妄想家族電車で旅に出よう!【ぼくとフジオ・27】
『ねたあとゆうえんち』や『よなかかいじゅうイビキラス』(ともに白泉社)などでおなじみの絵本作家でイラストレーターの大串ゆうじさんが、子育ての中で日々湧いてくる「妄想」を描きます!
こんにちは。今回は「電車」をテーマにしてみたいと思います。
このコロナ禍で、家族みんなで電車に乗ってお出かけすることは減ってしまいましたが、息子・フジオ(4歳)は電車が大好きで、今でもたまに電車に乗ると嬉しそうにしています。窓から流れる景色を見るのが特に好きみたいです。
フジオはだいたい毎日、ママと一緒に絵本を何冊か読んで、ウトウトしてきたら暗くして寝るというのがパターンですが、それでもなかなか寝てくれない時や妻が忙しい時は、部屋を真っ暗な状態にして僕が「ゆめでんしゃ」というお話をします。
「ゆめでんしゃ〜ゆめでんしゃの最終がきました〜眠りにつく人はご乗車下さい〜」というアナウンスから始まるお話で、その後は海に行ったり、もっと潜って深海に行ったり、砂漠に行ったり、ジャングルに行ったり、とフジオが喜びそうな場所を冒険します。話の途中でだんだんと寝てしまう、というものです。逆にフジオがお話に興奮して目が覚めてしまい、地球では冒険する所がなくなって宇宙の果てまで行ってしまうこともたまにあります。
この話をしている時に、「家族の電車」面白いかもな〜といつも頭の片隅で思っていました。
ということで今回は妄想家族電車を考えてみる事にしました。
第27回 出発!妄想家族電車
家族電車は、「フジオ車両」「妻車両」「僕車両」を連結して作ろうと思います。まずはフジオと妻に好きなものを聞いてみました。
フジオは【恐竜 虫 かき氷 深海魚 サメ アイスクリーム お菓子 ハンバーガー 餃子 人参 ザリガニ ダンゴムシ カルピス】で、妻は【青空 入道雲 音楽 音楽フェス 珈琲 喫茶店 タン塩 沖縄 日本酒 最近はウイスキー】ということでした。僕は【ビール おつまみ 大衆酒場 サッカー 納豆 未確認生物 昭和レトロ 怪談 妖怪】という感じです。
各自の好きなもので車両を作ってみましょう!
その1 「フジオ車両」
最近大好きな深海を走ります。提灯アンコウが照らしてくれます。
その2 「妻車両」
大好きな青空の沖縄を走ります。だけど日焼けガードは忘れません。フェス会場から落ちないように注意しましょう。
その3 「僕車両」
一度は行ってみたい砂漠を走ることにしました。砂漠を眺めながら居酒屋でビールを飲んだら最高に美味しいことでしょう。
そして、各車両どうしを連結させると……
その4 「家族電車」の完成です。
フジオと妻が大好きな宇宙をみんなで走ります。
以上、妄想家族電車でした。またフジオが眠れない時には家族電車でいろいろな場所を旅してみたいです。
ありがとうございました!
大串ゆうじ
おおくしゆうじ/1976年茨城県出身。多摩美術大学絵画科油画専攻卒業。個展などで作品を発表しながら、雑誌、テレビ、広告などのイラストレーションで活躍。著作絵本に『よなかかいじゅうイビキラス』、『ねたあとゆうえんち』(白泉社)『しょうてんがいくん』(偕成社)がある。
www.senggeng.com/kushi/