『トンダばあさん』【今日の絵本だより 第4回】
kodomoe本誌連載の「季節の絵本ノート」では、毎回2か月分のおすすめ絵本を15冊、ぎゅぎゅっとコンパクトにご紹介しています。
こちらのweb版では毎週、ちょうど今読むのにいいタイミングの絵本をおすすめしていきます。おやすみ前や週末に、親子で一緒にこんな絵本はいかがですか。
『トンダばあさん』
北村裕花/作・絵 小さい書房 本体1600円+税
前回に引き続き、敬老の日にちなんだ絵本をご紹介します。
前回はおじいさんが主役の『いいからいいから』だったので、今回は、おばあさんが主役の『トンダばあさん』。
お隣の奥さんがおめかしして出かけるのを見て、おばあさんは鏡の前でため息。
昔は自分もおしゃれしたものだけど、今じゃこんなにシワシワ顔。
このシワ、のびないかしら? と試しにひっぱってみたら、むにょーん、あららら、シワだけでなく顔もどんどんのびる!?
大きくのびた顔に風を受けて、おばあさんは、空へふわり。
風に飛ばされて行く先で、こざるのトランポリンになったり、はちの大群を退治したり、はてはサッカーの試合に飛び入りして、無敵のゴールキーパーに。
おばあさんとは思えない、まさに縦横無尽の大活躍。
どうしてそんなことができたのでしょう?
それはぜひ、絵本を見てみてくださいね。
シワシワのおばあさんになっても、シワのおかげで、こんなに楽しい冒険ができるなんて。
この絵本を読んだあとは、鏡をのぞいて自分の顔にシワを見つけても、ふふふ、と楽しく思えるかも。
でも、シワののばしすぎにはご注意ですよ。
選書・文 原陽子さん
はらようこ/フリー編集者、JPIC読書アドバイザー。kodomoeでは連載「季節の絵本ノート」をはじめ主に絵本関連の記事を、MOEでは絵本作家インタビューなどを担当。3児の母。