の母。