なかなか寝てくれなかったり、お友達とうまくいかなかったり、子育ては一日中悩みがつきもの。「この大変さは一体いつまで続くんだろう？」と途方に暮れる瞬間が、たびたびあるはず。そんなときは少し視点を変えて、いつもは子どものために読んでいる絵本を、ママ自身を助けるために活用してみませんか？
今回は、3歳の育児のお悩みにおすすめの絵本をご紹介。今のお悩みにぴったりの絵本が、きっと力になってくれますよ。

おなやみ1
ごはんを食べてくれません。

まずは遊びの感覚で、「食べる楽しさ」を一緒に味わいましょう。

名前ひとつで気分も変わる!?

『ぜったいたべないからね』
ローレン・チャイルド／作　木坂涼／訳
フレーベル館　本体1540円
子どもは食わず嫌いも多いけれど、にんじんを「“えだみかん” だよ」って言われたら、手をのばしてみたくなっちゃうから不思議。ママのユーモアのセンスを磨くのも手。

おなやみ2
好き嫌いが多くて困っています。

嫌いなものも、よく知ることで愛着が生まれるから不思議です。

すごいぞ“にんじん”パワー！

『にんじんばたけのパピプペポ』
かこさとし／作・絵　偕成社　本体1100円
怠け者の子ぶたたちが、ある日にんじんを見つけて食べてみると、お利口ないい子になりました。家族で力を合わせて育てたおいしそうなにんじん、きっと食べたくなりますよ♪

食べたい気持ちを引き出すために

『ジャムつきパンとフランシス』
ラッセル・ホーバン／作　リリアン・ホーバン／絵
まつおかきょうこ／訳　好学社　本体1320円
フランシスはジャムつきパンが大好き。他のものを食べようとしません。そこでお母さんが取った行動は？　実際はなかなか難しくても、絵本での追体験が気持ちを動かします。

おなやみ3
片づけが苦手です。

「きれいな部屋は気持ちいい」ことを、楽しく伝えたいですね。

元気ないとこは、いい子たち

しつけの本ではなく、お片づけの時間が自然に出てくるところがいい。（たっくんママさん／7歳＆2歳男の子ママ）

『くりちゃんとピーとナーとツー』
どいかや／作　ポプラ社　本体1078円
いとこのピーとナーとツーが遊びに来ると、おうちはぐちゃぐちゃ、くりちゃんはヘトヘトです。でもね、3人はいいところもいっぱい。きちんとお片づけもできるんです！

部屋がきれいになったら何しよう？

『バムとケロのにちようび』
島田ゆか／作　文溪堂　本体1650円
泥だらけで帰って来たケロの部屋の汚しっぷりには、「子どもってこうよね～」と笑っちゃいます。それを端からキレイにしていくバムも楽しそう。毎日を面白くする名コンビ！

おもちゃも自分の家に帰りたい

『ななちゃんのおかたづけ』
つがねちかこ／作　鈴木尚子／おかたづけアドバイス
赤ちゃんとママ社　本体1100円
3ステップの「片づけのしくみ」を覚えれば、気持ちのいいお片づけが自然にできるようになります。「片づけなさい！」のセリフはしまっておいて、まずはできることから♪

おなやみ4
引っ込み思案でまわりに溶け込めません。

不安でいっぱいの子どもの気持ちに、まずは寄り添ってあげる物語がおすすめ。

元気が出てくるママのおまじない

こんな絵本があったら、と思っていたときに手に取り、思わず涙。（りおさん／5歳女の子ママ）

『てのひら』
瀧村有子／作　ふじたひおこ／絵
PHP研究所　本体1320円
園に行くと無口で遊べないゆみちゃんのてのひらに、にっこりするおまじないを描いてくれたママ。そしてある日、いつもとは違う「スペシャルマーク」を描いてくれて……。

おなやみ5
きょうだいで仲良くできません。

ぶつかって当たり前。お互いの立場や思いをわかりやすく伝えてあげましょう。

妹たちは、怒ってます！

『いもうと かいぎ』
石黒亜矢子／作　ビリケン出版　本体1650円
「ねえねは　ずるい」と思っている妹たちが、姉たちを反省させるための会議を開きます。でも、そううまくはいかなくて!?　“妖怪絵師”として人気の作家が描く姉妹が魅力的。

おなやみ6
下の子が生まれて、上の子が赤ちゃんがえり。

お兄ちゃん、お姉ちゃんになる複雑な気持ちを、絵本がふわりとほぐしてくれます。

抱っこする？　してもらう？

『ぼくも だっこ』
西條剛央／作　大島妙子／絵　講談社　本体1540円
抱っこしてもらったときの子どもの幸せそうな顔は、表紙のまもるくんそのもの。どんな子だって、みんな抱っこが大好き。幸せタイムできょうだいへの優しさも育ちます。

私より背が高くなっても

『あなたがとってもかわいい』
みやにしたつや／作・絵　金の星社　本体1320円
お兄ちゃんになっても、小学生になっても、声変わりしても、いつまでもいつまでもかわいいのです。声に出して、抱きしめて、伝えてくださいね。愛されているから頑張れる！

心もお姉ちゃんになる日

『みてみて おかあさん』
LEE／文　みやこしあきこ／絵
白泉社　本体1430円
みなちゃんが思わずつぶやく、「なんでおねえちゃんになったんだろう」「わたしいつまでおねえちゃんなの？」の言葉に、胸が痛くなります。でも、お母さんはちゃんと見ていますよ。

おなやみ7
お友達とうまくいきません。

声のかけ方から、相手を思いやる大切さまで。お友達の絵本はバリエ豊富！

優しい気持ちでぎゅっと親密に

『おすわりくまちゃん』
シャーリー・バレントー／文　デイヴィッド・ウォーカー／絵
福本友美子／訳　岩崎書店　本体1210円
ひとつ足りない椅子に、くまちゃんたちみんな座れるかな？　しょんぼりしているお友達を思う気持ちと、上手くいったときの嬉しそうな姿が愛おしい。思いやりの心を育みます。

おなやみ8
なかなか寝てくれません。

寝る前の一冊は、やや部屋を暗めにして読むのもおすすめです。

眠れない夜にはやっぱり抱っこ

『ねむれないの？ちいくまくん』
マーティン・ワッデル／文　バーバラ・ファース／絵　角野栄子／訳
評論社　本体1430円
暗くて怖いと眠れないちいくまくん。おおくまさんが大きなランプを持ってきてくれても眠れません。最後に持ってきてくれた灯りと温もりに、我が子を抱きしめたくなります。

一番はやっぱりお母さん

『よるくま』
酒井駒子／作　偕成社　本体1100円
目覚めたらお母さんがいなかった、とやって来たよるくま。男の子は一緒にお母さんを探しに行きます。最後は一番大好きな人に会えたから、今夜はいい夢が見られそうですよ。

ブルドーザーも寝るんだよ

『おやすみ、はたらくくるまたち』
シェリー・ダスキー・リンカ―／文　トム・リヒテンヘルド／絵
福本友美子／訳　ひさかたチャイルド　本体1430円
働く車のおやすみ絵本って!?　読んでびっくり、夜になるとエンジンを止めて静かな眠りにつく車たち。一日張り切って遊んだら、明日も元気に動けるように、ぐっすりおやすみ！

撮影／岡森大輔　編集協力／井出ひかる（kodomoe2017年4月号掲載　※この記事は、2017年11月にウェブ掲載されたものを再編集しています）