おべんとうの絵本を持って出かけよう!・1
春はおでかけが楽しい季節。おべんとうと一緒に、おべんとうの絵本を持って、外へ出かけてみませんか? さまざまな、おべんとうの絵本をご紹介します。
記事の最後には、『レッツゴーおべんとう!』の作者、絵本作家わたなべあやさんのインタビューも掲載です!
※インタビューは、本誌掲載時2016年当時のものです
みてみて、いろんなおべんとう
おべんとうを作る、食べる、見る、歌う。
バラエティに富んだおべんとうの絵本、まずはどれから読んでみる?
1歳~
目で味わう、いろんなおべんとう
『おべんとう めしあがれ』
視覚デザイン研究所/作 高原美和/絵
視覚デザイン研究所 本体880円
三色べんとう、おにぎりべんとう、イタリアン弁当にお花見べんとう。丁寧で温かな水彩画で、ページいっぱいに描かれた色とりどりのおべんとうに、わあっと声があがりそう。
歌いながらページをめくろう
『おべんとうばこのうた』
さいとうしのぶ/構成・絵
ひさかたチャイルド 本体1100円
「これくらいの おべんとうばこに♪」みんなが知っている、あの歌が絵本に。おかずが順に並んでできあがった絵に、「こういうおべんとうだったんだ!」と目からウロコ。
2歳~
巻末には小さなおかずのヒントも
『おべんとうはママのおてがみ』
田島かおり/作
教育画劇 本体990円
かわいい星形なら、苦手なにんじんも大丈夫。おばけのごはんを食べちゃって勇気を出そう! アキちゃんを見守るママの気持ちが、毎日のおべんとうにいっぱいつまってます。
絵本で体験、おべんとうづくり
『おべんとう』
小西英子/作
福音館書店 本体990円
最初はからっぽのおべんとうばこ。まず入れるのは、たきたてごはん。それからミートボールに、卵焼き、ウィンナーに野菜とデザート。ほら、おいしいおべんとうができました。
園のおべんとうタイムみたい!
『ぼくのおべんとう』・『わたしのおべんとう』
ともにスギヤマカナヨ/作
アリス館 本体各968円
ぼくのおべんとうは卵焼きにからあげ、わたしはサンドイッチにミートボール。大好物も入ってるし、おかあさんからのサプライズも。2冊並べてふたりで交互に読むと、楽しさ倍増。
おべんとうの人気者が集う幼稚園
『ともだちべんとう』
木坂涼/文 いりやまさとし/絵
教育画劇 本体990円
カニカニようちえんのみんなは元気いっぱい。やきのりくんとたまごやきちゃんがすべりだい、おにぎりとたこちゃんウィンナーはおにごっこ。あ、カニカニおべんとうバスもやってきた!
3歳~
前と後ろ、どっちから読もうかな?
『まえからも うしろからも よめるえほん おべんとう』
さとうめぐみ/作・絵
ひかりのくに 本体935円
前から読むと、おべんとうを作るお話。最後まで読んで、ひっくり返して後ろから読むと、同じおべんとうを食べるお話。不思議なようだけど納得、繰り返しめくりたくなります。
interview
絵本作家 わたなべあや さん
おべんとうは、お母さんの魔法。
そのわくわく感を絵本にしたくて。
――今回の絵本はどんなふうに生まれましたか?
テーマをおべんとうにしようと編集さんと話し合っていて、おべんとう箱の形って遊園地の乗り物に似てるな……とパッとイメージが浮かびました。ストーリーに面白いオチをつけたいと思っていたのですが、食べ物だから最後は食べられたほうがいいということで、ラストシーンが決まりました。おべんとうが運ばれてくるジェットコースター、私もほしいです。とても助かります(笑)。
――リズミカルな言葉がとても楽しいです。
子どもが言うことを聞いてくれなくて疲れてしまったときとか、気持ちを歌詞にして歌うクセがあります。「片づけるっていったのに~、片づけて~な~い~♪」とか(笑)。結局片づけてくれないんですけど、気持ちがふっとラクになるんですよね。リズムのある言葉は、普段の生活から生まれているかもしれません。
――ご家族みなさんで応援してくれているとか。
幼児教育を大学で教えている夫がアドバイスをくれるので、6年生の長男と3年生の長女も、絵本のラフを見てアドバイスをくれるようになりました。今回の作品でもいい言葉が出てこないところがあって、「あつあつですね、いいながめ」は息子のアイディア。家族で楽しんで絵本づくりを応援してくれています。(* 最新刊『ショコラくんのおこさまランチ』は旦那様との共著)
――これからどんな絵本を描いていきたいですか?
学生時代に作った『うめぼしくん』という絵本でデビューしたのですが、食べ物をキャラクターにすると、自然にお話が動き出してくれるんです。これからも食べ物のお話を描いていきたいです。
――読者にメッセージを。
子どもにとって、おべんとうは「お母さんの魔法」だと思うんです。起きたらできあがっていて、蓋をあけるときはちょっとわくわくして……その楽しさを表現できたらいいなと思いながら描きました。次は何に乗るのかな? って親子で想像しながら読んでみてください。
みんなで いっしょに ゴーゴー レッツゴー!
『レッツゴーおべんとう!』
わたなべあや/作
白泉社 本体968円
おべんとうのおかずが、遊園地にレッツゴー! メリーゴーランドに観覧車……さて、最後に乗るのは? たまらなくかわいい食べ物たちとリズミカルな言葉を親子で楽しみたい。
わたなべあや
1978年東京都生まれ。絵本に『かたづけやさーい』(ひかりのくに)、『いーれーてー』(アリス館)、『ショコラくんのおこさまランチ』(教育画劇)他多数。
編集協力/原陽子(JPIC読書アドバイザー)、山縣彩 イラスト/わたなべあや(kodomoe2016年4月号掲載 ※この記事は、2018年4月にウェブ掲載されたものを再編集しています)